本物の知性を磨く 社会人のリベラルアーツ

  • 130人登録
  • 3.70評価
    • (4)
    • (8)
    • (6)
    • (2)
    • (0)
  • 8レビュー
著者 : 麻生川静男
  • 祥伝社 (2015年9月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396615406

本物の知性を磨く 社会人のリベラルアーツの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 借りたもの。
    日本人のための、今、必要とされるリベラルアーツについてまとめられたもの。
    良著。
    「教養とは人格形成のために必要なもの」とする従来型(大正教養主義)のイメージは払拭し(むしろ忘れるべき)、古典の「七自由学芸」とは異なる、現代にあったリベラルアーツを新たに定義する。
    図書館十進分類法にあるような個別の学問体系ではなく、下記の包括的な4つの枠組みに再定義する。

    1.人間の心のしくみ
    2.人間社会のしくみ
    3.自然界のしくみと自然の利用
    4.技の洗練・美の創造

    リベラルアーツはリーダーを鍛え、生き方を考えるものであり、それはグローバリズムの時代に多様な「文化のコアをつかむ」ことを目的とする。

    そのためのリベラルアーツを学ぶために必要な感覚を、3つに表現している。

    1.観念論的・理念的ではなく具体的・感覚的にとらえる(手触り感)
    2「独自の見解」を持つ
    3「強い疑問」を持つ

    そして健全な懐疑精神を持ち、突き詰めてゆくことで「文化のコア」、すなわち「原理・法則」を知る。

    「リベラルアーツ」という言葉を提唱したヨーロッパの歴史に始まり、日本と比較、更には中国やインドなどの東洋から、イスラームまで、網羅していく。
    戦争のイメージを例に挙げるだけでも、武士や一部の人間の生死がかかっていた日本と、一族や全財産を掛けて戦っていた(負ければ皆殺し)ヨーロッパ、中国とはスケールが違うと示唆。だから現代でも中国の為政者の発言は、日本の政治家とは異なり言葉を選んで発言していると……

    興味深かったのは、日本が東洋の中でいち早く西洋の科学技術を素早く取り入れられた理由を、「日本は職人や手仕事への従事に重きを置いていたが、中国・韓国は職人や肉体労働を軽蔑し、『文』に重きを置いていたため」とする見解に、目から鱗だった。職人に価値を置くのは日本人独自の感性だったのか……

    本書のなかで語られる“ギリシャの科学精神”、すなわち「原理・法則を追求する」姿勢を貫いている。

    巻末のギリシャ語・ラテン語学習のススメはワクワクする。
    ‘手触り感’をもって語学を解釈する。
    同じように大和言葉から‘日本人は良し悪しは別として、生来的に分析的な思考を避けて、知覚ベースの思考に傾きやすい民族ではないか(p.346)’という点を導き出していた。
    結局、「大量に文章を読むにつきる」らしいが……

  • 資格勉強などの詰め込み知識的なものじゃなくて、日常で自由・公正な考えをするための分野横断的な知識(教養)。
    リベラルアーツを修得してる人は、話してて『知識豊富で、深いなぁ』と感じるような人なんだろうなと。
    過去から学ぶという意味で、あらゆる歴史や言語が主になるけど、範囲は広いし時代とともに変わるので、修得というよりずっと学び(探求し)続ける必要があると思う。日々少しずつでも意識していければと。

  • ギリシア語やラテン語は大学で文法はざっと一周してあるから、あとは読みたいテキストを見つけることなんだろな。科学史技術史は、『平静の心-オスラー博士講演集』の「古き人文学と新しい科学」をふと思い出してリンクする。

    ツボだったのはディオゲネスと許由のエピソード。

  •  「日本人の9割には必要がない」リベラルアーツの再定義。

     「はじめに」で、作者の想定する読者層を「海外とのビジネスに携わる現役のビジネスパーソン」と「生き方について真剣に考える人」と示されていて、私は後者だったので読んでみた。

     リベラルアーツとはなにかを単に大学の教養科目だけにとどまらず「文化のコア」を掴むことと定義して、各文化の歴史書から特性を読み取れることを紹介している。

     例示が興味深くて読みやすかったけど、この本だけ読んでいてはダメ、というか、原文に当たって知ることができると理解に一歩近づくのかな、というように感じた。

  • 社会人に必要なリベラルアーツ。歴史(科学史・技術史まで含む)を学んでその文化のコアをつかむ。それができないといつまでたっても相手の理解ができない。

  • 教養と聞いて連想する内容は22ページ目に否定されて、今の時代に必要な教養が再定義される。丁寧に解説されるので、ここで納得できたらその後の350ページは面白く読めると思う。比較文化や比較言語が好きな人にもおすすめ。こまめな小見出しのおかげで少しずつ咀嚼しながら読み進められた。

全8件中 1 - 8件を表示

麻生川静男の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊賀 泰代
ジェームス W....
トマ・ピケティ
リンダ グラット...
有効な右矢印 無効な右矢印

本物の知性を磨く 社会人のリベラルアーツを本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

本物の知性を磨く 社会人のリベラルアーツを本棚に「読み終わった」で登録しているひと

本物の知性を磨く 社会人のリベラルアーツはこんな本です

本物の知性を磨く 社会人のリベラルアーツのKindle版

ツイートする