たかられる大国・日本: 中国とアメリカ、その驚くべき寄生の手口

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396611019

作品紹介・あらすじ

日本はこれまで、6兆円もの「経済援助」を中国に行なってきた。アメリカには、「訴訟戦争」で、多くの日本企業が巨額の和解金を支払わされている。そして、米中両国は、日本に対して、莫大な「戦後補償」の要求を始めた。こうした動きの背後には、中国とアメリカの国家戦略とも言える強かな日本への「寄生の手口」がある。600兆円の財政赤字を抱え、景気回復の方策も一向に見えてこない日本。この国家的経済危機のなかで、無防備で無益な"大盤振る舞い"を、このまま続けていてよいのだろうか-。『ヘッジファンド』の著者が、お人好し日本人に警鐘する。

感想・レビュー・書評

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  • およそ10年前に書かれたものとしては非常に優れた一書だ。まだ対中国ODAに関する認知が薄かった頃にODAの不正を見抜き、さらにアメリカへ進出した日本企業を襲った訴訟などの圧力に関して非常に詳しく書かれており、東芝のノートパソコンを巡る訴訟で10年間の利益に及ぶ1100億円もの和解金などは初めて知った。特に巻末における情報戦の項目以降については秀逸。

    ◆エジプトナセル大統領による1965年の会見の中で中国による対米麻薬戦略について詳しく語られている。
    中国政府は「トライアッド」という地下組織を使い半ば国家公認のケシの栽培、及び阿片の製造、密輸、販売を実施した。
    60年代のベトナム戦争時の沖縄米軍基地がターゲットとされ、沖縄から飛び立つ米軍兵士が麻薬漬けにされた。KGBの報告書から当時の米軍兵士の9割が何らかのドラッグ依存とされる。ソ連と北ベトナムとの仲介役としてチェコスロバキアが影の役割を果たす。
    中国、チェコ、日本の各共産党による麻薬を用いた対米工作が行われた。

    日本と中国の共産党は表向きでは宮本路線で対立していたが、実は1964年の合意文書が交わされており麻薬取引という裏の世界で結び付いていた。中国から仕入れた麻薬を米軍の士気を下げるために高く売りさばくことを条件に売上の25%を抜き取り活動資金にしていた。

    ◆中国が台湾の上空で毒ガスをまく。この一年で広範囲にわたり農作物や家畜が突然枯れたり死んだりした。
    96年の台湾選挙の際に台湾海峡にミサイルを打ち込み米海軍と中国海軍の船が接触事故を起こした。

  • 副題に「中国とアメリカ、その驚くべき”寄生”の手口」とあるように、対中関係、対米関係、あるいは国際社会においていかに日本が都合の良い存在として扱われているかをまとめた一冊です。内容的には決して「驚くべき」内容ではありませんが、日本国民として最低限知っておく必要がある内容だと思います。これまであまり日中関係や日米関係、国際社会に興味をもってこなかった人にとっての入門書と言えるのではないでしょうか。

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