- Amazon.co.jp ・マンガ (63ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396460051
作品紹介・あらすじ
こんなふうなふたりでいれるといい。ひとりのようなふたりを思う。彼女がつぶやくひとりの日々。
感想・レビュー・書評
-
『孤独』・・・
は、恐ろしい。
(あ、今私は孤独だ。)
そう気付いてしまった時は、どう息をしていいのかさえわからなくなる時がある。
まるで、
深海にでもいるかの様に、見えない圧力で押しつぶされそうになる様な息苦しさ。
ほんとうに、
つくづくやっかいな感情だな、と思う。
こんな感情さえなければ、何の不安もなく、(ひとり)を落ち着いて楽しめるのに。とか、思ってしまう。
本を開くと、ひとりの女性。
不思議な絵本(マンガ?)だな、と思った。
写真との融合によって、
彼女の心情、息遣い、独り言、がよりリアルに伝わってくる、
てゆーか、すぐ隣にいるよな感じ。
ひとりで
喫茶店にはいり、お茶をのみ、他人を眺めてあれこれ思索。
その独り言がすごく静かで。
家帰って
夢語って
思いついたように花屋へ向かう。
そのひとり、がすごく自由で。
>今はまだひとりで何ももってない・・・
その軽さがふわっと心に気持ちよい風となって吹いてきた。
読み終えると、
さっきまでのやっかいな感情は(一体何だったんだろう?)と、思えてしまうくらい跡形もなく消え去っていた。
ほんと、きれいにさっぱりと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久しぶりに再読。
オールカラーで絵がきれいだし、主人公がよくジュンヤのお洋服を着ているのがとても洒落てて、発売当時(2005年)わたしもよくギャルソンのお洋服着てたから、主人公の佇まいとかファッションも含め、この漫画の世界観にとても憧れたなあ。今でも好き。 -
オールカラーで文字と絵の配分が丁度良く、よく読む一冊。
生活における喜びと寂しさ、幸せと孤独が描かれていて、機微な感情が表されている。
ラストの、主人公と友人とのやり取りが秀逸。
2017.10.23 -
こんな風にコートを選んで歳をとっていきたい。
-
定期的に手に取る一冊。
この本を読みたくなる自分でありたいと思う。 -
オサレ。ほんとオシャレ。
-
好きだなー、この感じ。
10年もののコートを着ている人に憧れたり、会話がほどよく聞こえてくるぐらいのカフェが好きで、カウンターに座ってマスターとおしゃべりまではできなくて、ちょっと近くのホテルにトリップしてみたり、素敵な間取りのお店があったら自分がそこのオーナーになったときのことを妄想したり、若いときは年末年始は家族と過ごさなくちゃ!って躍起になって帰郷していたけど、今は自分の家の中に自分なりの小さなお正月を作っていて、こうやって家族は分裂増殖していくんだな、と思ったり、、、わかる、わかる~って感じです。
そして、終盤、「もう女子とは言えない」女3人でのフリーマーケットを開催。そこから更にまた夢は広がって。
一人暮らしを満喫しつつ、それでもやっぱりいつかは二人で、って締めくくられる。でもその視点も至極冷静で。ただ単によく言われるような「恋人がいれば楽しい」って決めつけじゃないの(だって、そこは、人それぞれの価値観だもの)。こういう理由だから、私は二人がいいなって、ゆるやかに思う、そんな終わり方がいいなって思いました。 -
僕は何と言ってもナイトー先生のこの画が、この語り口が、好きなんだな、と。実感する。ゆっくりと、1ページ1ページ。短い作品だけど、味は濃厚で、でもさっぱりとしていて。上質な、それこそコーヒーであり、シガーであり。パリに行きたくなってしまった、後半部あたりから。(10/8/13)
-
主人公の女性が、友達のMにそっくりだった。そして自分にも。ひとりだけど寂しさを感じない。
-
やまだないとの著作は、延々生々しいという印象で、好みではありませんが、これはとてもおしゃれですてき。
全カラーで、谷中を舞台に、写真にイラストを合わせたような作り方をしています。
一人の妙齢の女性の、とりとめない内心のモノローグに合わせてページが進んでいきます。
服の中でコートが一番好きだとか、コートを5枚持っているので、それ以上増やすことに罪悪感を持つとか、上等のカシミヤを10年着こなしたいとか、うんうんとうなずきながら読みました。
一人きりの、少しものさびしいながらも、ゆったりしたすてきな生活。
シックなファッションもすてき。
(年甲斐もなく)と思って悩んでいたカラフルなかわいいコートを、(おばあちゃんくらいの年の人が着たら、逆にかわいいかも)と視点を変えて考えて、結局購入したことが、なんだか微笑ましく、あるあるだなあと思いました。
平日有給を取って、家から30分のホテルに泊まるなんて贅沢も楽しんでいます。
「木曜日の夜はサマリテーヌ。午後9時半のヌーテリマサ。」という一文がありましたが、このヌーテリマサがどんな意味なのか、わからずじまいでした。
実際、その場に存在しているような等身大の女性の日常に親近感が湧きました。
でもこのとりとめのなさ。基本、著者の作品には、起承転結はないんでしょうね。