「細胞シート」の奇跡―人はどこまで再生治療できるのか

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著者 : 岡野光夫
  • 祥伝社 (2012年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396614027

「細胞シート」の奇跡―人はどこまで再生治療できるのかの感想・レビュー・書評

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  • 再生医療の素晴らしい未来の一端を知ることができたと思う。しかし、読んでいて少し歯がゆくなることもある。厳しい日本の規制などである。国民による神経質なまでの態度やそれに対応した国の基準、法律によって、成長が阻害されてきた歴史を見れば、なんて報われない分野だったのだろうと思う。だからこそ、これからは成長産業として世界を代表するような産業になって欲しいと思う。

  • 岡野先生の熱意が詰まった一冊!平易な言葉で書かれているので医療関係者以外の方々に是非読んでもらいたい。

  • 亊なかれ主義をどうにかしないと
    日本な進歩はないな

  • 再生医療に関して、細胞シートを中心にその開発者である岡野先生が書いた『開発史』という感じ。
    開発者とその共同研究者の熱い思いと行動力がスゴイ。確かに細胞シートには、iPS細胞のように無限の可能性を感じる。
    ただ、こんなに高学歴な人達が、これだけの努力をしても臨床になかなか入れないのは、本著でも指摘している行政の仕組み何だろうか?色々なメディアで紹介され、色々な政府系の組織に呼ばれている先生でも、倒せない当局の壁は、良いことなのか、悪いことなのかが判らなくなる。研究者が如何にいいものと訴えても当局は動かせず、国民から必要だという波が起こらないと当局は動かないと思う。
    その専門の先生が書かれた本にしては、素人の私が読んでもわかり易く勉強にもなった一冊でした。

  • 再生医療として注目が集まるES、IPS細胞であるが倫理的問題や実用化の面で、まだまだ課題が多いのも事実。
    しかし、著者の開発した細胞シートはすでに臨床実験を終えており患者を救っている。細胞シートを応用して臓器作る未来も遠くはないが、日本の薬事法がそこには立ち塞がる。
    再生医療の大きな可能性と日本の再生医療に対する問題点を浮き彫りにした一冊。自分の皮膚細胞から心臓が作れる未来はそう遠くはない。

  • (No.12-30) 一般向けに書かれた医療ノンフィクションです。

    著者・岡野光夫(おかの てるお)さんの紹介を、カバー裏から転載します。
    『細胞シート開発者。早稲田大学大学院 高分子化学博士課程修了(工学博士)。
    1994年より東京女子医科大学教授、UTAH大学教授、2001年より東京女子医科大学先端生命医科学研究所所長となる。
    専門は、バイオマテリアル、人工臓器、ドラッグデリバリーシステム、再生医療等。特に高分子の微細構造を制御することによってはじめて可能となる再生医学的機能を追及している。
    角膜上皮、心筋、食道、歯根膜の細胞シート再生医療の臨床をスタートさせ、さらに肝臓、膀胱などの再生医療を目指している。』

    医療ものに関心があるので読みました。
    細胞シートに関してはほとんど知らなかったのですが、その発想や仕組みを知ってすごいなと感心しました。

    でも私が一番感じたのは細胞シートのことより、岡野さんが訴えている日本の医療体制の閉塞ぶりとそのための危機感です。
    何人ものお医者さんがそういうことを小説に書いたりしていますが、これはノンフィクションですからより深刻に感じました。

    なんでなんだろう、日本という国は何か決めてしまうと、それを変えることを極端に嫌う。法律もそう。なんとか変えないで解釈で乗り切ろうとする。
    技術の進歩や時代の変化に対応できなくなっていても、頑なにそれを見まいとする不思議さ。
    このことは前から私は感じていました。

    岡野さんは延々とその理不尽さと戦っているようです。
    アメリカに留学した時には日本とはあまりに違う研究のしやすさに、一時は日本に戻らずアメリカで研究を続けようと考えたほどだそうです。
    角膜の再生医療の実現に道筋がついたのに、日本の薬事法が壁となって日本で申請を出すことも出来ません。手を差し伸べてくれたのはフランス。まだこれからですが、順調に進めばEUは相互協力していますからヨーロッパ全土に広まるはず。世界中の患者に朗報とはいえ、結局日本へは逆輸入になるんでしょうね。

    アメリカでは新薬や先端医療がひとつの輸出産業になっていて、アメリカの年間の医療費と同じくらいをその分野が稼ぎ出していると知り驚きました。
    もちろんお金はかかりますが、それでもその治療を受けたいと世界中から患者がやってくるし、薬や機器を輸出することができるから。アメリカでも全ての人がその治療を受けることは出来ないでしょうが、先端医療に関しての考え方が日本とは違うのです。
    日本では平等志向が強くて「治らない病気はみんな同じに治らなくていい」と考えているのではないかという気がしている、と岡野さん。
    お金がかかる先端医療を進めたために医療費が35兆円から50兆円に増えたとしても、その技術力で20兆円の外貨を稼げば5兆円のプラス。国民には先端医療を届けられ、世界に貢献できる、というトータルな見方をして欲しいと訴えてます。
    日本は医薬品や医療機器では輸入ばかりしてほとんど輸出がないそうです。しかも日本製のものが無く輸入品しか使えないものも多い。技術は充分にあるのに、薬事法のために国際競争に参加できない事情があるためです。

    法律の隙間を探して、一生懸命やっている研究者や医療従事者たちの頑張りはすごいけれど、そういう事態は残念でなりません。
    岡野さんの身もだえするくらいの想いが伝わってきました。

    細胞シートって何?と興味を惹かれて読んだ本ですが、医療行政が医療技術の進歩を妨害している現状がよく分かりました。

  • レビューはブログに書いてます
    http://no123.blog86.fc2.com/blog-entry-2887.html

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「細胞シート」の奇跡―人はどこまで再生治療できるのかの作品紹介

いま、世界では「医療革命」と呼べるほどの大きな変化が起こりつつある。その変化のただ中にあるのが、著者の手がけている「細胞シート」。細胞シートとは、自分の細胞を培養して増やし、患部に移植するための厚さ〇・一ミリ以下の薄いシート状のパッチのことで、移植手術でしか助かる見込みのない患者も救うことのできる革新的な医療テクノロジーとして、いま、世界で注目されている技術だ。

「細胞シート」の奇跡―人はどこまで再生治療できるのかはこんな本です

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