「天地人」を歩く

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396613136

感想・レビュー・書評

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  • (2009.02.16読了)
    NHK大河ドラマ「天地人」の原作者が、小説の舞台となった土地をドラマの放映前に訪ね歩いて書いた本です。小説を書くに当たっても一度たずねたところなのでしょうが。
    直江兼続のゆかりの地を訪ね歩いてみたい方は、持って行くといいでしょう。

    ●ゆかりの地(3頁)
    「兼続が生まれた越後魚沼郡の坂戸城。師である上杉謙信の教えを受けた春日山城。妻お船の方の故郷で、兼続が領主となった与板の地。豊臣秀吉との会見が行われた、日本海を望む落水城。兼続自ら陣頭指揮をとって築城に当たった、会津若松郊外の神指城。徳川家康に一世一代の大勝負を挑もうとした白河の革籠原。そして戦いの果てに、民への愛に己の生きる道を見出した出羽米沢の地……。」
    ●六日町(21頁)
    新潟県人は、押し並べて「押し」が弱い。何ごとにおいても耐え忍び、おとなしく、意思を表に出さない。ところが同じ新潟県内でも、ここ六日町の人々だけは異彩を放つのだ。押しは強く、目的のためにまっしぐらに進んでいくような力を見せる。
    この気質は、おそらく峠を越えた群馬県、すなわち上州から来ているのではないかと思う。
    上州の人はポジティブで積極的である。それに好奇心旺盛で新しいもの好きでもある。自動車業界では「新車は群馬で売れ」という標語があるそうで、東京で見た新車を、地元のショールームに現物が来ないうちに買ってしまうのが群馬県人なのだという。
    ●お船の方(49頁)
    上杉景勝は兼続から遅れること4年、1623年に病没するが、死の床にあって息子の定勝に次のように言い遺した。
    「上杉家を支えた直江山城守(兼続)は、すでにいなくなってしまった。これから私も死んでゆく。お前はどうすべきか不安だろう。だが大丈夫だ。国政のことは、すべてお船の方に相談しなさい」

    140頁ほどの本で、ぱらぱらめくると写真ばかりの本に見えるので、すぐ読めそうに思えたのですが、解説文のところが三段組みになっており、結構、読みごたえがありました。
    「天地人」は結構長い小説なので、しんどい人は、この本でも「天地人」の内容はわかります。ところどころに小説「天地人」からの引用もありますので。
    (2009年2月17日・記)

著者プロフィール

作家

「2017年 『左近(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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