ジャッジメント

著者 :
  • 祥伝社
3.67
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本棚登録 : 145
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634117

感想・レビュー・書評

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  • 応援、青春•••

    読後感としてはそんな感じかな。

    殺人容疑で捕まったかつてのエース宇土。同級生で控え投手だった中垣が弁護に当たる。

    高校の野球部時代と、その6〜7年後の今が、ダブルストーリーで展開していく。

    とても読みやすく、片思いや友情、胸に秘めた思い、青春の香り漂う。

    最後の最後、
    「1コ、大きく捻られてるやん!」と気づきました。

    著者はこれをやりたかったのか、フフ。

  • 高校野球部のチームメイト、かつてのエースの宇土がプロ入りした先の有名監督の殺害容疑で逮捕された。犯行は否認しているが不利な条件の中新米弁護士の中垣が他の仲間達の力も借り法廷に挑む。現在の事件の過程とかつての野球少年達の熱い日常が頻繁に入れ替わって語られるので慣れるまでちょっと混乱。しかし法廷での堂々とした対決やある理由から甲子園を目指して一丸となる所までいくと先がどんどん気になって読み進めてしまった。事件の真相の鍵が唐突に出てきて拍子抜けたけどそれが気になっていたエピソードに繋がり友情の尊さに胸が熱くなった。事件はむしろオマケだなこれ。

  • 2016.01.28
    また一つ新しい作家に逢えた。清々しさが残る法廷ドラマ。青春と仲間と信じることと。最後にわかるピッチャー宇土の怒り。彼を救う新米弁護士のリリーフ中垣。弁護士は裁くのではなく救うのだと。この作家「佐藤青南」を読んでみよう。今回は題名に惹かれて借りてきたのだが•••。

  • 法廷モノの部分で一体どうやって無罪を勝ち取るのかとワクワクしながら読んでいたら、こう来るのかという感じでしたね。
    個人的にミステリーとして、まだまだ目新しさを感じさせてくれる作者には非常に好感が持てました。

  • 初めて読んだ作家サンです。
    最初、作者名から女性だと思っていたけど、この本を読んで男性なのかな?と思いました。

    かつての高校時代のチームメイトであるプロ野球選手、宇土の弁護を担当する事にした中垣。
    宇土の問われている罪は殺人。
    被害者は宇土のチーム監督。
    凶器に使われたのはかつて宇土が被害者となった監督からもらっていた記念のバットで、宇土には監督を殺す動機もあった。
    中垣は宇土の無実を立証するため、周囲の人間に聞き込みをする。
    その中で、宇土に対する疑惑が一瞬芽生えたりもしつつ、他のチームメイトたちと協力し、宇土を無罪にしようと力を尽くす。

    この話は宇土、中垣の現在の様子と甲子園を目指した過去の話が交錯しつつ進行していきます。
    そして後半、現在の話では裁判で、過去の話では甲子園を目前にする所まで勝ち進むというクライマックスを迎える。
    現在の話では真の犯人は誰なのか?本当に宇土が監督を殺していたのか?そんな事を思い、過去の話では名もない高校の野球チームが甲子園にまで行けるのか?という興味で読み進め、それが最後にはひとつになる。

    よくできた話だな~と思いました。
    現在の話で分かった真相が過去にもつながっている事が分かるあたり、うまい。
    いい話だし、文章も特に問題なし。
    なのに、何故かこの本を読んでいると眠くなって何度も途中で寝てしまいました。
    どこも何も悪くないですが、内容的に私の興味をひくものじゃないからだろうと思います。
    仲間たちと一つのものに向い心をひとつにしていく。
    そういう経験がある人なら熱く読める作品だと思いました。

    宇土は高慢でマイペースな所があり、つき合いにくい性格だと言えます。
    そんな男性に最初は拒否反応を示していたチームメイトたちが目的をひとつにする中で本当の仲間になっていく。
    そして、そんな関係は時を隔てても変わらない。
    そういうのを見ると羨ましく思いました。

  • 大谷さん移籍おめでとうキャンペーン
    面白い 
    高校球児だった弁護士の主人公に同級生の元プロ野球選手の殺人容疑の弁護が舞い込む 
    果たして同級生は本当に殺人を犯したのか? 
    法廷パートと高校野球パートがそれぞれ展開するに連れ、事件の真相が明らかになっていく
    リーダビリティ抜群で、一気読みでした。 
    初読みの作家だったけど拾いものでした。 

  • 殺人容疑で逮捕された元野球部のエースと、控え投手だった新米弁護士。高校時代の回想と外周から一歩ずつ踏み締めていく事件。難しくはないけれどさらさらと表層をさらうような読み方になってしまった。やわやわとした触れ方で事件はあまり印象に残らない。後半の裁判シーンはテンポが良くて凝縮されていて引き込まれた。

  • プロ野球界を舞台にした冤罪事件と戦う、元高校球児の話。
    読売ジャイアンツという巨大野球組織の暗部をエグりつつ、ミステリーと友情の話を描くという設定はオモシろいが…。

    社会批判(というか巨人叩き)の臭いが少々強すぎてちょっと雑味になってる感じ、そういうのあからさまに嗅ぎ取ると興ざめしてしまう部分もあって、元阪神ファンのアンチ巨人(今は特定の球団ファンとアンチはやめました)として、そういうのって過去の自分の恥部を読んでるようでちょっとツラかった。

    それと、犯行を覆す証言、あれどう考えても検察が見逃すのは無理がある。日本の警察も、一般庶民のゴタゴタならともかく、日本を代表する球団の超有名監督が殺されたとあっては、そんなことを見逃すほど無能は捜査はしないはず。そういう展開にするならもうちょっと突っ込んで、そこをなぜ見逃したのか?を核心部に持って来ないと…

    友情のラストは感動するが、それ以外ちょっと荒っぽいかな

  • 面白かったー。この人、やっぱすごいや。

  • #読了。
    新米弁護士中垣が担当する殺人事件の被告人は、高校野球部のチームメートのエース宇土。訳あって高校時代に絶交してしまった者たちが、宇土の無実を信じ走り回るが・・・
    青春ミステリーとして熱いものはあったが、スカウトの目が節穴ではないというような描写がありながら、それは・・・という気がしなくもない。冒頭のタバコの件がそこに落ち着くとは思わなかった。

  • 都合の良すぎる小説ですね。巨人を貶めた感じだし、設定も超安易。

  • 殺人の嫌疑をかけられたかつての友人のため、奮闘する弁護士の主人公。そして彼らの過去にある、とある確執。法廷ミステリのようで、青春ミステリでもある作品。
    野球ネタなので、野球にまったく興味のない私はあまり入り込めない部分もあったのですが。それでもラストで明かされるとある真相には感激してしまいました。殺人事件よりもむしろ、こっちがメインかも。読後感もとてもすがすがしいです。

  • 殺人容疑で逮捕された高校野球元エースと、彼を救うべく立ち上がった控え投手の新米弁護士&元ナインの友情と野球のミステリ。過去と現在が交互に描写されてかつての遺恨が徐々に明らかになるという構成には少し戸惑い、ストーリー的にもベタすぎる嫌いはあるのですが、手放しの大団円には文句ありません。

  • 高校時代のエースと控え投手から時が経ち
    殺人事件の容疑者と弁護士として再会した二人。

    高校時代と現在を交互に描いていて
    どちらも謎が徐々に解き明かされていく展開は面白かったが
    事件の真相の鍵となるポイントが
    鑑識の時点で誰も気付かないのはあまりにも不自然。
    冒頭の場面はもう少し違う出し方があったのでは。

    もちょっと手直しすればもっと面白くなっただろうに。

    【図書館・初読・2/10読了】

  • これははっきり言ってとても不愉快な小説という体をとっただけのアンチ巨人のたわごとである。巨人が嫌いなのはかまわないのだが、小説を使って、現実の人物や事件を明らかにモデルが誰かわかるようにして批判するのは作家のすることなのか。まぁわかりやすく言いますと、殺されるのは読売ジャイアンツの原辰徳監督。采配批判から、爽やかなルックスで人気を博した現役時代のこと、3億円スキャンダルから、清武さん間に合いますまで。もちろん清武さんらしき人も登場。盛大に犯人をねたばれしますと、ドラフトを拒否し社会人野球にすすんだスラッガー(ここでは内野手、現実は外野手。でも大学時代は内野手だったので強ち間違いでもないか)。モデルはどう考えても長野久義選手です。現実と違うのは彼が原さんの不倫相手の子どもであるという設定。冒頭の描写から最後のシーンにつなげる演出の仕方はよかったので、わざわざこんな設定にする必要があったのかと思う。小説家としてのオリジナリティが見たかった。ただただ残念な作品。巨人批判がしたいならよそでしてください。フィクションではなくノンフィクションで。2013/390

  • 面白いし、いい話だけど、時間軸がかわりすぎて読みにくかった。後半の試合の場面はわりと読み飛ばしてしまった。

  • 高校野球の仲間が殺人事件の容疑者として逮捕され、弁護士になった仲間が罪を晴らす
    殺されたプロ野球監督は原辰徳がモデル?高次脳機能障害がキー

  • 野球と法廷物で話しが進んでいく。一番の謎の所!?がなんかな~でも読みやすかった。 2013.10.9

  •  主人公の過去の高校野球を舞台にした青春小説と、法廷もののミステリーが合わさったような作品。過去の高校野球と現在の推理小説が絡みながら、交互に進んでいく。面白かった。ミステリー部分の程よい謎解きと、高校野球の場面がうまくリンクしながら、ラストに進んでいき、読んでいて心地よかった。

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著者プロフィール

佐藤青南
一九七五年長崎県生まれ。「ある少女にまつわる殺人の告白」で第九回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し、二〇一一年同作でデビュー。一六年に『白バイガール』で第二回神奈川本大賞を受賞。ドラマ化された「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ、「白バイガール」シリーズ、絶対音感刑事・鳴海桜子が活躍する『連弾』『人格者』『残奏』など、著作多数。近著に『犬を盗む』『ホワイ・ダニット 行動心理捜査官・楯岡絵麻』『ストラングラー 死刑囚の逆転』がある。

「2023年 『残奏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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