舞い降りた天皇(下)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 83
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396613112

感想・レビュー・書評

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  • 歴史小説家・望月真司シリーズ。

    今作では天皇のルーツを探る。説としてはやはり面白い。「対馬」と「壱岐」及び古代史との関係は、他の本でも読んだことがあったからかそれなりにしっくりときた。魏志倭人伝の解釈もなかなか説得力があり、邪馬台国の位置や、卑弥呼の特定に至る解釈もうんうんと頷きたくなる。
    ただ、前作でもそうだが、とりあえず小説ストーリー部分を何とかしてほしい。無駄にサンカが出てきたり、オカルトっぽくなったり。その上、主人公のキャラにさほど魅力が感じられず、読むのが辛い。

  • 上下巻あわせて700ページ弱の歴史ミステリーの幕が降りる。
    「天皇X」の正体を巡る探索は、邪馬臺国の場所探しから、朝鮮半島と九州をつなぐ壱岐・対馬をめぐり、三種の神器が眠る「神宮」へ。
    主人公望月のゴールを影で支えるハチとよばれるまつろわぬものの集団とそれをじゃまするものの暗闘がエンターテインメント性を上げるはずなのだが、この小説らしい部分が非常に浅い。あっさり関係者は死んでいき、両者の解明はほとんど話の流れからおいて行かれている。
    まぁ、歴史モノの本ということが主題なんでしょうがないかとも思いきや、それならそれで小説風ではなくノンフィクション風の立て付けでもいいのではないか?

    とはいえ、最終的には邪馬臺国の場所から卑弥呼の墓、そして天皇Xの正体と、なにより文明的な大陸(シナ、朝鮮)と遅れている縄文的倭国という従来の立ち位置も解釈をかえるとこうもすっきりとするものか!と最後の章は心踊らされる怒涛の謎解きの展開です。

  • 586.H20.8/15、2刷、並、カバスレ、帯付
    2011.1/23、伊勢BF

  • この著者の本は刊行順に読んだほうがよい。
    一見、真実味のある異説が展開され、フィクションとはいえ著者にとっては真実なのではと思っていたが、サンカが出てきたところで怪しくなってきた。

  •  下巻では、いよいよ邪馬台国の場所についての仮説が繰り広げられる。著者の説では、九州奥地の山奥になるらしい。
     また、古くから大陸と交流のあった「対馬(ツシマ)」「壱岐(イキ)」が、日本の国の始まりに深く関わっているという展開は、(もはや常識なのかもしれないが)説得力があった。

     『幕末 維新の暗号』ほどの衝撃は無かったが、古代史を新たな観点で見ることができて楽しめた。巻末にある「魏志倭人伝」を現代語に訳した文章も、初めて読む者として興味深かった。古代史好きには文句無しにおすすめ。

     惜しむらくは、小説部分がやや稚拙というか、古代史の解釈よりも非現実な展開をしすぎるところ。あえて、狙ったのかもしれないが。

著者プロフィール

札幌市生まれ。米国で不動産投資事業に従事、帰国後、執筆活動に入る。 『龍馬の黒幕』 『幕末 維新の暗号』『幕末 戦慄の絆』『舞い降りた天皇』『龍馬を守った新撰組』(すべて祥伝社文庫)他、タブーを破る歴史ミステリーが読者の心を摑み、大ベストセラーに。近年はYouTube「Kajiチャンネル」でオリジナルな世界観、歴史観、幸福哲学の情報発信を続けている。近著に『軍師 千利休』(祥伝社四六判)がある。

「2023年 『第六天魔王信長 消されたキリシタン王国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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