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- / ISBN・EAN: 9784396765828
感想・レビュー・書評
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美知花の「子育て、失敗、残念でした。」
が、私の中で一番ヒットしました。
分かるんだよな…親の子育ての何が悪かったのか。当の親は分かってないけど。
誰かが感じた事のある、何らかの怒り、逃れる事が出来ない呪いなんかが分かりやすく描いてありましたねー。
ヤマシタ先生のおっしゃる「怒り」は、私の今感じている世の中への「恨み」にとても似ていて、代弁してくれたみたいで、仲間を見付けたようで、すっごい共感。
というか、ヤマシタ先生…ナチュラルに病んでるな…。うん、それが深いところまで根が張っていて、病院に通う程じゃないんだけど、常にちょっと暗いところから世の中を見てるというか。
さて皆さんが予想してるひばりの朝ですが、私は朝は来たと思ってます。
卒業するまで息を止めてやり過ごしたんだから、それなりの目標があったんだと思います。
例えば家出とか。
学校は卒業しないと就職も出来ないですからね。
計画的に、確実に、逃げる為の算段をしていたのではないでしょうか。
卒業式を一日ずらして母親に教えたってのも、一緒に卒業式に出て一緒に家へ帰るというシチュエーションを作らない為。
それまでは目を閉じて、息を止めて、口を閉ざす。
自分の小さい世界の全てを裏切る為に。
それは、ひばりの復讐で、解放なんだと思う。
私には出来なかった。
多分、ヤマシタ先生も出来なかったんじゃないだろうか。
もっと早くに気付いて、もっと早くに逃げ出せれば良かった。
静かな怒りを形にして復讐を遂げたひばりに、希望のようなものを感じる。
「私がわるい」と言っていたひばりが、「私はわるくない!」と叫んだ時に、彼女の世界の全てのものと決別したのだと思う。
心からの叫び。本当は自分ではなく、他の誰か、力ある誰か、ここから助け出してくれる誰かに言って欲しかった。並木がちょっと言ってたけど手は差し伸べてもらえなかったしね。
全部の拒絶。一人で生きていく決意。もう誰にも期待しない。死と同等の別れ。世界との別れ。そんなものがあの一言にあると思う。
良いラストだった。
私も世界を裏切る準備を始めたいと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「やめなさい。敵とか味方とか
そんな風に人を分けるようなー」
「なんで?ママがいっつもやってることじゃん。
…言ってるコトがおかしいよ、ママ。
…子育て 失敗 …残念でした」
「こっちの富子ちゃん出てくっと
めんどくせえんだよなあ」
「『偽善書』と
『薄っぺら』と
『信じられない』
『気持ち悪い』
『普通じゃない』と
ありきたりの言葉で
あなたたちがその狭い世界を罵るたび
あなたたちが世界に
どれほど美しく強堅で
信ずるべき善いものを求めているか
いつも思い知らされるようです」
「私はあなたたちを助けません
なぜなら
だれかのすべてを
自分のすべてを
壊すには十分すぎる3年間
救うにはとても足りない3年間
…きっと誰にも救えない
…助けない」
…「助ける」ってさ
…どうやんのかな
…どうなったら
…あたしって
…助かってるのかな
…あたしって
助かんの…?
憲人に話を聞いた後、
富子の前に何度も日波里が現れて
その都度富子はPCのように
「右クリック」→「削除」→
「ごみ箱に移動しますか?」→「はい」
を繰り返す
どうにも手を付けられないこと、
解決のしようのないこと、ってある
吉本隆明は
「何のために」と問う前に、
人には泣く泣くせざるをえないこと、
「なしくずしにずるずると」生きざる
をえないこともあり、
なぜそうなるのかを問うほうが先だ、
と言った
この漫画…、スゴイぞ! -
”「偽善者」と 「薄っぺら」と 「信じられない」 「気持ち悪い」 「普通じゃない」と
ありきたりの言葉で あなたたちがその狭い世界を罵るたび
あなたたちが世界にどれほど美しく強靭で信ずるべき 善いものを求めているかいつも思い知らされるようです。”
一人一人の独白が突き刺さる。
読んでいて、人との心の距離の遠さに気づき愕然とするような気持ちになった。救いのないような日々が淡々と続いた、その先の結末が、どうか少しでもひばりにとって希望のあるものであってほしい。 -
懐かしきがんじがらめの暗黒期。一人で生きていく選択まではできず、見逃してくれと毎日祈り、息を殺して何も見ず感じずひたすら痛みを誤魔化して耐えるしかない未成熟期。血の繋がりとか頭から信じている人間に迂闊にしゃべったら死ぬ。先生は醜い人間の1人。手を差しのべてくれる聖人はいるのか。神は気まぐれ。
懐かしい。
あの時こうしてればと思うことしきり。その解決策はそれを通過しなければわからなかったのかもしれない。と、簡単に思えるのはもう大人だからー。
ま、性的虐待までなかったけど。もっと苦しんでいる人がいるのよなんて意味ないんですけどってねー。おお、ムカついてきた。取り敢えずこれだけでも絶対言わないようにしよう。
いやー懐かしい気持ちに浸れた。理不尽な大人カテゴリーに入れられないように忘れないようにしたいね。-
泳ぎ方を覚えると、もう溺れることは出来なくなる。何故だろう、私達は出来なかった頃の苦しさは思い出すことが出来るのだけれど、どうして出来なかっ...泳ぎ方を覚えると、もう溺れることは出来なくなる。何故だろう、私達は出来なかった頃の苦しさは思い出すことが出来るのだけれど、どうして出来なかったのかはあまり上手く思い出すことが出来ない。
私はあの先生好きです。誰も救えはしないと信じているから、誰にも救われない事を知っている。私は手を伸ばさない、そういった自覚を持って地獄を生きているのなら、そこには一抹の神聖さがあるように思えます。南無〜
2013/11/20
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キツい。読み終えてなおキツい。
でも読むべくして読んだ作品という感じ。
ヤマシタトモコ作品の言葉の鋭さは知ってたけど
あまりにも刺してくるわ救いがないわでキツい。
表情や目線のねっとりした動きに吐き気を催す。
ゆっくりと殺される感触。至って普通の日常。
ひばりは今後どんな大人になっていくのだろう。
不安だし、不穏。 -
とても素晴らしい作品に出会えた。
自分で選んだ訳ではないのに、
見た目で判断されることの理不尽さ。
誰もひばりのことを見ていない。
目立った行動をする子でないし、
教室では孤立している。
彼女は身体的特徴だけで
性的に消費され、嫌われている。
怒ったっていいはずだ。
でも彼女は怒らない。1日、1日をただ無難に、静かに過ごす。
自分が悪いんだと思いながら。
悲しくなり、腹がたった。
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お、重い!重すぎる!
言葉の一つ一つがべったり残って息苦しさが治りませんでした。
「殺してやってもいい」「どっちか死んだら」「全員しね」
確かめて行ったら全部行き止まりだったようなリアルさが…。完のような最強の人類は、忘れるなと釘を刺されていたけど露ほども心を傷めずにいい人生を送ったりするんだろうなぁ。 -
1巻を読んだのは5年くらい前。そうかー、こう終わってたか。何も変わらず救いとなるものも見いだせず、とても息苦しくモヤモヤする。目を逸らしているものを突きつけられる感じ。キツいですね、落ちてるときは避けたい物語(^^;。