ほら吹き茂平

著者 :
  • 祥伝社
3.48
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本棚登録 : 166
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396633431

作品紹介・あらすじ

深川の茂平は大工の棟梁を引いて隠居の身。生来の仕事好きには、ひまでひまで仕方ない。そんな茂平、いつの頃からか「ほら吹き茂平」と呼ばれるようになっていた。別に人を騙そうとは思っていない。世間話のついでに、ちょっとお愛想のつもりで言った話がしばしば近所の女房たちを、ときには世話好き女房のお春までをも驚かす。その日は、一向に嫁がない娘を連れて相談にきた母親に、いつもの悪戯ごころが頭をもたげてきて…。(「ほら吹き茂平」より)。やっかいな癖、おかしな癖、はた迷惑な癖…いろんな癖をもった人がいるけれどうれしいときには一緒に笑い、悲しいときには一緒に涙する。江戸の人情を鮮やかに描いた時代傑作。

感想・レビュー・書評

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  •  読み応えがありました。宇江佐真理「ほら吹き茂平」、2010.9発行。独立・連作6話。なくて七癖、あって四十八癖。本書では、ほら吹きの茂平、幽霊(魂)が見える庵主さん、噂好き(野次馬根性)のおこう、せっかちな丹治、律儀な留蔵。律義な男は泣かせる話でした。

  • 宇江佐真理氏は、テンポ良く、また丁寧で読み易い。分かりやすい。
    夫婦の想いが愛おしい。

  • 2014.5.3
    表題作がいい。
    縁ってわからないものらしいなぁ。

  • 表題作を含めて6編の短編集。どれも宇江佐さんらしいが、あまりまとまりのない感じ?

  • 今も、昔も、人生って、こんなものかな。

  • なくて七癖あって四十八癖~『ほら吹き茂平』:大工の親方・茂平は会話を面白くするために多少の冗談を混ぜるが、それが大工仕事を拾ってくるのも間違いなく、ボロの物置建て直しを引き受けてきたが、倅は人を回してくれず、嫁が手伝うことに。『千寿庵つれづれ』:向島小梅村の庵に住む尼・浮風は夫の菩提を弔っているだけで正式な僧ではないが、人が慕ってやってくるのは霊が見えるからで、室町の内儀も幼い頃に攫われて殺された娘と散り際の花見にやってくる。『金棒引き』:菓子屋の内儀は確かに噂好きだが、亭主とその友も世間話が好きで、将軍家へ降嫁してきた和宮の噂を拾ってきてほしいと云われる。『せっかち丹治』:大工の丹治が裏長屋に住み自分の家を建てようとしないことを嫌った娘は、長屋の差配が持ってきた大店との縁談が舅姑の世話を焼くためのものだと知って断るが、案の定、その後に決まった嫁もすぐ帰ってきたため、縁談が差配によって蒸し返され、腹を立てた丹治は長屋の連中をすべて新しい長屋へ越す段取りをつけてしまった。『妻恋村から』:上州から庵を訪ねてきた男は三十年前の浅間山の噴火で妻と娘を失い、その後に養子に入って新たな家族を持ったが、遺灰を納める場所を持たなかった。『律儀な男』:醤油酢問屋の養子に入った市兵衛は娘と姑の我が儘に悩まされ、酢の仕入れ先である津までの挨拶の帰りに出会った行き倒れ寸前の夫婦者を救い愚痴を零したことが、芝居茶屋での刺殺事件を起こさせることになるとは思わず、当惑すると同時にほっとしたのも事実だった~そんなに癖が強いとは思わない。江戸の世の中は束縛が強かっただろうなあとは思うけど。千寿庵の話以外は真実みがあり、『律儀な男』の動機がなさそうでありそうなフィクションだ

  • ちょっと軽い感じの短編集かと思えば、少々重い。この気持ちどうすれば・・・?

  • 江戸庶民の人情もの

  • 最後に泣かされる、安定したものだけれど。
    タイトルでもあるんだし、もっと、ほら吹いてほしいかな。
    それにしてもよくできた奥さんだ。

    他二篇「ミディアム」みたいな話でちょっと驚いたけれど。
    読後感ということで、「せっかち」を 推す。

  • 安定した面白さ、宇江佐さん。

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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