ふたたびの春に

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著者 : 和合亮一
  • 祥伝社 (2012年3月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396614157

ふたたびの春にの感想・レビュー・書評

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  • たまたま図書館で出会い読みました。
    2011年3月11日の震災から継時的に書かれているため、詩を読んでいても著者の心境の変化がよくわかります。
    和合さんの詩には「力」を強く感じました。心の声が聞こえる気がしました。
    この詩集を読んで、改めて「終わっていない」事を実感しましたし、今なにが出来るのかをもう一度深く考えてみよう、と思いました。

  • 福島第一原発からの一年間。政治家の言葉。企業家の言葉。メディアの言葉。原発に関する論争。そこにすくいとられることのないものを言葉に結実させ、焼きつけ続けた詩人。今の福島の、そして日本の事態には、詩によってしか届かない領域がある。

  • (2012.04.06読了)(2012.03.30借入)
    【東日本大震災関連・その70】
    著者は、福島で高校の国語教師をしている詩人ということです。
    昨年の6月には、福島の東日本大震災をテーマに三冊の本を出版しているようです。
    「詩の邂逅」和合亮一著、朝日新聞出版、2011.6
    「詩の礫」和合亮一著、徳間書店、2011.6
    「詩ノ黙礼」和合亮一著、新潮社、2011.6

    その辺のことを知らずに、図書館からのメールサービスで題名が気になって借り出しました。中身は、昨年3月から今年の2月までの東日本大震災関連の詩と日記的なものです。
    福島の様子が伝わってきます。福島は、どうしても放射能のことがテーマになってしまいます。放射能は、目に見えないし、生物に害があることは分かっていても、どれぐらいまでなら大丈夫かはよく分かっていないし、個体差もあることでしょうし、…。
    それにしても、広島、長崎は、どうやって住めるようになったのでしょう。いま、放射能はあまり残っていないのでしょうか。原発の放射能と原子爆弾の成分が違い、原子爆弾の成分は、短期間で無害になってしまうのでしょうか。
    (ネットで調べてみると、原爆の放射能は、急激に減少したということです)

    【目次】
    震災ノート
    もう一つの震災ノート
    震災ノート 余白に

    「震災ノート」には、日付と場所が明記されています。「もう一つの震災ノート」には、日付も場所も記されていません。「震災ノート 余白に」は、エッセイ的な感じですが、月は明記してありますが、日付は、某日となっています。
    新聞や雑誌に発表したものを編集したものということです。

    ●整列(14頁)
    並ぶ 水の為に
    並ぶ 家族の為に
    並ぶ 震災の意味を求めて
    並ぶ 命の渇きを知って

    並ぶ 給水車の前に
    並ぶ 水が今日の分だけでも欲しいから
    並ぶ 空の容器を二つまでという決まり
    並ぶ なるべき大きなものを持って
    (後略)
    ●立入禁止(30頁)
    砂場立入禁止
    草ムラ立入禁止
    二○圏内立入禁止
    私有地ニツキ立入禁止
    (後略)
    ●原子力が(48頁)
    夜 眠ろうとすると
    海が 体を小さくして 隣で眠っている
    寝息をたてているから 安心しているけれど
    突然に 押し寄せてくるものが 恐ろしくて眠れない
    (後略)
    ●サボテン(54頁)
    浪江町へ 国道 斜めの電信柱
    裏返った漁船 長椅子 川で跳ねる 鮭
    雑草の生えた 田んぼ 新しい沼
    飛行機雲 裏返った車 このことがすべて
    ●収束(76頁)
    福島県民は三万人が避難していると聞いた
    ある中学校では県外の高校を受験する生徒が急増した
    ある街ではだれ一人として外で 子どもが遊んでいない
    どうなるのか ふと あの爆発を思い出すのだ
    ●方法(84頁)
    どんなふうに暮らしていけばいいのか
    正しい答えはあるのか
    何かを決断しなくてはいけないのか
    何かをあきらめなくてはおけないのか
    ●離郷(137頁)
    私たちはこれから 家を
    町を 森を 田園を離れていく
    別れの前に 唇を噛みしめて
    ゆるがないふるさとを想った
    ●3月11日(142頁)
    底から響く、地球からの怒声を想起させる地鳴りは、これまでの経験のどれにもあてはまらないほどの強さであった。
    大きな馬の背中に乗っているかのような、立っていられないぐらいの地の揺れ。
    ●一時帰宅(149頁)
    ある人が原子力発電所から、二○キロ圏内の自宅へと二時間だけの一時帰宅を許された。久しぶりの家に戻り、何を持って帰って来たのか。
    まったく手をつけずに、自宅を後にしてきた。どうしたのかと尋ねられて、「ただ、茶の間で泣いてきた」と一言。

    著者 和合亮一
    1968年福島県生まれ
    福島大学卒業
    福島大学大学院修了
    1998年第一詩集「AFTER」で第4回中原中也賞
    2006年第四詩集「地球頭脳詩篇」で第47回晩翠賞を受賞
    ラジオ福島で「詩人のラヂオ 和合亮一のアクションポエジィ」のパーソナリティを務める
    福島市在住。詩人。高校の国語教師

    ☆関連図書(既読)
    「緊急解説!福島第一原発事故と放射線」水野倫之・山崎淑行・藤原淳登著、NHK出版新書、2011.06.10
    「津波と原発」佐野眞一著、講談社、2011.06.18
    「前へ!-東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録-」麻生幾著、新潮社、2011.08.10
    「災害論-安全性工学への疑問-」加藤尚武著、世界思想社、2011.11.10
    「南相馬10日間の救命医療」太田圭祐著、時事通信出版局、2011.12.01
    「市民の力で東北復興」ボランティア山形、ほんの木、2012.01.15
    「官邸から見た原発事故の真実」田坂広志著、光文社新書、2012.01.20
    「見捨てられた命を救え!」星広志著、社会批評社、2012.02.05
    (2012年4月6日・記)

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「あの日」から一年。福島に住み続ける詩人の魂の記録。

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