酒が仇と思えども

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 86
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635275

作品紹介・あらすじ

凝った心をときほぐす、呑まずに酔える傑作時代小説!
呑んでも呑まれるなとは言うけれど、呑むにまかせる夜もある。
時に後悔の朝を迎えても、それでもやっぱり酒が好き…

酒屋の跡継ぎとして、酒のせいで悩んでいる人に手を貸したい。幹之助がそう言い出したとき、親はもちろん奉公人まで目を丸くした。……酒屋の主人になるのなら、酒の功罪を知っておきたい。並木町の七福は酒を売りつけるだけではない、のちの事まで気を配ると世間の人が思ってくれれば、客がさらに増えるはずだ――もっともらしい言葉を連ねて、渋る父を説き伏せた。それから二年、さまざまな相談が幹之助のもとに持ち込まれた。(本文より)
盃を重ねるほどにほろりとさせる――人情酒屋で、どうぞ一献!

感想・レビュー・書評

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  • 江戸の酒屋の若旦那が、酒にまつわる人々の相談に乗るというちょっと変わった視点の人情話。楽しさを増す一方失敗も招く、酒は暮らしに彩りを添える必要不可欠な存在。酒の無い人生なんて、と改めて思うね。

  • 多くの時代小説とは違った視点で物語を紡ぐ作家さん。
    今回はお酒。
    酒屋の若旦那、幹之助は、酒に関する悩みを聞く仕事を始めた。
    酔った自分が何をしたかわからない。
    この世で一番うまい酒を禁酒明けの幼なじみに飲ませたい。
    酔ったはずみで嘘をつき、取り返しのないことになった。
    おかしな悩みに、一生懸命答える、支えになる。

    暖かい読後感の話になっている。

    最後はこの悩み相談のきっかけになった、自分の結婚話。

    さて、自分のことはどう解決できるか。

  • 酒の問題を解決する、というシリーズ短編集ですが、酒が悪者になることが多いのがちょっと残念だった。その中で、親友との話はええ話やった……。

  • 大店の酒屋の跡継ぎ・幹之助は、酒についての悩みの相談役をしている。江戸時代の人情噺もの。肩が凝らずに読めて、面白いと感じる作品のポイントをしっかりと押さえている。

  • L

    毎度酒屋の若旦那、幹之助が相談人の話を聞いて解決したりしなかったり。全編アルコールが絡むはなし。
    特に面白みがなく淡々と読み進める。話の続きが気になる!という引きはないので、一気読みができない。キャラクターの魅力に尽きるのかもしれないけど、読者の私が酒飲みじゃないからかもしれない。

  • 酒のせいで上手くいかない、いやな目にあった。そんな飲んべえ達の悩みを酒屋の跡取り息子が聞いてやり、相談に乗ってやる。そんな連作短編集。
    酒のせいじゃないでしょ、っていうような悩みばかりだけど、最後は上手く解決してめでたしとなる。
    最後の話は今まで悩みを聞いてたほうが悩んでしまう。面白かった。

  • 極楽の味が良かった
    身につまされる感じ
    飲んでも飲まれるなってことですね

  • 酒の功罪、酒の悩み、酔った自分が何をしたか思い出せない、この世で一番うまい酒を禁酒明けの幼馴染みに飲ませたい、酔ったはずみで嘘をつき取り返しのつかないことになった・・・、いろんな酒にまつわる相談を受けるのは酒屋の若旦那、幹之助22歳、あっぱれな対応ぶりです。中島要さん、初読みです。直ちにファンになりました。「酒が仇(かたき)と思えども」、2017.10発行、狐とかぐや姫、目が覚めて、極楽の味、身から出たサゲ、後始末、似たもの同士の6話。とても面白かったです(^-^) 中島要さん、男性なのか、女性なのか~?

  • 思っていたより面白かった。
    祝言前に酒を断ちたい娘、酷い酔いの為に殺しの濡れ衣を着させられそうになっている男、亡くなった友人と再び飲む約束をしていた男、酒のために咄家を辞めて幇間になった男、酔った勢いで居もしない息子がいるという嘘に振り回される女。
    様々な酒の悩みを解決するのが酒屋の若旦那。

    一見頼りなさげな若旦那が酒の悩みを解決するだけでなく、その人の心の蟠りや葛藤も解決。
    人情やオチも良かった。

    最後には若旦那の話もあって、こちらもお酒で解決。

    酒は全く飲まない私だが、楽しく読めた。ただやはりお酒は楽しく和やかに飲んでほしい。酔って周囲に迷惑を掛けるのは勘弁。

  • 色々あれど、愛すべき酒。

    「極楽の味」がよかった。

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著者プロフィール

早稲田大学教育学部(講談社文庫初期の傑作『古典落語』を編んだ興津要のゼミ)卒業。横浜在住。2007年、第2回小説NON短編時代小説賞で「寝姿指南」が最終候補になり、08年、「素見」で小説宝石新人賞を受賞。若き町医者を描いた初長編『刀圭』と、受賞作を含む短編集『ひやかし』が好評を集める。祥伝社文庫既刊に『江戸の茶碗』『酒が仇と思えども』。著書に「着物始末暦」「大江戸少女カゲキ団」シリーズ、『うき世櫛』『御徒の女』『神奈川宿 雷屋』などがある。

「2022年 『吉原と外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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