- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396633462
感想・レビュー・書評
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繭と彼氏の伊藤のいい夜に突然割り込んできたのは三年前に突如姿を消した元恋人の並木だった。行く場所もお金のない並木をなし崩し的に受け入れた二人だったが…(シンプリーヘブン)。死を目前にした友人の「セックス」という単語にどうしようもなく心動いてしまった繭の住むアパート小暮荘の大家である老人・小暮の解決策…(心身)。繭の働く花屋の佐伯の夫の浮気疑惑に揺れる佐伯の内情…(黒い飲み物)。等々の築年数と壁の薄さには定評のある、よく言えば味のあるアパート小暮荘の住人や、そこに関わる、通り過ぎる人たちの七つの短編。
三浦さんの小説らしい文章の粋さが素晴らしい。何度も読み返したくなる、地味だけれど人の描かれた小説。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いつだってこの世界とここに生きる人間に希望をもちたいのだ。だから、そう思わせてくれる物語を私は愛している。
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世田谷の住宅街にある、ぼろい木造アパートの木暮荘。
住人達は音が筒抜けの状態で、呑気に暮らしている。
庭があって、ジョンという雑種犬がいて、家賃も安い。
ただし手入れもあまりしていない好き勝手に草が伸びた庭に、かなり薄汚れた犬だけど。
坂田繭に晃生という恋人が出来て半年、3年前に何も言わずに消えた彼氏・瀬戸並木が戻ってきた。
世界を回って写真を撮っていたという。
付き合ってるだろと言われても納得できないが。何となく居座られ…?
繭が勤めるフラワーショップでは、店長の佐伯が夫の不審な行動に、悩んでいた。
もともと「喫茶さえき」という古い喫茶店の三代目が夫。
10年前にフラワーショップを併設し、今は40代も半ばになる夫婦。
いつからか、夫のいれるコーヒーが泥のような味がすると感じて…
押し入れを蹴破ってしまい、隣室へ行けるのに気づいた男・神崎。
一階の女子大生を覗いてみたら癖になり、女性の生態に詳しくなる。
途中で気づかれていたとわかってからがまた‥?
大家の木暮もこのうちの一部屋に住んでいる。
娘夫婦が転がり込んできて手狭になり、妻は孫の世話で忙しいので、一人だけ空き部屋に移ってきたのだ。
誰が見てもジイサンだが、本人はまだ枯れてはいない。ちょっとしたこだわりがあって…
ペットのトリマーをしている女性・美禰が、実はいつも通りがかりに見ていて、ここの犬を洗いたいと前から思っていた。
通勤途中の駅の柱に、奇妙な物体を見つける。
ふと知り合った男性・前田にもそれは見えるらしい。
強面でいかにもその筋のように見える前田だが、じつはふさふさしすぎの犬を飼っている。美禰はカットしてあげることに。
前田はいぜん木暮荘に住んでいたらしく‥?
ちょっと変で、けっこうエッチくさくて、かすかに暗いものも含みつつ、ほのぼの笑えて、暖かみがある。
住む人の息づかいが聞こえるようなお話。 -
小暮荘に住む人々(とそれにかかわる人)の物語。
Aさんが主人公の物語でのAさんと、
Bさんの物語に脇役で出てくるAさん像が、
異なっているのがおもしろい。
主観と客観。
他人からの見え方と当人とのギャップ。
で、最後はほんわり、純愛仕立て。 -
すごい変な人達が住んでるんだけど。
(普通の人もいる)
こういう変な人しか世の中にはいないのかもしれない。
でも、悪い人はいなくて、みんな優しい。
ほっこりした。 -
なかなかクセの強い楽しい作品。安普請極まりない全6室のぼろアパート・木暮荘。住人は4人。そして近所に住む人々とのぬくもり繋がり。それぞれの視点でどんどん展開していくので、いろんな側面が垣間見れて面白かった。
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好みのあることだし。
私には、
この手の話は…読んでても退屈。
読了した。
それだけです。 -
ジョン目線の話、読んでみたい
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2019.11.30