いま日本人に読ませたい「戦前の教科書」

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著者 : 日下公人
  • 祥伝社 (2013年6月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396614584

いま日本人に読ませたい「戦前の教科書」の感想・レビュー・書評

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  • 書店をブラウジングしていて目に入った一冊。
    なにはともあれ、子どもにも読ませてみたい、と感じました。

    戦後の日本で使用されてきた歴史教科書は、、

     “「われわれ日本人のメンタリティを育んだ歴史」という視点が、
      まったく教えられていない。”

    ただただ、この一言に尽きると思います。

     “人間教育は知・情・意のバランス”

    単純に知識を詰め込むだけでも、みんな仲良くと、
    理念だけのお題目を唱えるだけでも、ダメなんです。

    それらを適度に組み合わせて、「自ら」で取捨選択して涵養しないと、、
    与えられた知識は知識のままで終わり、教養として根付いていきません。

     “(柳田國男や新渡戸稲造の目指した日本の統治は)搾取はしない。
      保護もしない。自立せしめる。”

    これは実際に、欧米列強からの搾取にあえいでいた、
    東南アジアの各国で実践されて、大戦後の独立へとつながっていきました。

    このことは、各国の歴史教科書でも教えられている内容です。

     “大東亜戦争に突入したときの日本人は、民度が高く、
      日本人としてのアイデンティティをしっかり持っていた。”

    “教育”とは、教えて育むこと、過保護にただ箱入りで守る事ではなく、
    自分の力で立てるように必要な知識を教えて育んでいくことだと、思います。

    そういった意味では、教師は生徒の伴走者でしかないですかね、、
    で、戦前の日本では、それが真っ当に実現できていたのだなぁ、と。

    自らの価値観を育みながらの自己実現であれば、
    押しつけられたレールではなく、自分で選びとっていくでしょう。

     “戦前は職業観や社会観を育てつつ進路を決めていくことができた。
      昔の学校制度には、やり直しや路線変更を許す寛大さがあった”

    そのことは、こういった風潮からも読み取れます、うーん。。

     “(戦後)エリートと呼ばれる人たちは、持てる能力を
      自分のためだけに使って当然と思っているフシもある。”

    価値観が単一であればそれでもよいのでしょうが、そんな事は無いわけで、
    多様な価値観を受け入れられるかどうかは、“教養”ともリンクするんだな、と。

    これは自らも含めて、反省を促される部分でした。
    “戦前”ってだけで思考停止してしまう時代はもう終わり、としたいですね。

  • 国語と、“知情意”を重視した戦前教育。 知識だけでなく、情感とそれに基づく意思の醸成。 うーん。。 現在の偏差値重視教育など、批判に対してのアグリーな面はあるものの、主張がやや一方的な感もある。 朝日新聞・民主党元政権への批判と、安部政権教育改革への強い支持。 作者の思いは伝わるのだがしかし。

  • 戦前は、想像以上に明るくまともな教育が行われていた。

  • 744

  • 小学校時代の国語の教科書の内容を思い出せと言われても、残念ながら、何も覚えていません。40年以上も前のことなのですが、痕跡も思い出せないのは我ながら悲しいです。

    最近10年の本であれば殆ど読んでいると思っている日下氏が、戦前の教科書を引用しつつ、戦前の日本はどんな様子であったかを解説しています。

    今まで、戦争で焼け野原になって、奇跡とか驚異の急成長を日本は遂げてきたと言われますが、戦前の日本がかなりのレベルに達していたのであれば、元に戻っただけという考え方もありますね。

    最近の日本というか、私が社会人になってからの25年間の日本は元気がないような気がしますが、日本を支えている日本人が元気を取り戻すためにも、教育の重要性を認識させられた一冊でした。

    私がこの本で印象に残っているのは、戦後、軍国主義から民主主義へ一変したと言われるが、実際には、戦争突入5年前の急変が印象的だった、戦後にはもとに戻ったに過ぎない、これは誰も言わない(p102)でした。

    以下は気になったポイントです。

    ・豊かな水があって四季のある美しい国土は、しばしば自然災害に見舞われる。台風や大地震に見舞われながら、その都度復興してきた、日本は「トップクラス」と「どん底」を経験している(p17)

    ・歴史で大事なのは、何年に何が起きたかよりも、偉人が何を考え、どう行動したか、であり、これが子供の人格形成に大切(p19)

    ・1918年に欧州で戦争が終わった時、総力戦であり、死者は全世界で 2500万人、半数が一般市民、戦場となった欧州は疲弊しきって、もう戦争はこりごりと思った、好戦的な人はみな死んだかもしれない、それが国際連盟結成につながった(p36)

    ・どうして自分はそう考えたか、を表明する方法、記述する体系を学ぶのが国語、頭脳の働きは言葉になって表されるので、その言葉を覚え使うことで人間は賢くなっていく(p53)

    ・南洋諸島が委任統治領になると、日本政府は南洋庁を設置して、開発や産業振興とともに公衆衛生や教育政策を推進した、それまでのドイツはサイパン島を流刑地にしていたほどで、教育は皆無(p59)

    ・人間の意識を3つの領域に分けて、最も浅いところにある「前六識」には、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・意識の6つ、一番深いところに「末那識」があり、それらを統括、最深部の「阿頼耶識:あらやしき」が全ての根源にある(p65)

    ・江戸時代は徹底した地方自治で、独立国が300あったようなもの、言葉や習慣も少しずつ異なる、徳川幕府に反しない範囲で法律も運用も異なった、通貨発行権(紙幣、藩札)は各藩が持っていた(p74)

    ・義務教育の教科書が無償になったのは1963年から、それまではお金を出して買っていた(p81)

    ・所得税が課せられるのは、1887年からで、当時は所得金額300円以上で、税率は1-3%、一種の富裕税のようなもの(p83)

    ・ラジオが発明されても、欧州では全国民に共通する関心事がないので、何を放送していいのかわからない、なので放送会社が誕生しなかった、ところがアメリカと日本だけは普及した、大衆に共通の関心事があったので、さらにラジオを作れる技術があった(p97)

    2013年8月17日作成

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