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- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396610180
感想・レビュー・書評
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語源学を展開しつつ、古代ゲルマン人と古代日本人の共通点を書いていく。西部邁や西尾幹二といった左翼全盛だったころの「右」ならではの言説が読んでいて楽しい。表紙はトリックアートの福田繁雄だ。日本の死者は死んでもなくならない。それはギリシャ神話のオルフェイスとユーリダイスの物語とよく似ている。死ぬというのは「退去」なのであり消散ではない。ドイツ語のゼーレ(霊魂)はゼー(海)の派生語であり、出雲神話にある幸魂・奇魂が海から現れるのと共通しているなどから、「死者の民主主義」こそ本当の民主主義であり、生者のみの民主主義を実行しようとしたことでどれだけ独裁が生まれたかを指摘しつつ、保守的なことこそ民主主義的であることも語られている。歴史本というより、渡部昇一本。特に、留学中に、中国人や欧米人に、日本と日本人について何か間違ったことを言われると百倍返しでボコボコに論破し絶交していくエピソードを書いているが、私は結構こういう話は好きです。
渡部昇一と西尾と西部の留学エピソードの違いってものすごく面白い。渡部は相手をボコボコにする。西尾は欧米人はかっぱらいが多く下品で気がくるっていると批判する。西部は一周まわって欧米の庶民を賛美している(皮肉かもしれんが)。
ページを繰る手の止まらない面白い本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示