訪問者

著者 :
  • 祥伝社
3.33
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本棚登録 : 1341
感想 : 288
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396633172

作品紹介・あらすじ

山中にひっそりとたたずむ古い洋館-。三年前、近くの湖で不審死を遂げた実業家朝霞千沙子が建てたその館に、朝霞家の一族が集まっていた。千沙子に育てられた映画監督峠昌彦が急死したためであった。晩餐の席で昌彦の遺言が公開される。「父親が名乗り出たら、著作権継承者とする」孤児だったはずの昌彦の実父がこの中にいる?一同に疑惑が芽生える中、闇を切り裂く悲鳴が!冬雷の鳴る屋外で見知らぬ男の死体が発見される。数日前、館には「訪問者に気を付けろ」という不気味な警告文が届いていた…。果たして「訪問者」とは誰か?千沙子と昌彦の死の謎とは?そして、長く不安な一夜が始まるが、その時、来客を告げるベルが鳴った-。嵐に閉ざされた山荘を舞台に、至高のストーリー・テラーが贈る傑作ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 話が進めば進むほど謎が深まっていく物語だった。
    最後まで読み味進めても物語としては解決するが未解決の部分も多々ありかなり余韻を感じることができる終わり方だった。個人的にはこういう終わり方は好きな形である。

    訪問者というフレーズから続々と訪問者が集まり、展開していく様は読んでいて面白かった。

  • 図書館の棚で
    「訪問者」というタイトルを見たとき、
    どこか昭和後期のミステリー漫画の
    雰囲気を思い出し、
    懐かしくなって手にとりました。

    舞台は山中、朝霞(あさか)家の古い洋館。
    そこに記者を名のる井上が、
    カメラマンの長井と訪ねてくるところから
    物語が始まります。 

    実は2人の真意は別にあり、
    序盤で明かされるのですが
    同時に新たな謎も浮かび上がっていきます。

    そしてまた、予期せぬ「訪問者」が
    ひとり、またひとりと増えていき…

    始終かもしだされる不気味な空気感、
    まるで舞台演劇を目の前でみているような
    感じでした。

    作中には携帯電話が出てこず、
    時代は書かれていませんが
    やはり昭和の洋館ミステリーのかおりが
    どこからともなく漂っていました。

    ラストで一応の決着はつくのですが、
    登場人物たちの心のうちが
    すべて明かされるわけではないので、

    人間の底知れぬ深さを感じるとともに
    目に見えているものが
    すべて真実とは限らない、という
    作品からのメッセージのようにも
    思えました。

    謎がとけてスッキリしたい方には
    向きませんが、
    霧のような不気味さを味わってみたい方には
    オススメの作品です。

  • 初めての作者さんです。

    小野寺さんが来てから、話が展開し始め、最後はしゃべり過ぎじやないかと、冷や冷やしました。
    ラストは、そんなに上手くいくかな⁉️って感じです。

    章のタイトルが、それぞれ絵本の名前になってて素敵。

  • 結局、〇〇は殺してないのか??
    それにしては〇〇にとって都合が良すぎる展開だし。となんだかんだで、ストーリーにハマっている自分でした。

  • すべてが明らかになってスッキリ解決!という結末ではない作品なので、読む人を選ぶ本なのかもしれません。
    すべてを語らずに読者の想像に任せるような終わり方、私は好きです。一応物語としては一つの結末に辿り着いたんだけど、なんか釈然としない、謎が謎を呼ぶような、何とも言えない感じ。
    もう一回読んでみたいと思わせるような、不思議な魅力のある作品だと思いました。

  • みんながみんな何かしらの隠し事をしている感じの不穏な空気が漂う。
    真相はこうなのかなー?程度の記述があるだけなので読後感はスッキリとはしない。

  • 読み進める分には、楽しく読めるが。

    ミステリー、特に謎解き部分の辻褄があんまり合わない気がする。


    特に、警察に提出する写真はどーするのか気になる。誰か教えて欲しい。

  • 久しぶりの恩田さん。一つの謎解きかと思っていたらそれが二つに増え、あらーっと思っていると別の事件が起こり、という展開で、天地や東西南北が定かでないような軸や基盤がパッと変わってしまうような独特の感覚に包まれながらするするするっと読了。面白かったです。タイトルも不穏な感じがしてピッタリ。

  • 雑誌の取材という名目で、湖畔にある名家の屋敷にやってきた井上。

    そこにいたのは、不審死をした朝霞千沙子の兄弟やお手伝いさんなど、どこか一癖ある人物ばかり。

    そして井上は問いかけられる。
    「お前が”訪問者”か?」と。

    実は井上が訪れる前に「訪問者に気を付けろ」と手紙があったという。そんな井上も実は雑誌の記者ではない。やはり不審死をした親友、昌彦の弁護士だった。

    昌彦は生前自分の父親は千沙子の兄弟のだれかだと思っていたらしい。成長してから世界的な映画監督になった彼は、自分の死期をなんとなく分かっていたようで、井上に「3日以内に父親だと名乗り出た人間に自分の映画の著作権を譲る」と遺言を残していた。

    その秘密を明らかにした後に、なんと物取りに入ろうとした昌彦の幼馴染のDV夫が転落死する。

    でも、数日後警察が到着した時には死体は全く知らない人物に入れ替わっていた。どこまでが嘘でどこからが本当なのか。騙しているのか騙されているのか。息つく暇のない展開が待っている。

    私はあまり観たことはありませんが、舞台とかにすると面白そうな話ですね。一気に読んでしまえるので時間のある時にぜひ。

  • おもしろかった!!
    ストーリーの意外性が素晴らしい。
    登場人物の名前がこんがらがらなくて良い!(笑)
    登場人物の心理描写が、おもしろい!
    飽きずに一気に読みました(^^)d

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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