スーツケースの半分は

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 244
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634810

感想・レビュー・書評

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  • 読めば、旅をしたくなる。
    幸せを呼び込む青いスーツケース、僕もほしいなあ…

    スーツケースの半分は、旅に必要な着替えや生活用品を、残りの半分は・・・お土産を入れるために空けて置くんでしょ?

    なんてタイトルを見て考えていたんだけれども、

    残りの半分に詰めるお土産っていうのは、旅を経て得たかけがえのない何か。時には予想もつかない方向に突き進み、自分の予想と正反対の幸せだったりする。

    旅って、やはり人生の縮図ですよね。

    夏休み、どう過ごそうか、迷ったらこの小説を読もう。

    ♪MEMORY /BOØWY(1987)

  • これまた素敵な作品と出会いました。。。

    ほかの作家さんの名前を出すのはあれですが、
    青山美智子さんの作品のような穏やかさを感じました。

    旅行に興味のある人もない人も楽しめる作品
    1つのスーツケースが色々な人を幸せに導く

    260頁、9章から構成されているので
    それぞれの章は短めですがしっかりと読み応えあります!
    各章の題名もホントに素敵なんです。

    帯には、
    心がふわっと軽くなる幸せつなぐ物語、と。
    読んでよかった〜という気持ちになりました♪

    これは是非たくさんの方に読んで欲しい!!!


    大学にあがるときに帰省兼旅行用に2つスーツケースを
    買ったのですが数年後に盗まれてしまいました。
    あの子たちはどうしているのかな。。。

    そろそろ海外にも行けるみたいなので
    スーツケースを新調しようかなぁと。


    2022年のベスト本に入りそうです♪

  • 幸せを招くといわれる
    スーツケースをめぐる
    連作短篇集。

    人生は掌。何かを掴み
    取るためには、

    今手の中にあるものを
    捨てなければならない。

    私は何も捨てたくない。

    つまり私はこれ以上を
    望むなということなの
    かな・・・。 

  • なんとなく再読。
    さくさく読めるので、好き❤️

    むかつく男の人が出てくるけど、スカッと振られるので、ざまみろって思っちゃう。

    バカンスは好きだけど、一人旅っていうのはしたことないので、その小説を読むたびに、一瞬、行ってみようかなって気持ちになる。
    その気持ちだけでも、大切だなって思うようにしています‼️

  • 幸運を呼ぶ青いスーツケースの物語。

    それを手にした女性達が悩みながらも前を向き
    少しずつ変わっていきます。
    でも、決して重くはなく軽やかなお話です。
    (最終話はちょっと切なかった…)

    読了後、何か新しい事を始めたくなりました。

    このスーツケースの青い色のように清々しく
    爽やかな連作短編集です。

  • 幸運の青い鞄を持って旅に出る。NY,香港,パリ,女達の一人旅。アブダビ,見知らぬ土地に置き去りにした男に憤慨。ドイツ,留学生と迷子の梟。最終話,老女に贈られた鞄が物語の出発点。ヒヤリとする話。

  • 真美がフリーマーケットで一目惚れしたスーツケース
    デザインはクラシックだが、目の覚めるようなブルーの革でできている、ダイヤル式の鍵で、本体に二本のベルト

    私も綺麗なスーツケースの装丁に魅せられ、この本を手に取った

    友達には言えない生きづらさを抱えた四人の女性のそれぞれの旅に伴われ、決断の扉を開くきっかけを作り、「幸運を呼ぶスーツケース」となる

    それぞれの女性が傍目には分からない悩みや不安、漠然とした違和感、生きづらさを抱えていることに共感した
    そのあたりの心理描写が近藤さんはうまいなと思う

    この本を読んで、ひとつ驚いたことがある
    第九話「青いスーツケース」
    親の転勤による引っ越しで初対面の人とすぐ仲良くでき、感じよく礼儀正しく振る舞い、人の心に割り込むスキルが自ずと身についてしまった和司
    誰からも人当たりが良いと言われるが、褒められるたびにそんなスキルを身につけずに生きていられたらどんなによかっただろうと

    人見知りだ、無愛想だと公言する人から和司は微かな傲慢を嗅ぎ取る
    彼らは人に好かれなくても生存が脅かされなかった人間だと和司は思う

    私自身、とても人見知りで、初対面の人と話すのは苦手、
    そのことによってよくツンとしているなどと誤解を受けて傷ついたこともあったが、こんな感じ方もあるのかと

    ニューヨーク、香港、アブダビ、パリと少しずつだが
    旅の気分も味わえた

  • 一つの青いスーツケースがいろんな思いを抱える人たちに受け継がれ旅をする。幸運を呼ぶというそのスーツケースがそれぞれの人生の後押しをする短編集。楽しくて明るい話ばかりではなかったけどいろいろ考えさせられるお話でした。

  • 幸せの青いスーツケースにまつわる短編連作集。
    スーツケースを持って海外に行ってた頃を思い出しながら読んだ。
    旅慣れた人もそうでない人も、出掛けてみると色々な出会いや気付きがある。
    やっぱり旅はいいよなぁと、またふらっと出掛けたくなってしまった。

  • 目の覚めるような鮮やかな青色のスーツケースが、日常生活に悩みを抱える女性達を次々に繋いでいく連作短編。

    「あなたの旅に、幸多かれ」のメッセージの入ったそのスーツケースは、使ったみんなから「幸運を呼ぶスーツケース」と噂される位旅した人達を晴れやかな気持ちにさせてくれる。
    NY、香港、アブダビ、フランス、ドイツ…スーツケースは女性達の手から手へと次々に渡り色々な土地を旅し、持ち手に幸運をもたらしていく。

    「スーツケースの半分は空で行って、お土産を詰めて帰っておいで」とアドバイスをくれた友もいたけれど、そのスーツケースは旅した土地のお土産と共に、旅した時の素敵な思い出をたっぷり詰め、次の旅人の手へ渡り幸運も連鎖していく。
    自分で選んだ土地に一人で行く勇気ある女性達の物語に、読んでいて元気を貰えた。

    「わたしは幸運をちゃんともらったから、次からは自分で選んだスーツケースで行きます」
    幸運を呼ぶ青色のスーツケースに何時までもしがみつかないで、次の旅人に気持ち良く手渡せる彼女達がとても素敵だった。
    私にもそのスーツケースを貸して!

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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