ふたり姉妹

著者 :
  • 祥伝社
3.28
  • (6)
  • (39)
  • (76)
  • (6)
  • (4)
本棚登録 : 340
感想 : 60
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634667

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 都会でバリバリ働く優秀な姉とずっと田舎で暮らし、結婚間近なマイペースな妹。
    突然、姉が休みを取ったからと帰省する。
    実家を出たこともなくずっと実家暮らしの妹は、この機会に姉の家で都会の暮らしを楽しみたいと東京へ行く。
    生活を交換して、見えてくるもの。
    理想に思えてた都会暮らしと退屈な田舎暮らし。
    落ち着くところは…。


    姉妹喧嘩勃発中に出て行った柏木さんが、戻ってきたときに手にしていた高級アイスに思わずほっこりした。
    「将来は家族になるんだし」という何気ないひとことにもグッときた。
    あんまり感情を出さずクールでイメージ良くないなぁと感じていたのに最後に好感度がアップしたよ、柏木さん。


    姉妹というのがどんなものか、よくわからないが同性だけにいろんな面でライバル視するのだろうか、と思っていたがそこまでのドロドロとした感情もなく、上手く落ちついた…といった感じだった。

  • 素敵な”人生の夏休み”でした。

    姉妹。姉弟。兄妹。兄弟。
    それぞれの立場で、感じ方は違うんでしょうね。
    私は姉だからか、どこかしら聡美の目線で読んでしまった。

    仕事が忙しいからと、めったに実家に帰ることのなかった姉、聡美の突然の帰省。
    何かあったに違いないと心配するも、尋ねることのできない両親。
    それを何のてらいもなく聞ける妹、愛美。

    聡美は妹を、愛美は姉を、互いに羨ましいと感じながら、
    間もなく結婚する愛美の提案で、夏休みの間だけ二人の部屋を交換して生活。
    その結果、自分の足元を見つめなおすことができて、また明日からがんばれる!

    この取り換えっこ、実際にできたらすごくワクワクしちゃうだろうなぁ~

    「お姉ちゃんなんだから」
    幼い頃、親からこう言われることがとても嫌だった。
    でも、弟に言わせたら「お互いさまだよー」ってとこなのかな?

  • 瀧羽さんの本を連続して読んでいます。姉妹の関係は「パリパリ」でも書かれていた。姉は170cm程の背丈があって、妹は15cm低い。姉は東京の製菓会社で働くキャリア。妹は地元で10月に結婚を控えるフリーの立場。東京と郷里、地元という対比も面白いです。で、実際、新幹線に乗って帰らねばならないこの郷里ってどこなのでしょう?東京も姉の住むのはどこなのか気になりました。小説上の設定でしょうね。
    最後に姉と妹がぶつかってしまうのが、真に迫っていました。姉の聡美には、イタリア料理で蘊蓄を述べて食事ができる柏木さんが似合うのでしょう。あまり熱くならないのが、公太君の分かりやすさと違うのでしょう。
    皆さんのレビューを見せて頂きました。
    うちは姉妹の二人の娘がいます。仲良しですよ。
    姉が地元で妹が大阪市内に住んでいます。
    僕は弟と競争しました。僕は一度学生時代に千葉で暮らし、郷里に帰りました。今弟はアメリカに赴任しています。三男も居るので、ステレオタイプに対比的に述べるのは難しいです。色々思い巡らせながら読みました。

  • 上昇志向が強く、東京でバリバリ働く姉。
    懐に入りやすく、地元で結婚間近の妹。
    相反する姉妹が、期間限定でお互いの居場所を入れ替える。
    姉のほうに共感しながら読む。
    壊れていた姉が変わっていく過程に、ぐっとくる。
    ぶつかり合って初めて、相手の良さに気づいていく。
    読後感もいい。

  • 田舎での生活を選んだ妹と対照的に都心で働く姉として、聡美の気持ちがよくわかる。柏木に甘えられないところも含めて。まぁうちは妹とは歳が離れていて娘のような感覚すらあるので、ふたりのようにはなることはこれからもないだろうけれど。ただ、何かあっても姉妹だよなと思う。
    柏木も公太も完璧ではないけれどいい男で、きれいなハッピーエンドだった。

  • ★3.5
    人生の夏休み物語
    わたしには、この暮らしが合っていると思っていたー。
    都会で働く上昇志向の姉と田舎で結婚間近のマイペースな妹
    生活を交換した二人が最後に選ぶ道は…。

    東京でバリバリ働いていた美人で優等生の姉・聡美が
    突然故郷に帰ってきた。
    実家を出た事が無く、ずっと田舎暮らしで結婚も近い三つ年下の妹・愛美
    この機会に姉の家で都会の暮らしをしてみたくなる。
    部屋を貸すことを嫌がる聡美や婚約者・公太を説き伏せ
    上京し姉の部屋へいくと見知らぬ男性が…聡美の恋人・柏木だった。
    何故、聡美は突然帰ってきたのか…。
    柏木は聡美の部屋の家探しをする為に来ていたのか…。
    真奈美は探りを入れてみる事に…。

    姉・聡美は妹・愛美を昔から人が集まってくる。
    誰もが愛美には甘い。可愛がられ、愛される才能
    愛嬌のある愛美が羨ましい。
    妹・愛美は姉・聡美を若干出来すぎ位の優等生
    成績優秀で品行方正・真面目で責任感が強く
    両親から、別の次元で扱いが違うって羨んでいる。

    姉妹だからこそ、お互いの長所をとっても良く理解してて、
    ないものねだりの様に羨ましがっている。
    そして、身近にいるからこそ、ついつい目に付く駄目な所
    お互いに大切に思う気持ちや大事に思う気持ちはあり
    不器用ながら互いに心配し合っているんだけれども、
    素直に伝えられないし、素直に受け止められない。

    心の中では大事に思っているのに
    ひとたび喧嘩になると、それ言っちゃうの~そんな風に言ったら…。
    言ってはいけない言葉を投げつけ激しく言い合ってしまうけど、
    こんな風に、何もなかったかのようになんとはなしに元通りになってる。
    あーー確かに、そんな事あったなぁ。
    友達だと考えられないけど、姉妹だからこそだよね。

    姉と妹立場も違えば考え方も異なる
    そんな二人の心理をどちらも、そうだよねって思わせる
    心理描写が出来るのがとっても凄いって思った。

    姉妹それぞれの恋人柏木さんと公太
    二人は全く違ったタイプの人達だけど、とっても魅力的
    二人の姉妹の幸せな未来が思い浮かびました。

  • さくさく読めた。最後にほっこりした。きょうだい、姉妹ってこんな感じかも。お料理も美味しそうだった。

  • 東京でバリキャリとして働く姉。
    地元に残り、結婚して暖かい家庭を持つことを夢見る妹。
    正反対のふたり。

    私には同姓の姉妹がいないので、それが実際どんなものなのか分からない。でも周囲に聞いた姉妹像と、このお話に出てくる姉妹のパワーバランスはよく似ていた。なので、姉妹ってこんな感じなのか、とすんなり受け入れることが出来た。
    姉妹って一番最初に出会うライバルなんじゃないかなぁなんてことも思う。もろに比較される対象が身近にいるってなかなかしんどそう。なのでこの姉と妹が、それぞれ自分にはない点を羨ましがったり貶めたりしている点がなんともリアル。
    でも最後のシーンのように、なんだかんだあっても一緒にいられるのもリアル。家族ってそうよね。

    ちなみに私はこの妹のようなタイプは苦手なので、姉に肩入れしつつ読んだ。
    だから、最初出て来た時は「この人どーなの!?」なんて思ってしまった柏木さんが、実際はいい人だったから本当に良かった!

  • 東京で働いている聡美が実家に帰ってきた。10月に結婚を控えて退職した3つ下の妹・愛美はずっと田舎から出たことがない。長くてひと月なら、お姉ちゃんの部屋を使わせて!と東京へー

    ◆当てはまらないおっとり長女やきっちり次女がいたら猛抗議を甘んじてうけるけど「ガチガチの長女気質」と「ちゃっかり次女」って2人の目線で見るとそれぞれの妬み、弱気、横柄さ、パートナーとの関係がアルアルすぎて面白い…。パートナー柏木さんと公太もいい人じゃん!聡美の一件は悔しいけどしてやられた感がある、でも色々気づけたいい着地点

  • 【あらすじ】
    東京の製菓メーカーで企画職として働いていた29歳の聡美が久しぶりに故郷に帰ってきた。実家を出たことがなくずっと田舎暮らしの三つ下の妹・愛美は、この機会に姉の家で都会の暮らしを楽しんでみたいと思い立つ。部屋を貸すことを嫌がる姉や困惑する婚約者を説き伏せて、愛美は東京に発つが、聡美の家で姉の恋人と遭遇。プライドが高く向上心の強い姉の突然の帰省を訝しんでいた愛美は彼に探りをいれてみることに。聡美が実家に帰ってきた本当の理由とは――? 『うさぎパン』の著者が贈る、人生の夏休みの物語。

    【感想】

全60件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1981年、兵庫県生まれ。京都大学卒業。2007年、『うさぎパン』で第2回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞し、デビュー。
著書に『ふたり姉妹』(祥伝社文庫)のほか、『ありえないほどうるさいオルゴール店』『女神のサラダ』『もどかしいほど静かなオルゴール店』『博士の長靴』『ひこぼしをみあげて』など多数。

「2023年 『あなたのご希望の条件は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

瀧羽麻子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×