幻の黄金時代 オンリーイエスタデイ'80s

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 29
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396614195

作品紹介・あらすじ

なぜこの国は20年で失速したのか-今の危機の読み解く鍵は「絶頂期の日本」にあった。

感想・レビュー・書評

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  • 令和元年11月27日です。
      再読しております。精神的に余裕ができてきました(w)

    参考文献・山崎正和氏著「柔らかな個人主義」なんか
    色々と時代的にすごいらしいで。

  • ノンフィクション
    社会

  • 思うに人間に第二次性長期があるように、企業も国にもグングンと成長する時期があって、人間のそれがそうであるようにその時期はとても短い。

    イギリスは19世紀末がそうだったのだろうし、アメリカは第二次世界大戦〜1950年代がそうだったんだろう。そして両国ともその時期の"遺産"で喰っているように思える。

    ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた1980年代が日本にとっての黄金時代だったのは間違いない。著者がいうようにそれはアメリカの傘下で迎えた黄金期だった。
    著者は日本だけの実力で黄金期を迎えたわけではないから、ひょっとするともう一度(今度こそ自力で)黄金時代を迎えられる日が来るかもしれないと皮肉混じりに書く。

    しかし、黄金時代が幻であったが故にその遺産も多くは残らなかった。90年代からこれまでの20年間、ずっと80年代の幻を追ってきた。であるがゆえに日本は疲弊し、閉塞感に満ち溢れているのでは。

    <blockquote>それが「幻」であろうがなかろうが、八十年代の「日本の黄金時代」を作ったのは、戦後復興の主役だった日本の技術力、システム、それに日本人の勤勉さ、緻密さだった。それらは戦前生まれの日本人が使えた、明治以降の日本の遺産に他ならないものだった。すなわち、九十年代以降の日本は、近代以降百二十年汚染人の遺産を食い潰しながら、何とかやり過ごしてきただけだった。本書で明らかにしたように、それは一面の真理であり歴史的事実である。しかし、八十年の黄金時代の中に、これからの日本の行く手を照らす可能性があったことも確かなのである。(P.269)</blockquote>

    <blockquote>東日本大震災は、東北の海沿いの都市や福島原発だけを崩壊させたのではなく、そんな戦後空間そのものを一瞬のうちに瓦礫の山にしてしまった。すなわち、自身と津波で本当に崩壊したのは、戦後日本のシステム、つまり戦後体制(レジーム)そのものだったのである。(P.285)</blockquote>

  • 80年代についての考察。

    筆者は政治・経済だけでなくサブカルについても言及。

    83年生まれの自分としては「へぇ~、そうなんだ」
    という印象しか持てない部分もありましたが、
    よく自分より年上の人が言う「昔はよかった!」
    という意見に対しての反論、
    「というかよく考えてみるとそんなに昔(80年代)はよくなかったのではないか」
    という一石を投じてくれる本。

    この本を読んで自分も「確かに拉致問題は80年代に解決できたのではないか」と思いました。

    「昔はよかった」と思考停止する前に
    「本当に昔はよかったのか」
    「昔のことを反省しつつ、これからの日本をどうすべきか」
    ということを考えるのにいい助けとなってくれる本です。

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著者プロフィール

西村幸祐(にしむら・こうゆう)
批評家、関東学院大学講師。昭和27年東京生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科在学中より「三田文学」編集担当。音楽ディレクター、コピーライター等を経て1980年代後半からF1やサッカーを取材、執筆活動を開始。2002年日韓共催W杯を契機に歴史認識や拉致問題、安全保障やメディア論を展開。「表現者」編集委員を務め「撃論ムック」「ジャパニズム」を創刊し編集長を歴任。(一社)アジア自由民主連帯協議会副会長。著書は『ホンダ・イン・ザ・レース』(講談社)、『「反日」の構造』(文芸社文庫)、『幻の黄金時代』(祥伝社)、『21世紀の「脱亜論」』(祥伝社新書)、『韓国のトリセツ』『報道しない自由』(ワニブックス【PLUS】新書)、『朝日新聞への論理的弔辞』(ワニ・プラス)など多数。

「2022年 『九条という病 - 憲法改正のみが日本を救う -』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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