- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396613112
感想・レビュー・書評
-
歴史小説家・望月真司シリーズ。
今作では天皇のルーツを探る。説としてはやはり面白い。「対馬」と「壱岐」及び古代史との関係は、他の本でも読んだことがあったからかそれなりにしっくりときた。魏志倭人伝の解釈もなかなか説得力があり、邪馬台国の位置や、卑弥呼の特定に至る解釈もうんうんと頷きたくなる。
ただ、前作でもそうだが、とりあえず小説ストーリー部分を何とかしてほしい。無駄にサンカが出てきたり、オカルトっぽくなったり。その上、主人公のキャラにさほど魅力が感じられず、読むのが辛い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
586.H20.8/15、2刷、並、カバスレ、帯付
2011.1/23、伊勢BF -
この著者の本は刊行順に読んだほうがよい。
一見、真実味のある異説が展開され、フィクションとはいえ著者にとっては真実なのではと思っていたが、サンカが出てきたところで怪しくなってきた。 -
下巻では、いよいよ邪馬台国の場所についての仮説が繰り広げられる。著者の説では、九州奥地の山奥になるらしい。
また、古くから大陸と交流のあった「対馬(ツシマ)」「壱岐(イキ)」が、日本の国の始まりに深く関わっているという展開は、(もはや常識なのかもしれないが)説得力があった。
『幕末 維新の暗号』ほどの衝撃は無かったが、古代史を新たな観点で見ることができて楽しめた。巻末にある「魏志倭人伝」を現代語に訳した文章も、初めて読む者として興味深かった。古代史好きには文句無しにおすすめ。
惜しむらくは、小説部分がやや稚拙というか、古代史の解釈よりも非現実な展開をしすぎるところ。あえて、狙ったのかもしれないが。