幕末 維新の暗号

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 343
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396612863

作品紹介・あらすじ

歴史作家・望月真司のもとに届いた一枚の古写真。それは幾度となくマスコミにも取り上げられた、いわくつきの代物だった。被写体は総勢四十六人。書き込まれた名前によれば、坂本龍馬、西郷隆盛、高杉晋作、岩倉具視、大久保利通、中岡慎太郎、伊藤博文、さらに桂小五郎、勝海舟…と幕末の志士たちが勢ぞろいしていたからだ。荒唐無稽-だが、まがい物と片づけられてきた写真を仔細に検証すると、被写体と実在の人物が次々に合致していった。この古写真はなぜ撮影され、そして歴史の彼方に葬り去られたのか。謎を追ううちに、望月は写真に込められた「秘密」に突き当たる。それは明治政府の重大なタブーに触れるものだった。吉野、佐賀、長崎、鹿児島、山口県柳井-徹底的な取材と綿密な史料分析から解き明かす、驚愕の幕末史。

感想・レビュー・書評

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  • 2017年2月3日読了。

    488ページ。

    幕末の志士が一同に会しているという写真を巡って、明治天皇すり替え説につなげる陰謀小説。

    フィクションなんだろうけど、楠木正成の銅像が皇居にドカンと鎮座していたり、主流ではない南朝系の神社が多数存在していたりと、内容は面白い。

    ケネディ暗殺、アポロなど陰謀はアメリカだけではなく、日本にもこういうスケールの大きい陰謀論があってもいいんじゃないかな。

  • 私もある集まりでフルベッキ写真のコピーを入手し、それを天皇の御子孫の方にお渡ししたご縁があったので、大変面白く拝読しました!

  • 何十年かぶりに再読。やはり面白い。ここに書かれていることが真実かどうかは分からないが、内容に説得力があり納得して読める。歴史の見方、考え方、人物の行動の背景事情の紐解き方がとても勉強になった。

  • 先日、新たな天皇の即位の儀式が行われていたが、歴史マニアにとってはどうでもいいというか正直天皇陛下とはって考えると税金の無駄遣いに感じて仕方がない。もともと南北朝時代に足利に追われた後醍醐天皇が吉野の地で南朝を立ち上げ、足利の作り上げた天皇が北朝となった。

    それからの天皇家というのはどういう歴史をたどったのだろうかと思う。官軍に暗殺されたのではないかと言われる幕末の孝明天皇は北朝側。そして明治天皇は……ある意味この作品って本となっていいのでしょうか?

    この幕末時代の集合写真は合成でない!昔から知っていたのですが、合成だと思っていたので驚きでした。坂本龍馬、西郷隆盛、桂小五郎など幕末のそうそうたる志士たちが一堂に会している。その中で一人これは誰?という人物がのちの明治天皇ではないかと言われている。そんなすり替え説を描いた作品がこれである。読めば読むほど面白いうえにどこか洗脳され始めている自分がいた。

    そんなことを考え始めると今の天皇家の血というのは?と考えてしまう。

  • なぜ皇居前に楠木正成像があるのか、何となく繋がった気がする。

  • 幕末維新オールスターズが写った「フルベッキ写真」
    坂本竜馬、西郷隆盛、桂小五郎、高杉晋作などなど・・・
    しかし写真の真偽は定かではない
    そして、その写真からは明治天皇は"大室寅之祐"なる人物に入れ替わっているということを示唆できるという

    司馬遼太郎の竜馬がゆくを読んでかなりの竜馬ファンになっていた。しかし別の見方をすれば竜馬も大したことは無いんだなと思えた。と言っても、両方とも創作歴史小説だから、事実はどっちでもいいんだが、司馬遼太郎の方が夢があって好きだ。天皇が入れ替わっていてもどっちでもいいしね・・・。

    ただ、歴史の勉強にはとても良かった。

  • 明治維新のころの歴史の本はあまりよんでいなかったので、「フルベッキ写真」の話は全く知りませんでした。それだけに、ものすごく面白く読めました。
    写真の人物の特定に関しては学術的にはNGかなという内容でしたが(特に西郷隆盛あたり)、明治天皇すりかえについては、状況証拠とあわせてもかなりリアリティがあるなと思います。
    この本読んで、明治維新にとても興味がわきました(図書館で追加で数冊の本を予約しちゃいました)。

  • フルベッキ写真から伺える、正とされている日本史の矛盾と謎を探求。幕末を複数の視点から語れるようになるために読む。

    明治維新の三英傑の影に隠れた本当の首謀者、南朝を復活させるんだという強い意志で結ばれた横井小楠と松平春嶽が薩長を動かした。また、アーネスト、グラバー、フルベッキという外国人がそれらのエネルギーを利用し、日本を維新へと導いた。また、フリーメーソンという古代から連綿と続く秘密結社の不気味さが際立つストーリー展開だ。歴史は事実と異なるから、面白いんだということを再認識させてくれる一冊であった。

  • 歴史フィクションだから、どんな設定もありだけど、久しぶりにこんな「とんでも本」を読んだ。フルベッキ写真をテーマにしてるけど、大筋は明治天皇すり替え説。そしてその背景を南北朝の後醍醐天皇あたりにまで遡るという、ダビンチコードも斯くやというほどのミステリー。しかし、関わるアマチュア歴史家たちが、南梟団という謎の団体(最後まで謎のまま終わる)に次々と暗殺されていくくだりなどは、笑っちゃうほどのレベル。ダンブラウンとの差は、ストーリーテラーとしての能力が大人と鼠くらいの差であるということか。上手く描けば、もっと面白い作品になったのにと… 惜しいな。

  • 読み終わりました。

     加治将一著「幕末維新の暗号ー群像写真はなぜ撮られ、そして抹殺されたかー」

     幕末に撮られた1枚の写真。

     そこには、坂本龍馬、西郷隆盛、高杉晋作、岩倉具視、大久保利通、伊藤博文、桂小五郎、勝海舟・・・・総勢46人もの幕末の志士たちが勢揃いしていた。

     その実在する1枚の写真から、明治維新に大きくかかわる「秘密」を暴いていくという、歴史ミステリーです。

     そう、まさに日本版「ダヴィンチ・コード」です。

     幕末から明治維新の歴史が好きな人は、次々に明らかになるなぞにはまってしまうでしょう。

     これが事実なら、今の日本のあり方も根本から覆されてしまうのではないでしょうか。

     しかし、司馬史観に憧れを持っている私としては、まさかねと、これはあくまで小説だからなあと、ミステリーとして割り切って読んだのでありました。

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著者プロフィール

札幌市生まれ。米国で不動産投資事業に従事、帰国後、執筆活動に入る。 『龍馬の黒幕』 『幕末 維新の暗号』『幕末 戦慄の絆』『舞い降りた天皇』『龍馬を守った新撰組』(すべて祥伝社文庫)他、タブーを破る歴史ミステリーが読者の心を摑み、大ベストセラーに。近年はYouTube「Kajiチャンネル」でオリジナルな世界観、歴史観、幸福哲学の情報発信を続けている。近著に『軍師 千利休』(祥伝社四六判)がある。

「2023年 『第六天魔王信長 消されたキリシタン王国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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