西郷の貌: 新発見の古写真が暴いた明治政府の偽造史

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 135
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396614133

作品紹介・あらすじ

歴史作家・望月真司は、一枚の古写真に瞠目した。「鳥津公」とされる人物を中心に、総勢一三人の侍がレンズを見据えている。そして、その中でひときわ目立つ大男…かつて望月が「フルベッキ写真」で西郷隆盛に比定した侍に酷似していたからだ。この男は、若き日の西郷なのか?坂本龍馬や勝海舟らと違い、西郷を写した写真は現存しない、とされている。よく知られた西郷の肖像は、彼の死後、外国人が描いたものだ。「一三人撮り」の大男が西郷だとしたら、この写真はいつ、何のために撮られたのか。謎を解明すべく、望月は鹿児島へ飛んだ。明治維新の中心人物たちと「南朝」を結ぶ糸、西郷と公家の関係、武器商人・グラバーの影…望月は、次々と驚愕の事実に直面する。

感想・レビュー・書評

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  • 多少は興味がないとこういう本はなかなか読まないとおもうが、そこまで歴史に詳しくないのでこの作者の本はわりと読んでいるが、それでもだれがだれだったかパッと頭に浮かばないのは知識が浅いので仕方ない。もうすこし写真が多いと読みやすいかもしれない。内容は西郷の貌といってもメインはいつもの南朝の話。なので驚くような見解はあまりなかった。

  • 幕末のスター、西郷隆盛。彼の肖像画は有名だが、写真は残されていないとされていたが、西郷が写っていると歴史作家望月のもとに持ち込まれた古写真を解明していくことで明治政府の偽造が明らかになっていくというストーリー。
    史実をもとに謎を解いていく内容は歴史好きには興味深いか、望月を妨害する組織や、冒頭に望月がその組織に襲われ、記憶喪失の状態で物語が始まる当たりは歴史ミステリーをエンターテイメントに仕立てようとしているようでやや食傷。話の内容は興味深いだけに歴史ミステリーの謎解きだけで充分なのに残念。

  • 西郷隆盛の写真は残っておらず、また肖像画も血縁者のモンタージュによって描かれているということは有名ですが、本書の出発点は、実は、当時の薩摩藩の主要人物の写真に氏名が判明しない大男がおり、これが西郷なのではということです。

    フルベッキ写真との整合を経て、明治天皇すり替え説へと移行していきます。

    西郷の顔をあえて違う印象に描かざるを得ない根拠は若干弱い気もしますが、フルベッキ写真が残る以上、明治天皇(本書では大室寅之祐とは断定していませんが)とされる者の謎は残ります。

    いずれにしても、幕末の様々な駆け引きの中で南朝系の暗躍という筋書きは新しい印象を受けました。

  • 江戸時代末期の「十三人撮り」の一枚の写真から、右端の大男を実在しないといわれる西郷隆盛の写真であると推定したところから調査が始まる。幕末の混乱期の真相、明治新政府の隠された歴史に迫ろうとする作者の推論は、読み物としては面白い。作者の独りよがり的な側面も多々あるように思うが、幕末から明治にかけての日本の歴史を「隠れ南朝」という切り口から論じている点が興味深い。

  • シリーズもののようです。
    13人の武士の写真をもとに、フルベッキ写真などが出てきて、これが西郷だ、と結論づけるまでの話でした。

    大久保さん贔屓の私としては、若干納得いかないところもありますが。
    南朝が、絡むのは面白かったですね。

  • 12/05/12 イマイチ良くわからない話であるが、奇想天外さがありそう。

  • 西郷隆盛の写真は実在しないはずだったが、西郷隆盛の銅像は外国人により、作られあえて、実物と似ていない。
    語られない歴史を違った視点でミステリーとして読み応えのある作品

  • 望月シリーズは終わりですか?

  • 前作「幕末 維新の暗号」の「フルベッキ写真」に続き、今度は、島津公と思われる人物とともに写っている13の志士たちの写真「13人摂り」が物語の中心となる。ここに写っている、ひときわ目立つ大男。一般的に知られている西郷どんの肖像画は、イタリア人画家キヨソーネが、西郷どんの弟、従道と従兄弟の大山巌の顔を参考に描かれた、筆者曰く明治政府によって描かれた偽物で、本当の西郷どんの顔は「13人摂り」に写真に写っているの大男だった。うーん、なぜ本物の西郷どんの顔がバレると政府にとってまずいのか?という点で詰めは甘いかな。でも、筆者の主張する明治維新の立役者が「尊南朝派揃い」という点、明治維新は「南朝革命」であるという主張は一貫性もあるし、面白いと思う。後半部分の「13人摂り」写真に写っている人物の解明方法はは、ちょいと無理がないか?確かに似ている人もいたけど。。。

  • 人間はまず腹だ。今日1日、食えるか食えないか?百姓も腰も関係は無い。朝の起き抜けから頭にあるのはそれだけで、1にも2にも関心事は上をしのぐことであり、腹が満たされれば、これ以上の幸せはなかった この男を見るにつけ、つくづく人を束ねるのは学問ではない。努力でもない。器量という持って生まれた摩訶不思議な力なのだと思う 昔、家が買えるほどに高価だった本は捨てられない。不思議な現象だが、本は家にあるだけで中身が感染すると言うのは本当の話だ

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著者プロフィール

札幌市生まれ。米国で不動産投資事業に従事、帰国後、執筆活動に入る。 『龍馬の黒幕』 『幕末 維新の暗号』『幕末 戦慄の絆』『舞い降りた天皇』『龍馬を守った新撰組』(すべて祥伝社文庫)他、タブーを破る歴史ミステリーが読者の心を摑み、大ベストセラーに。近年はYouTube「Kajiチャンネル」でオリジナルな世界観、歴史観、幸福哲学の情報発信を続けている。近著に『軍師 千利休』(祥伝社四六判)がある。

「2023年 『第六天魔王信長 消されたキリシタン王国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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