子育てはもう卒業します

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 107
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634292

感想・レビュー・書評

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  • 自分よりも10歳くらい上の人の話だけど、共感できるところ多数。女友達の話にしてはドロドロ感はあまりなくて、ユーモアもあり読後感は悪くなかった。
    女性でも男性同様に高等教育を受けられるようになりつつある時代に地方から上京して大学を卒業したが、社会の受け入れは全く準備できておらず大卒女性をどう扱っていいか持て余していた時代。
    折角大学で学んだにもかかわらず社会で生かせなかったことの焦燥や憤りとか、リアルに感じられた。
    夫婦のあり方、子どもへの教育の与え方など悩みながら選択していき、後悔したり納得したりする姿に共感した。
    子育てのゴールとはいつなのか?常に疑問に思っていたので参考にしたかったのだか、大学を卒業させても就職させても悩みはつきない。淳子が会社を辞めた長男と大学を辞めようかと言い出した次男に怒鳴り付けるところが、同じようなことはなくても共感した。でも結局親が手をかけようがかけなかろうが子どもは育つように育つ。気持ちに区切りをつけて卒業すると宣言したのを読んで、結局は子どもや配偶者にとらわれずに自分の人生を歩んで行かないと
    終わりは無いんだなと思いました。

  • 主人公は私の母世代の女性3人。
    3人それぞれの学生生活や、子育てに悩みながらも生きる姿が描かれていて、母の生きた時代を思いながら読んだ。
    今とは違うあれやこれ、その時代だからこその難しさってあるんだな、と。
    そしてその子供たちは私と同世代。
    人生って色々だし、たくさんの選択の繰り返しの上で今があるということをあらためて感じた。
    自分自身の人生や生き方を振り返るきっかけになった。
    自由に自分の生き方を選択できるって幸せなことなんだな、と。
    それにしてもあまりにも親たちが悩み苦しんでいてばかりで…最後、大人になった子供たちが集まるシーンが描かれていて、それで救われた気がした。
    これから子育てをしていく身としては、きっと子供のことって自分のこと以上に悩んで心配してしまうんだろうなぁ、ということを身に染みて感じた。

  • 人は自由に行きていい、
    頭ではわかっているけど、才色兼備を目指してしまう日本人女性。
    結婚出産を経て、私も息苦しくなっていた。
    最後の紫の言葉が心に染み入る。
    「家族を取り仕切って正しい道に導こうってやっきになってたなんて滑稽だよね。それぞれが好きなように生きるのが一番…」

  • 同じ年代の少しお姉さんの3人組。同じ価値観でこの時代を生きてきて、子育てにしろ、結婚後の生き方にしろ、同じような体験をしてきました。読み終わって自分もこれからは自分を大事に楽しもうと思いました。

  • 時代背景と、家庭環境に振り回されるのは結局、女。
    全て満たされる結婚はないし、逃げ場もない。
    子育ては、五里霧中。
    人物設定が時代を象徴するような三人で、80年代90年代を振り返れる。

    身もふたもない家族のいざこざや、懐事情などを悟られない様にしながらも、目に見えるとこだけ良く見えるよその家庭。
    理想はいろいろだけど、実際生活していくのは大変なんだよね。
    ドラマチックな展開もないけれど、根底に流れるほのぼの感がある。
    コンプレックスだったことがどうでも良く思えた。

  • *就職、結婚、出産、子育て、嫁姑、実家との確執、職場復帰…… 故郷を離れた18歳から40年、3人は悩みを語り合ってきた。 時には口に出せない痛みを抱えながら―― 「親離れ・子離れ」を等身大で描いた書下ろし長編小説*

    「老後の資金がありません」同様の、リアルなのにカラッとした読後感。特に昔の就活のあれこれには実感がこもっていて、「二十三歳の女性ってイメージにロマンを感じているニッポンの人事のおじさんたち」には噴き出してしまいました。そうそう、二十四歳じゃダメなんですよ、あのおっさんたちは!しかも自宅通勤限定のね。
    そんなレトロな時代背景もありつつ、子育てにまつわる不変の悩みや葛藤が絡み合って、なかなか読み応えがあります。それでいて重くない。まだ2冊目ですが、著者の描くリアルさが気に入っています。

  • 共感できるところ多数(笑)世代は違うけど、子育てまっただ中の私としては色々考えさせられることありました!子供には子供の考えや進む道がある…のは分かるけどやはり口を出してしまう&できれば苦労して欲しくない、安定して欲しいって思ってしまう。兎にも角にもせっかく読んだので、私も子供への介入はほどほどに、自分の道も考えようと思いました。自分の50代、どうなってんるだろう?後悔しないようにレイモンの言うように「人生楽しまなくっちゃ」

  • 2016.11.7 読了


    完全に タイトルに惹かれて借りました。

    3人の女子の大学生くらいから、
    50代までの変遷が 交互に進んでゆく。

    そして、その子供たちや周りの状況も
    見えてくる。

    随所に「ある、ある!」
    「わかる、わかる!」があって、
    皆 同じなんやなぁ。。。と思ったり

    若干 私より世代が上で
    就活の状況は その子供たちの方が
    近い感じだけど、
    子育てやら 嫁姑の感じとか
    これは 辛いよね。。。とか
    今だから共感できたりすることもあったり。

    初めての作家さんでしたが、
    なかなか読みやすかった!

    タイトルの 子育てで言えば、
    もう ある程度になると
    子育ては 見守るしかないよね、って言葉
    ほんと そうだよね。。。
    どうにかしてやりたくても
    本人がしないと どうしようもない問題だら
    け。。。
    最近 それに ぶち当たってます。。。

  • 感想

    垣谷美雨さんの本は「貴女の人生片付けます」に続いて2冊目です。

    当時の子育ての急がしかがしかった事、大変だった事を思い出しました。
    予想どうり面白かったです。

    自分の子育てを振り返ってみると失敗が沢山有り、穴が有ったら入りたいくらいです。

    良い成績を取って、良い大学に行って、良い会社に入って、良い伴侶と結婚して幸せの人生を歩む・・・と、こんな風に絵に描いた様には行きませんよね。

    子供たちは私が頼りなかったので、反面教師になったようです。(笑)

    もう子育て終了、今は毎日好きな事をして楽しく遊んでいます。

  • 16歳の娘をもつ私。
    ちょっと過保護すぎるかな、という気もしていたので、このタイトルにひかれて読んでみました。
    大学で知り合った3人の女性のその後を本人や子どもの視点で描いてあるのですが
    「子育てはもう卒業」するのが、子どもが25歳の頃って…!
    特段「もう」という年でないと思うんですけれど。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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