禅と掃除 清々しく暮らす

  • 祥伝社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396615703

感想・レビュー・書評

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  • 「禅と掃除」タイトルに期待して読んだ。
    掃除を禅の考えに絡めながら書いた本。
    第1章:掃除とは、自分の心を洗い磨くこと(枡野俊明)
    第2章:身の回りをきれいに整え、荷物を整理整頓する引き算のルール(沖幸子)
    第3章:心の大掃除。持たずに暮らす清々しく、シンプルな生き方のために(対談)
    の3章構成。
    部屋が乱れているのは、心が乱れているから、部屋が散らかっていると、自分自身が雑念に囚われ、大変な迷惑を被っている。
    トイレを磨くと、心が磨かれる。
    禅の修行とは、日々の所作立ち居振る舞いを全て整えることで初めて心も整う。
    心を整えようと思ったら、常日頃から所作立ち振る舞いをきちんとしなくてはならない。身の回りを整え、自分の生活を律すること。
    三業を整える(体、言葉、心)。まずは所作を整え、優しく丁寧な言葉遣いを心がける。
    きれいな空間に身をおけば、自然と所作も整い、言葉遣いも整ってくる。
    1日5分でいいので、心を空っぽにする時間を作る。
    ドイツ人は庭と窓をきれいにする。
    自然の営みに自分の暮らしを重ねてみる。季節を意識して日々を過ごす。季節の小皿を使うなど。

    図書館で借読。

  • 綺麗に整えられた空間では、心もすっきりと整えられ、クリアになる
    人間は本来がものぐさにできている。ちょっと油断すると楽な方へと流される。放っておけばすぐに塵や埃→歯止めをかけるにはまず身の回りを整え、自分の生活を律する事

    心は乱れやすい。だから律する必要がある。

    一掃除二信心
    ただ無心になって目の前の作業に集中する事

    行住坐臥(ギョウジュウザガ/歩く・止まる・座る・横になる/日常生活のすべて) 四威儀(シイギ)
    所作を整える事で初めて心も整う。

    心豊かな人生を生きるために三業(サンゴウ)を整える 身業・口業(言葉)・意業(心)

    脚下照顧(キャッカショウコ/脱いだ靴を整えろ)→心の有り様を象徴的に示す

    三黙道場 浴司、僧堂、東司(トイレの意) トイレ掃除は首座(シュソ/修行僧のリーダー)の仕事

    手放す→欲、執着、見栄、嫉妬、雑念も一緒に捨てる事ができる

    禅寺では修行層を雲水(ウンスイ) 行雲流水→悠然と浮かぶ雲、水の流れのように何も持たず、だた一行に道を求めて行脚する修行僧の姿に由来

    洋服→3年着ていない 手放す・他の使い道ないか?
    不要なものに囲まれた生活→心に良くない感情や疲れ

    道元禅師 春は花 夏ホトトギス 秋は月 冬雪さえて 冷しかりけり

    使ったものを元の場所へ戻す 掃除道具も必要最小限(道具・洗剤はシンプルに) 掃除は日常の中にあって無心になれる貴重な時間

    朝15分早起き 窓を開け放って澱んだ空気の入れ替え 5分掃除(場所はローテーション)清々しい気持ちで1日が始められる 可能な限り機械に頼らない(水の冷たさで季節の移ろいを感じる)
    冷暖自知(レイダンジチ/自分で経験して見なければ分からない・頭で理解して分かった気になってはいけない)

    時間を使うのが上手い人 忙中閑あり(ボウチュウカン) 心が乱れない 無心になれる時間と場所を持つ事

    ①汚れる前に拭く②汚れたらすぐ拭く③汚さない工夫をする

    天井、壁に埃はたまりやすい
    怠惰な習慣、モノを溜め込む癖、将来への不安、過去へのこだわり

    1日1つ減らす(1年で365個モノが減る)

    気に入ったモノだけを買い、大切に使う

    都心の駅ビル、仕事帰りの女性、衝動買い→モノではなく心の充足を
    自分のライフスタイルを持つ 水急にして月を流さず(河の流れは急でも水面に映る月は流されない/自分をしっかり持つ事)☆高級な食器→もし割ってしまっても金継で小物入れ

    週に1度は冷蔵庫の余り物で料理

    五観の偈(ごかんのげ/偈:仏教用語で韻文形式で述べた物)唐代の南山律宗開祖・道宣/四分律行事鈔(しぶんりつぎょうじしょう)
    一には、功の多少を計り彼の来処を量る。(ひとつには、こうのたしょうをはかり かのらいしょうをはかる)
    二には、己が徳行の全欠を忖って供に応ず。(ふたつには、おのれがとくぎょうの ぜんけっとはかってくにおうず)
    三には、心を防ぎ過を離るることは貪等を宗とす。(みつには、しんをふせぎとがをはなるることはとんとうをしゅうとす)
    四には、正に良薬を事とするは形枯を療ぜんが為なり。(よつには、まさにりょうやくをこととするはぎょうこをりょうぜんがためなり)
    五には、成道の為の故に今此の食を受く。(いつつには、じょうどうのためのゆえにいまこのじきをうく)
    この食事がどのようにして出来たかを考え、自然の恵みと多くの人々の働きを思い感謝致します。
    自分の行いが、尊い生命と労力で出来た食を頂くに価するものであるか反省し、供養を受けます。
    心を清浄に保ち、誤まった行いを避けるために、三毒である貪(むさぼり)瞋(いかり)痴(おろか)の三つの過ちを持たないことを誓います。
    まさに、食は良き薬であり、身体を養い、健康を得るために頂くのです。
    仏の道を実践するために、この食事を有り難く頂戴致します。

    住まいが整理できる人は生活や生き方そのものも整理できる
    ドイツ 所有するモノで他人と比較するという発想がない→庭、窓辺の手入れ、質の高い暮らしを誇示
    自分で手入れ→自分で管理できる範囲の家しか持たない。
    床にはモノを置かない→ゴミ、埃、空気が悪くなる

    家庭でモノを共有する→元の場所に戻す

    ×収納場所がないと嘆く→まずモノを減らす事

    雁行型のマンション(ぞれぞれの住戸をズラして配置) 羊羹型

    喫茶喫飯(キッサキッパン/茶は茶だけ/○○しながらという考えは禅にはない)

    調身、調息、調心 姿勢、呼吸が整えば心が整う

  • 部屋の乱れは心の乱れ。掃除とは己の心を磨くこと。心豊かに生きるには①所作を整える②思いやりのある言葉遣いをする③囚われのない柔軟な心を持つこと。この「三業」を整えること。
    靴を揃える。トイレ掃除。
    何かを得るより手放すことを考える。
    姿勢が整えば呼吸が整い、呼吸が整えば心が整う。

  • 20181025 読了

    MEMO
    三業(さんごう)
    ・身業(しんごう) 体
    ・口業(くごう) 言葉
    ・意業(いごう) 心
    心豊かな人生を生きるには「三業」を整える

  • 掃除をすることで心を整える。

  • 物を増やさない方法、心構えについて学んだ。
    物に向き合うことが大事。

  • 住職で庭園デザイナーである枡野俊明さんと掃除のプロである沖幸子さんによる禅と掃除のお話。

    それぞれ担当の章と対談の章。
    どれも、シンプルに心豊かに暮らすヒントが。

    読むと物や自分と向き合いたくなる。
    掃除をしたくなる。

    以下、学んだこと

    所作を整える
    考えずに靴を揃えるくらい所作を身体に定着させる
    足るを知る
    満たされないときは足すより減らす

    人と比べない

    掃除で無心になりヒラメキが得られる
    ただし、それを目的としない

    汚れは見えないうちに掃除
    換気が大切

    決まった場所に定番品を決まった数だけ置く。
    使ったらもどす。

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著者プロフィール

枡野俊明(ますの・しゅんみょう)
1953年神奈川県生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー、多摩美術大学名誉教授。大学卒業後、大本山總持寺で修行。禅の思想と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行い、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣新人賞を庭園デザイナーとして初受賞。ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年『ニューズウィーク』日本版「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。近年は講演活動や執筆も積極的に行い、ベストセラー・ロングセラー多数。

「2023年 『仏にゃんのふわもこやさしい仏教の教え』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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