家族のシナリオ

著者 :
  • 祥伝社
3.19
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本棚登録 : 164
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634995

感想・レビュー・書評

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  • 高1の想哉の家族は、妹のれみ(中1)と元女優の母。
    そして、友さん。
    友さんは母の再婚相手であり、二人の元叔父さん。
    そう、友さんは二人の実の父の弟。
    他人から見ると複雑だけど、4人の中では良い関係だと思っていた。
    突然母がある人の最期を看取ると宣言するまでは。

    母の行動で平和を保っていた家族関係に綻びが生じ始める。
    でも、ラストはほっこりです。

    小野寺さんの本は『みつばの郵便屋さん』シリーズを3冊読んでいるので、これが4冊目。
    この本の主人公たちが暮らす町も”みつば”。
    なんだか嬉しい。

  • 前半1/3では、何かあり得ないというか、私が普通ではないのか?と思ってしまった。母の恩人とはいえ、病院へ行くという選択肢は自分が子どもだったら、絶対にないといいきれる。後半読んでいくと、人各々の考え方の違いなどいろいろなことが、だんだんと心におちてくる。主人公が、少々理屈っぽいかな?と思ってしまうところもあるけれど、まあ小野寺さんならでは、である。終わり方は、いい感じ。

  • 主人公の母親が元夫の弟と再婚した。再婚相手との日常を過ごしていたある日、元タレントだった母親のマネージャー(男性)を看取ると言い出した。
    そのマネージャーは何十年も会っておらず、看取ることになったことを新しい夫には言ってなかったため、母親と主人公、主人公の妹と大揉めになったが最終的に家族で協力し、前向きにお互いがお互いらしく生きていく物語だった。

    自分の母親が元夫の兄弟と再婚しただけでも複雑な気持ちだったのに、家族と協力して前向きに生きられて良かったと思った。
    映画好きな主人公が、演劇部に入り脚本を書く才能が開き、すごいなと思った。

  • やっぱり小野寺ワールドはいいなぁ。
    押しつけがましくなく、けど深い。
    刺さるなあ。

  • 「ひと」で株を一気に上げましたね。実際シンプルな人間ドラマが心地よくとっても好きな本でした。こりゃいい作家見つけたとほくそ笑んでおりましたが、本作はちょっと残念でした。10段階評価なら5を付けておきたいところなんですが、5段階で3を付けることはためらいが有りました。

    母が再婚した相手は父の弟。おじさんが父親になりそれなりに上手くいっている。実父との関係も特に険悪でも無く上手くいっている。そんな時に母が他人である男性を看取ると言いだす。対立する母と妹。煮え切らない義父(叔父)。そして主人公は学校で演劇部に入り、冴えないながらも居場所を見つけていく。

    これだけの物が揃っていたら主人公の演劇部の話は必要無いような気がします。色々ぼやけてしまって残念だったなあ。もっと家族模様をがっつり書いた方が好みでした。
    つまらなくなかったけど人には勧められない。そんな本でした。

  • 高校一年生の想哉は同級生に誘われて経験のない演劇部に入部する。
    そんな矢先、元女優の母が、親族でもない病気の男性の最期を看取ると言い出した。

    著者の作品の主人公は、いつもさらりとした草食系男子。
    主人公の心の動きが短いセンテンスで綴られる作風が好みです。
    そして、著者にかかると、元父の弟と再婚した母という設定までもがさらりと書かれ、当たり前の事ようで、その設定にもすんなり入れました。

    ひとつの出来事を越えた家族の成長物語、いい出会いでした。

  • ちょっと複雑な家庭環境で暮らしている高校生の男の子が主人公。
    なかなか有り得ない設定で、さらに有り得ないハプニングが起こるけど、主人公の語り口が淡々としているので、すんなりと物語に入り込めた。
    淡々としているけど、思春期の心の揺れも伝わってきた。
    最後の最後でタイトルが伏線回収されて、ちょっとクスッと笑ってしまった。なるほどね、って感じ。

  • ちょっと訳ありな家族の物語。みつば高校に通う知った名前もチラホラ出てくる。
    中学生、多感な時期だよね。

  • 小野寺さんは、本当に日常を描くのが上手いんだなと思った。それ故に1回で通して読むことがキツくなることもあるけど。でもそれは起こり得る良いキツさかも。だって日常ってそう言うもの。

    「不和」までは行かなくても病気で言う「未病」の状態のような家族。そこに落とされる新たな不穏要素とひょんなことから入ることになった演劇部。2つの軸がうまく絡み合ってそれぞれ少しずつ良い方向に進んでいく。

    ヨルシカの歌に出てきたヒッチコックについてや演劇について、散骨についての初めて得る知識もあった。物語を通じて得るものは多い。

  • 帯を見てドロドロした人間関係を思い描いて読み始めたのですがそんなことはなく小野寺史宣らしい優しいお話でした。

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著者プロフィール

一九六八年千葉県生まれ。二〇〇八年『ROCKER』で第三回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞し同作で単行本デビュー。著書に「みつばの郵便屋さん」シリーズ、『ひと』『ミニシアターの六人』『レジデンス』『タクジョ!』『銀座に住むのはまだ早い』『君に光射す』などがある。

「2023年 『片見里荒川コネクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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