テミスの休息

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 74
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634933

感想・レビュー・書評

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  • 今お気に入りの藤岡陽子さんです♪

    弁護士の芳川とそこの事務員・沢井
    6編からなる短編です。
    テミス、弁護士…ですが法廷場面はほとんど出て来ません。
    依頼人に寄り添い全力を尽くす芳川、それを支えていく沢井。

    どの章も希望の見える終わり方であたたかい気持ちになるそんな作品でした(^ ^)

    かなり奥手の芳川としっかり者の沢井
    2人の恋がどうなるのか?続編あるのかな?

  • 「ホイッスル」の続編。今回は短編集になっていて、一話完結のドラマになったらいいのに!と思いました。前作ではチョロっとしか出てこなかった芳川先生と涼子の恋愛模様がずっと縦軸にあって、「頑張れ!芳川!」と何度も思いました。ほっこりする良い作品です。

  • 法律事務所の弁護士・芳川有仁と、事務員のシングルマザーの沢井涼子。

    婚約破棄された女性、財産分与をめぐる争い、
    少年院出の過去を持つ男性の過失、
    自殺した息子の過労死認定、
    どれも優しい余韻の残る幕切れでした。

    法律というものが、必ずしも弱い立場の者を守ってくれるとは限らない。
    だからこそ、その弱い立場に寄り添い続けてくれる芳川のような弁護士。いいなぁ。

    芳川と涼子の、穏やかでほんわかとした恋模様がとても良かったです。
    「5年後にまた」
    うわっ、こんなセリフ言われたらどうしよう。
    息子の良平君が、またいい子でね。
    こんな息子が欲しかったわ(笑)

    • あいさん
      こんばんは(^-^)/

      藤岡陽子さん、いいよね〜♪
      この作品も読みたいけど、なかなか手が届かないわ。
      弁護士ものも好きなので近々...
      こんばんは(^-^)/

      藤岡陽子さん、いいよね〜♪
      この作品も読みたいけど、なかなか手が届かないわ。
      弁護士ものも好きなので近々読みたいなぁ。
      藤岡作品だけでも読みたい本がたくさんだわ。
      2017/06/20
    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、またまたこんにちは~♪

      藤岡陽子さん、いい!!
      これで何冊目だったかな~、私も読みたい作品がいっぱい。

      これはつら...
      けいちゃん、またまたこんにちは~♪

      藤岡陽子さん、いい!!
      これで何冊目だったかな~、私も読みたい作品がいっぱい。

      これはつらい事件を扱う弁護士モノのわりには、読み終えた時にほっこりだったよ。

      またしても好きな俳優さんを配役して楽しんでしまった。
      年齢的には?だけど、上川隆也さんや、中村トオルさんとかね(#^^#)
      けいちゃんだったらどんな俳優さんかなぁ。
      また教えてね~。
      2017/06/21
  • ホイッスル直後に読んでよかった!
    藤岡陽子さんの本は、登場人物がそこにいるかのようで、一緒に優しい気持ちになったり、温かくなったり、悲しくなったりしながら、あっという間に読み終わってしまって寂しくなる。

  • 読み始めてすぐに
    「これ、好きなやつです」と思った。

    藤岡さんいいです、最高です。

    小さな法律事務所という設定も
    地に足をつけた登場人物も、とてもよかった。

    シングルマザーの事務員、涼子が
    息子と二人の生活を懸命に守ってきた
    10年間というのも、よく伝わってきた。

    心がじんわりとあたたかく、
    ちょっと優しくなれるそんな作品だった。

    「5年後にまた」なんて言われるような愛され方、
    いいなぁ。

    大人だからこその
    決め台詞だわ。

    短編の中では「もう一度、パスを」の
    「走らない奴に誰もパスは出さない」というのが
    感動したな。

  • 〝テミス〟…ギリシャ神話に出て来る正義の女神
    「芳川法律事務所」に持ち込まれる六編の連作短編集。

    横浜の鶴見区で事務所を構える「芳川法律事務所」
    弁護士の芳川有仁と事務員の沢井涼子だけの小さな事務所。
    夫と別れ、一人息子の良平を引き取った8年前の夏、
    雑居ビルに楽し気に荷物を運び込む青年を見掛け、何故か話してみたいと思った。
    開設された事務所に採用されて以来、誠実に最善を尽くす芳川の為に頑張っている。

    ・卒業を唄う
     結婚直前に婚約破棄をした彼を訴えたいという音楽教師・希
    ・もう一度、パスを
     誤って過去を知る同級生を死なせてしまった宇津木の国選弁護人になる。
    ・川はそこに流れていて
     芳川の母方の祖母の遺言状が波紋を広げる。
    ・雪よりも淡いはじまり
     芳川の大学時代の友人・麻耶は不倫相手の妻に渡したお金を取り戻せるのか。
    ・明日も、またいっしょに
     涼子の息子・良平の親友のガモっちゃんの母親が交通事故を起こしてしまった。
    ・疲れたらここで眠って
     10年前に過労の為、自死した息子の労災不支給処分取消の裁判をしている北門。

    法律事務所に訪れる多くの人は、自分の身に起こった突然の、
    たいていは不幸な出来事の大きさをはかって欲しいとやってくる。
    芳川も涼子も本当に人として素晴らしくって心のとっても優しい人達。
    依頼内容は、辛いものや厳しい内容のもですが、
    依頼人の心に寄り添って全力で真摯に向き合っている。
    人間そのものを見ていく芳川と涼子は慈悲と愛情に満ちたものでした。
    その優しさがとっても良かったなぁ♪
    人情味溢れる仕事ぶりに、ほっこりさせられました。
    二人の恋がちっとも進展しなくってもどかしかったですが、
    最後にはハッピーエンドで良かった+゚o。(♡*′ω`*)

    テレビで最近よく、大手弁護士事務所を舞台にしたドラマが放送されてますが、
    依頼をした人が、ほんの少し気持ちを楽にして元の場所に戻っていった。
    こんな素敵な小さな弁護士事務所にお願いしたいって思いました。

    とにかく、どのお話もとっても温かかった。様々な人々の温かい心が描かれていた。
    人と人の出会い、そして繋がりの素晴らしさを感じられました。
    とっても素敵なお話でした(♡´ ˘ `♡)

  • 法律事務所を巡る連作短編小説。

    短編小説ながら、1作1作に深みがある。
    現実は厳しく、全てご都合主義には進まない。
    でも暖かくて優しい。

    平成28年  祥伝社

  • 法律事務所が舞台であり、法律相談とかの事案はあるが、最後の中編以外に裁判の場面はなく、法廷ミステリーともいえない。ジャンルとしては、何に入るのだろう。
    利益第一の大手弁護士事務所を退所し独立した、理想化肌の弁護士と彼のもとで働くシングルマザーの事務員。
    この二人を中心に、身辺雑記的な話が続く。弁護士と事務員のほのかな思慕関係が底流となっている。恋愛小説ともいえるか。
    ともかく、『テミス(法の女神)の休息』という題名通り、読者をホッコリとさせてくれる連作短編集。

  • 法律事務所で働く弁護士・芳川と事務でシングルマザーの沢井の物語。
    扱う事件も、少年院に入っていた過去を持つ男性が起こしてしまった過失や、沢井の息子の親友の母親が起こしてしまった交通事故、そして、息子の労災を認めて欲しくて、10年も闘う父親など、決して大きな事件ではなく、リーガル小説というより、日常の困りごとを芳川と沢井が優しく解決に導くお話。
    どことなく、ほんわかした雰囲気が全編に漂い、優しい気持ちになれる一冊。

  • 良かった。
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著者プロフィール

藤岡 陽子(ふじおか ようこ)
1971年、京都市生まれの小説家。同志社大学文学部卒業後、報知新聞社にスポーツ記者としての勤務を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大学に留学。帰国後に塾講師や法律事務所勤務をしつつ、大阪文学学校に通い、小説を書き始める。この時期、慈恵看護専門学校を卒業し、看護師資格も取得している。
2006年「結い言」で第40回北日本文学賞選奨を受賞。2009年『いつまでも白い羽根』でデビュー。看護学校を舞台にした代表作、『いつまでも白い羽根』は2018年にテレビドラマ化された。

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