ひばりの朝 2 (Feelコミックス)

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  • 祥伝社 (2013年7月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784396765828

ひばりの朝 2 (Feelコミックス)の感想・レビュー・書評

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  • 美知花の「子育て、失敗、残念でした。」
    が、私の中で一番ヒットしました。
    分かるんだよな…親の子育ての何が悪かったのか。当の親は分かってないけど。

    誰かが感じた事のある、何らかの怒り、逃れる事が出来ない呪いなんかが分かりやすく描いてありましたねー。

    ヤマシタ先生のおっしゃる「怒り」は、私の今感じている世の中への「恨み」にとても似ていて、代弁してくれたみたいで、仲間を見付けたようで、すっごい共感。
    というか、ヤマシタ先生…ナチュラルに病んでるな…。うん、それが深いところまで根が張っていて、病院に通う程じゃないんだけど、常にちょっと暗いところから世の中を見てるというか。

    さて皆さんが予想してるひばりの朝ですが、私は朝は来たと思ってます。
    卒業するまで息を止めてやり過ごしたんだから、それなりの目標があったんだと思います。
    例えば家出とか。
    学校は卒業しないと就職も出来ないですからね。
    計画的に、確実に、逃げる為の算段をしていたのではないでしょうか。
    卒業式を一日ずらして母親に教えたってのも、一緒に卒業式に出て一緒に家へ帰るというシチュエーションを作らない為。
    それまでは目を閉じて、息を止めて、口を閉ざす。
    自分の小さい世界の全てを裏切る為に。
    それは、ひばりの復讐で、解放なんだと思う。

    私には出来なかった。
    多分、ヤマシタ先生も出来なかったんじゃないだろうか。
    もっと早くに気付いて、もっと早くに逃げ出せれば良かった。

    静かな怒りを形にして復讐を遂げたひばりに、希望のようなものを感じる。

    「私がわるい」と言っていたひばりが、「私はわるくない!」と叫んだ時に、彼女の世界の全てのものと決別したのだと思う。
    心からの叫び。本当は自分ではなく、他の誰か、力ある誰か、ここから助け出してくれる誰かに言って欲しかった。並木がちょっと言ってたけど手は差し伸べてもらえなかったしね。
    全部の拒絶。一人で生きていく決意。もう誰にも期待しない。死と同等の別れ。世界との別れ。そんなものがあの一言にあると思う。


    良いラストだった。
    私も世界を裏切る準備を始めたいと思う。

  • ”「偽善者」と 「薄っぺら」と 「信じられない」 「気持ち悪い」 「普通じゃない」と
    ありきたりの言葉で あなたたちがその狭い世界を罵るたび
    あなたたちが世界にどれほど美しく強靭で信ずるべき 善いものを求めているかいつも思い知らされるようです。”

    一人一人の独白が突き刺さる。
    読んでいて、人との心の距離の遠さに気づき愕然とするような気持ちになった。救いのないような日々が淡々と続いた、その先の結末が、どうか少しでもひばりにとって希望のあるものであってほしい。

  • 「やめなさい。敵とか味方とか
    そんな風に人を分けるようなー」
    「なんで?ママがいっつもやってることじゃん。
    …言ってるコトがおかしいよ、ママ。
    …子育て 失敗 …残念でした」

    「こっちの富子ちゃん出てくっと
    めんどくせえんだよなあ」

    「『偽善書』と
    『薄っぺら』と
    『信じられない』
    『気持ち悪い』
    『普通じゃない』と
    ありきたりの言葉で
    あなたたちがその狭い世界を罵るたび
    あなたたちが世界に
    どれほど美しく強堅で
    信ずるべき善いものを求めているか
    いつも思い知らされるようです」

    「私はあなたたちを助けません
    なぜなら
    だれかのすべてを
    自分のすべてを
    壊すには十分すぎる3年間
    救うにはとても足りない3年間
    …きっと誰にも救えない
    …助けない」

    …「助ける」ってさ
    …どうやんのかな
    …どうなったら
    …あたしって
    …助かってるのかな
    …あたしって
    助かんの…?

    憲人に話を聞いた後、
    富子の前に何度も日波里が現れて
    その都度富子はPCのように
    「右クリック」→「削除」→
    「ごみ箱に移動しますか?」→「はい」
    を繰り返す

    どうにも手を付けられないこと、
    解決のしようのないこと、ってある

    吉本隆明は
    「何のために」と問う前に、
    人には泣く泣くせざるをえないこと、
    「なしくずしにずるずると」生きざる
    をえないこともあり、
    なぜそうなるのかを問うほうが先だ、
    と言った

    この漫画…、スゴイぞ!

  • 懐かしきがんじがらめの暗黒期。一人で生きていく選択まではできず、見逃してくれと毎日祈り、息を殺して何も見ず感じずひたすら痛みを誤魔化して耐えるしかない未成熟期。血の繋がりとか頭から信じている人間に迂闊にしゃべったら死ぬ。先生は醜い人間の1人。手を差しのべてくれる聖人はいるのか。神は気まぐれ。

    懐かしい。
    あの時こうしてればと思うことしきり。その解決策はそれを通過しなければわからなかったのかもしれない。と、簡単に思えるのはもう大人だからー。
    ま、性的虐待までなかったけど。もっと苦しんでいる人がいるのよなんて意味ないんですけどってねー。おお、ムカついてきた。取り敢えずこれだけでも絶対言わないようにしよう。
    いやー懐かしい気持ちに浸れた。理不尽な大人カテゴリーに入れられないように忘れないようにしたいね。

  • 「いかなければ さもなくば しんでしまう」
    中2から1500日を息を止めてやり過ごした彼女には朝が来たのだと思う。
    でも、飛び立った先の希望をちらりとも見せないのは、その先もしんどいことを作者は知っているからだろうな。

    他の人の解釈を、どのキャラに場面に気持ちが動いたのかを知りたくなる作品でした。

  • 富子ちゃんが好き。完ちゃんはほんと無理。
    善人は一人もいなく、でも悪人も一人もいない。リアルで悲しく後味の悪い話。ヤマシタ先生の最後のあとがきが好きです。

  • 平凡な人々の意識にのぼらないようなひとつひとつの些細な悪意あるいは無関心、無神経がひとりの人間を殺すにいたるまで
    直視したくない醜さをまざまざと突きつけられる話だった

    ひばりちゃんの家庭環境がアレでお箸の持ち方や鉛筆の持ち方がおかしいのが妙にリアルで、この先読者が満足するような気持ちの良いハッピーエンドにはならねえぞっていう絶望を感じる

  •  嗚呼なんて気持ちの悪い。
     男性も。女性も。
     自分のエゴイズムを押し付けあう大人と子供に、吐き気しか催さない。
     息を止め続ければ救われる。どうにかなる。我慢し続ければいつかきっと。
     何故無理をし続けなければいけないのか。自分が無理をしていると思わなければ解決はするのか。そんなはずはない。
    「あなたよりももっとつらい想いをしている人たちはいる」
    とか、なんて押し付けがましい気持ちの悪いせりふなのだろう、と思う。
     当人にとっては≪今≫≪まさに≫≪直面しているできごとが≫≪忌避したいものなのだ≫ということが、何故世の中はわからないのか。
     何故なら当人ではないからだ。
     意味のない吐き気のする言葉ばかりが羅列され救いはなく現実は無情にもつきつけられ涙を落とすくらいしかどうにもない歯がゆさは消し得ない。
     おぞけ。だがしかし多くの人が読んで衝撃を受ければいい。美しく飾り立てるその裏の現実を直視して絶望するがいいさ。

  • 久々にトラウマのように残りそうな漫画。色んな場面で思い出してしまいそう。

    ひばりも、ひばりの周りの一人ひとりも、すべての人の気持ちがわかってしまう、から、嫌な気持ちになる作品だった。すごい作品だった。

  • やったね、やりきったね。もう傑作すぎる!
    1巻で示されたささやかな悪意と醜い善意とが絡み合い物語は事態 は進行するが、何ひとつ状況は変わらず、何ひとつ解決しない。事態を展開させる可能性はことごとく芽のうちに摘まれる。この無力感この救いのなさ。
    今年のベストはもうこれに決まりかなあ。

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