シンデレラ、赤ずきん、人魚姫、美女と野獣、かぐや姫、カルメンの話を現代BL風にアレンジした短編集。
【シンデレラ】王子様→王子様、シンデレラ→エラード
ある夜、エラードと王子様の二人はキャッスルというSMクラブで出会う。
相手のことが忘れられない王子様はエラードが忘れたハイヒールを手がかりに、結婚相手としてエラードのことを探すことに……
プリンス・アルバートがこの話のキーワードです。
シンデレラの話を、SMを織り交ぜて描かれています。
【赤ずきん】赤ずきん→赤ずきん、狼→おばあさんの遺産を狙う男、狩人→弁護士
おばあさんの遺産を狙い、お菓子と毒入り葡萄酒を手土産にお見舞いにいく赤ずきん。
おばあさんの家に着くと一人の男がいた。
おばあさんはその男に遺産を相続させると言う。
おばあさんの遺産の行方は———?
後半のBL展開が見所です。
赤ずきんちゃんがエロ可愛い。
【人魚姫】人魚姫→人魚、王子様→社長
ある日、自分のことを人魚だと言い張る男を拾った。
その男は素性を明かさぬまま突然いなくなってしまう。
再び現れた男は社長が進めていたシーサイドリゾート計画の撤回を求めてきて——。
結末が変わってしまうのでオリジナル要素が強いと思います。
ハッピーエンドでよかった。
人魚とヤレるのかが唯一の疑問。
【美女と野獣】美女→新人編集者・ベルモント、野獣→小説家
決して人前に姿を見せない小説家の原稿を取りに来た新人編集者のベルモント。
元々先生のファンであったベルモントは先生のために献身的に尽くそうと努力する。
先生の本棚を見ると先生の作品で読んだことのないものを見つける。
この本になにか秘密が隠されているはずだが、それが何かわからなくて…
ベルモントがデブ専で先生の努力が実らなかったところが面白かったです。
笑顔で高カロリーな物を食べさせるベルモントがえぐい。
【かぐや姫】かぐや姫→モデル・香具山輝也、竹取翁→デザイナー・大木直人、満月→カメラマンの男
デザイナーの大木直人はある夜、美しい男を見つける。
男の名前は香具山輝也。
彼を自分のブランドのモデル“KAGUYA”としてデビューさせる。
パリでOKINAのファッションショーがあった日、輝也はある男と出会う。
その日は満月の夜だった———。
この話の中で描かれている満月が人間だというところがいい。
月に還るかぐや姫の話が現実的な話に感じられると思います。
【カルメン】
話はほぼ原作と変わらないです。
違うところはホセとリュカスが身体の関係であり、ホセはカルメンではなくリュカスを愛しているという点です。
これに伴って、ホセが嫉妬故にカルメンを刺す理由も少し変わっています。
原作とは違った三角関係の結末が短いページの中で上手く纏められていて読みやすかった。