- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396631857
感想・レビュー・書評
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洛陽城内の庭園で、宮廷付き美人歌手の死体が池の畔で見つかった。
同じ頃、帝の寵愛を受けていた王兄弟が失踪した。
唐の則天武后に仕える冷静沈着な若き宦官馮九郎と、その妹で女官を務める好奇心旺盛な香蓮。美貌の双子が宮廷で起きた怪事件の謎を追う!
互いに助け合いながら、したたかに宮廷の中で生きようとする兄妹の姿がいじらしい…というには行動力ありすぎ…でむしろたくましい。
ラストは驚きです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おもしろかった!
なによりキャラクターがいい。双子の主人公たちが、謎解きに賭ける、駆ける! 歴史をベースにしているから、ここから史実に入っていくのも楽しいのでは。
それにしても、井上靖の楊貴妃を呼んだ直後だったから、最後のページを読んだときの興奮といったら。 作者のアイディアに脱帽。続きを延々と読みたいくらい、お気に入りになった作品。 -
これはやられたなあ。
主人公兄妹がまさか彼らとはねえ。 -
双子がとにかくかわいくてかわいそうで、どうか幸せになってよ、と思いながら読んだ。
元気な妹と冷静で頭の切れる兄というのはよい組み合わせ。
なんてことを考えていたらまさかの結末にびっくりして、にやりとしてしまいました。 -
時は大唐帝国のひととき、女帝・武則天が治める周朝にて、宮城で聖神皇帝の寵愛を受ける双子の兄妹がいた。
兄・九郎は宦官として、妹・香蓮は女官として。
宮中にも洛陽城下にも、犯罪・謀略がはびこり、九郎は鮮やかな推理で事件を陰に日向に解決していく。そして香蓮は時に兄を助け支え、また邪魔をしたり…。
とにかく、テンポ良く進むストーリーと、7話に分かれた様々な事件が面白く、最後に判明する二人の「歴史上の正体」にびっくり!
中国歴史初心者にもおススメです。 -
初唐、則天武后の時代(正確には王朝名は"周")を舞台にした推理小説。
宦官と女官になった双子の兄妹が女帝・武則天に仕えつつ、都で起きた数々の怪事件を捜査。
「杜鵑花」
毎春、杜鵑(ホトトギス)が鳴く頃に宮中の女官が怪死。死体のまわりには、大量の躑躅の花びらが。そして三年目にも・・・、呪いの正体は?
「蚕眠棚」
都で遊び回る銀鞍白馬(名門の馬鹿息子ども)を震え上らせる"蚕眠棚"の犯行。男装の香蓮潜入捜査。
「氷麒麟」
女帝の宴に供される麒麟の氷像を造っていた職人が殺害された。第一発見者は新入りの少年宦官。
「菊華酒」
毎年重陽の節句(九月九日)に飲まれる"菊花酒"の菊を育てる村で起きた連続動物怪死事件。科挙に合格した若手官僚の野望とは?
「浮蟻珠」
貴族の屋敷から名宝ばかり盗む怪盗・蟻煙。ついには女帝の宝、"浮蟻珠"と呼ばれる巨大な真珠が盗まれ、九郎に疑いが!?そして意外な真相。
「膠牙糖」
都で起きた、遊女連続殺人事件。凶器はいずれも、飴で作られた短刀。遊女たちの悲しい身の上が語られる。
「昇竜門」
仏教への信仰篤い女帝のための一大イベント。竜を天に昇らせるには?そして一つの時代が終わろうとしている。
全七話からなる短編集ですが、主人公は同じ兄妹。
そして最後にあっと驚かされる、この双子の兄妹の正体とは?
ニン、トン♪ -
則天武后に仕える、双子の兄妹(兄は宦官、妹は女官)が活躍する推理短編集。人前では控えめで優しげで穏やかに見えるように行動している兄。でも本当は、頭脳労働を得意とするプライドの高い人だってこと、妹だけは知ってるんです。そんな兄妹が、いろんな事件を解決したり・させられたりしていくお話なのですが……普段クールに行動してる分、妹が事件に巻き込まれたときの兄の動揺っぷりは必見です。
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中国系小説。兄大好きな好奇心旺盛な妹と、妹が大好きだけどそれを一切見せない妹に振り回せれる兄。そんな双子が可愛い。文庫化希望!
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森福さんの中華物(と言っていいのかしらん)好きなんだよねぇ。
とくに、この双子っこの話はお気に入り。 -
洛陽城内の庭園で、宮廷付き美人歌手の死体が見つかった。杜鵑が啼く春の
惨劇は3年続き。同じ頃、則天武后の寵愛をその身に受ける王兄弟が失踪した。
2つの事件を追う若き宦官・馮九郎と双子の妹香連が到達した意外な真相は?