痛々しいラヴ (Feelコミックス)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 505
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396764067

感想・レビュー・書評

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  • なななんきりこ 魚喃キリコ 一回聞いたら忘れられない名前が好き このひとの放つカタカナが好き 内容は現代アートみたいな男女の絵に詩がくっついてるような そしてやっぱり絵にはことばでも表現できないことを表現する力があることに圧倒された 絵ってとてもさりげないね ことばがオープンガーデンのばらだとすると絵は道端のたんぽぽみたいだと思う 160ページの2コマがすごい好きです……
    キヲク
    「あたしはずっとずっと探してて そのナツヲのにおいを ナツヲを探すみたいに 見付けたものはそれとすごく似ていて まるでそっくりな ガラスのビンに入ったキレイなアメ色の液体 2年前のあの部屋からナツヲがやってくる」
    「やっぱりあたしはナツヲじゃなきゃイヤなんだと わざとつぶやいたら涙が出た 2年前の最期とかわらず たくさんたくさん涙が出た」

    いかにクダラナクて又、いかにそれがシアワセか
    「テレビん中ではひとが殺された話でこんがらがってて 明日も仕事だし 部屋ん中はクッチャクチャで 下手すると人生とはなんぞや⁉︎なんて考えそうなくらい ヤな気分」
    「あ この曲すき ウォークマンは爆音できけるからいいなぁ」

    友達のおしまい
    「ちがうよマチダ あたしたちはただ口をふさぐためだけみたいにタバコを吸う 会話はぜんぜんにつまってませんよ リラックスしていてとても楽しいですよ っていう顔をして だけど吸いガラの数は正直だ マチダは言いかたを間違えている あんたが好きなのは そーゆー世界じゃなくてそーゆー世界を持ってるその新しい友達でしょ?」

    あの昼間のこと
    「会っただけで妊娠なんかするわけないけど 死んじゃったんだね ってそう言ったらかなしくなった あの昼間のあった日からなんだかあなたがいてくれるような気がして かわいかったのに」

    ライフプランニング
    「走って帰るあたしの頭の中にたくあんが あの黄色い安っぽいたくあんがいつまでもいつまでも残っていた」
    「だって生臭い生活感はそれだけで強いと思ったんだもん うちの食卓にはいつもね 母親のつくった茶色の煮物が置いてあってね どうしてうちはこんなにカッコ悪いんだろうって思ってたんだけどね だけどそれは絶対の愛情の象徴だったんだってきのうそう思ったんだもん きのうのふたりもおんなじ そうゆうものにカタチをかえてしまった愛情が あたしはホントにうらやましいって そう思ったんだもん」

    はじめてのものに
    「真夜中にエッチすんのと 真ッ昼間並んで歩くのとはちがう 昼間並んで歩くのは愛してる証拠と愛されてる証拠 セックスなんかしてたって愛されてなかったら処女といっしょだ」

  • 詩集のような短編集。イカすジャケット!

    「純粋にキスできないような相手とは
    するもんじゃないと思うし
    純粋なキスってのは
    すなわち愛だと思うんだけど」

    「あたしはそいねしてるだけで
    充分キモチよかったりしてさ」


    『その鮮やかをどうやって忘れたらいい?』

    松本大洋的!


    『いかにクダラナクて又、
    いかにそれがシアワセか』

    カッコわるくて、かわいいの



    『『『友達のおしまい』』』

    話すことないね なにを話そうか

    あたしたちは ただ口をふさぐためだけみたいに
    タバコを吸う

    会話はぜんぜん につまってませんよ
    リラックスしていて とても楽しいですよ
    っていう顔をして

    だけど吸いガラの数は正直だ


    むかしはよかったね



    『ライフプランニング』
    だって生臭い生活感は
    それだけで強いと思ったんだもん


  • 所謂少女漫画、の対極にある感じの絵柄。小野ナツメさんとかもだけど。
    美大生っぽい。

    男とか女とか、気だるい感じ。

  • 読んでて痛い。リアル。わかってるんだけどね、、っていう。

  • 10代一番最初に衝撃と、初めて切ない気持ちと大人への憧れを持った今でも大切な一冊。

  • エモすぎてわかんない。

    一種のプロポーズのようなもの
    の話が好きだった

  • とりあえず、作者の名前が「なななん きりこ」ってすごい。

    セックスを覚えた、20代くらいの女性が主役の短編集。

    女性目線で、リアルながら淡くてせつない感じ。

    これが好きな女性には、映画なら『ブルーバレンタイン』 『チェイシング・エイミー』 『さようならみどりちゃん』、小説なら 『ナラタージュ』(島本理生) 『トパーズ』(村上龍) 『刺青・秘密』(谷崎潤一郎)を読んで、男目線のせつない性を知ってほしい。

  • "その鮮やかをどうやって忘れたらいい?"と"ライフプランニング"が好き。魚喃キリコの描く女性のくるぶしが骨ばった足と靴が大好き。

  •  魚喃さんの作品は絵ももちろんだけど、それよりも文章を楽しむって感じがして、漫画なんだけど詩的感覚、小説的感覚を覚える。
     恋愛ものもとても良かったけど、「友達のおしまい」が一番印象的だった。昔は良かったのにね、と思ってしまう時がいつか来るかもしれないと思うと寂しい。

  • 20歳位の時に読んで、登場人物と自分が重なって切なくなった。
    今、読んだら何を感じるかなあ。

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著者プロフィール

1993年『HOLE』(月刊漫画『ガロ』)でデビュー。主に『COMICアレ!』『DAISUKI』『CUTiE comic』『FEEL YOUNG』などで執筆、代表作に『blue』『南瓜とマヨネーズ』『strawberry shortcakes』がある。いずれも映画化され、話題を呼んだ。2007年に出版した『キャンディーの色は赤。』を最後に漫画作品の単行本は出版していない。

「2020年 『魚喃キリコ 未収録作品集 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

魚喃キリコの作品

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