事件でござるぞ、太郎冠者

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 75
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396633875

作品紹介・あらすじ

人気狂言師・峰村みの吉が主宰する「狂言教室」の生徒が急死した。訃報にみの吉たちが驚く中、「それって筋が通らない」と言い出したのは、新入りの生徒・松永夏十だった。無愛想な上に、ツンツン立てた髪と濃いメイク、パンクスタイルで、とても狂言に興味があると思えない夏十だが、狂言の『二人袴』をヒントに、意外な真相を探り出して…。

感想・レビュー・書評

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  • 狂言の演目をベースとしたミステリィですね。
    少し設定に無理があるように感じました。
    続編を感じさせる終わり方でしたね。
    続編があれば読みたいですね。

  • 狂言師の家に、強引に居ついた、夏十。
    彼女には、思いがけない謎解きの才能があった。
    古典芸能の筋と、現実の事件が絡む設定は、他にもあるが、特に絡め方がうまかった。
    狂言に興味がわく。
    うまくいきすぎるところはあるが、楽しめた。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-7a5f.html

  • 狂言師みの吉、謎の内弟子希望者である夏十に振り回されながらいくつもの事件に関わることに
    奇抜な見た目で愛想がないから無駄にまわりと軋轢を生むのに、義理固く筋が通らないことは許せない夏十がだんだん可愛く思えてきて…みの吉もそうなのだろうな
    馴染みの薄い狂言、事件と関連付けて内容を説明してくれていたり笑いが基本なのかとか着ぐるみ着たりするのね!と知れて興味が湧いた

  •  バツイチ狂言師と押しかけ内弟子がコンビを組んだ、連作ミステリ短編集。
     謎解きに狂言の演目を絡めるという筋立てで、推理物としてだけでなく、狂言の入門書としても楽しめる。
     あくまで事件の解決がメインであり、古典芸能の表現者としての主人公の苦悩などは触りのみとなっている。
     それでも、初心者を引き込む力は充分あり、取り上げられた演目を実際に観劇してみるのも良いだろう。

  • 狂言師みの吉の元に新しく弟子入りした夏十は、奇抜なファッションと不遜な態度だが、事件の解決になると妙に冴える不思議な娘。実際の事件と、狂言の曲目の説明が関連付けられていて、なんとなく狂言についても詳しくなった気になる。推理小説としても、登場人物の性格づけも面白かった。

  • 狂言師と飛び込みで弟子入りしてきたツンデレ女性を主人公にした異色のミステリ。独特の雰囲気も話の筋も面白かった。

  • 狂言師・峰村みの吉の押し掛け弟子となった夏十は、髪を逆立て濃いアイシャドウに全身黒尽くめ。しかし謎を前にすると「筋が通らないことは嫌い」と調査を開始し謎を解き明かすのだった。
    狂言の世界を舞台とした連作ミステリ。ミステリ的仕掛けはごく判り易いものですが、狂言の演目になぞらえて展開させるのが面白くスイスイと読んでいきました。もっと狂言師のお仕事小説という面があるのかと思いましたが、そちらは控えめでもう少し置くまで突っ込んで書いて欲しかったという気もします。
    狂言は何度か見たことがあるのですが、意外とわかりやすいんですね。その入口としてこういう作品もいいのではないかという気もします。

  • 比較的狂言は好きなので手に取る。
    狂言の演目と事件とを上手にからめてお話にしている。
    が夏十さんの、キャラはいいんだが、
    立ち位置、とゆーか、結局この人は何者なんだ?というのが
    本の最後になるまで明かされず、
    なんか、落ち着かない、とゆーか、ちょっといらつく、とゆーか。
    なので、結構飛ばし読みしてしまった。
    もうちょっとちゃんと読もうと思ったんだけどなあ。
    登場シーンから、突然の居候へ、まではなんか楽しかったんだが、それ以上の進展が全くないだもん。
    みの吉さんとの関係も同様に。
    そのへんを楽しめたらよかったのかもだが、
    どーも、座り心地が悪いとゆーか、なんとゆーか、
    うーん。

  • (収録作品)二人袴/花子/附子/武悪/瓜盗人/釣狐(前編)/釣狐(後編)

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著者プロフィール

1959年、神奈川県を経て、放送作家となる。99年「T.R.Y.」で第19回横溝正史賞正賞を受賞。著書に「C.H.E.」「キャピタル ダンス」「リスク」など。

「2017年 『ポーツマスの贋作 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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