- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396440053
感想・レビュー・書評
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酒鬼薔薇事件から始まる本書はもうなんていいますか凄いですよお腹いっぱいになります。
「縦書き」もとい「日本語」を愛する気持ちがひしひしと伝わってきます。「縦書き」こそが「日本語」であり、「横書き」は日本人を壊す〜なんて、なかなか、思い付かないですよそんなこと。『「縦書き」こそが精神を救う』ってね!精神ですかそうですか。
何より2005年の時点で『「横書き」がひじょうな勢いで増え続けている』と述べる筆者の環境があまりにも読者とは異なっているのではないでしょうか。その「横書き」が主流でない場所に立ってテレビ、パソコン、ゲームをもって「横書き」批判されてもなあ、と。さらに『生活上必ずしも必須でない、パソコンやケータイ、インターネット』とあり、それらを必須と思う自分にとってはよくある今時の若者は〜本でした。ですが内容が表題からの予想に反して凄まじく壮大であったので大変楽しめました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今まで「横」に縛られていた。
これを読んでから、まずは日記を縦書きに変えてみた。
縦書きで書くと、背筋が伸びる感じがする。
著者の主張には同意はできない部分も多いけれど、新しい(というよりも失われていた、本来の)世界観が提示されたのは確か。 -
書家である著者は、日本語を書くことの追求の果てに「書いてこそ日本語、それも縦に書いてこそ」という確信にたどり着く。そこから展開される日本文化の状況論はラジカルで示唆に富むものとなっているが、副題にある「横書きが日本人を壊している」という認識までも共有するのは簡単ではなかろう。しかし、キーボードに侵略されたままでは、日本文化に未来はない!