WHITE NOTE PAD 2 (フィールコミックスFCswing)
- 祥伝社 (2016年12月8日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396766924
作品紹介・あらすじ
入れ替わった体で妊娠。
「知らないわたしになる」
小田薪葉菜(19)と木根正吾(40)の体が入れ替わって2年。
読者モデルとして活躍する現・葉菜には〝彼氏〟ができた。
デザイナーの卵・城田裕策。
男の自分が冷めた気持ちでいる反面、
女の自分は、彼に惹かれていた。
一方、編集部で少しずつ仕事を覚えた現・木根は
〝記憶喪失の人〟を脱し、
努力家の素直な男として周囲に愛され始めていた。
しかし、もはや誰かと恋をしたい少女の自分はどこにもいない。
2年前の少女は、男は、
また違う生き物になりつつあった。
そんな頃、葉菜は生理がきていないと気づき——!?
感想・レビュー・書評
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すばらしい、というより、すさまじい。「女子高生になりたい?なってみろよ、ホラどうだ!」とでも言わんばかりの対照的な描かれ方をする本作なので、女性賛美もここまでくると「不当じゃ不当じゃ!」と手をあげたくなる所もなくはないのですが、その岬の向こうの水平線まで、物語がちゃんと見渡しているからすばらしい。すばらしいというより、すさまじい。そして、まぶしい。
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女子高生とブルーカラーのおっさんが入れ替わる。
見たことある設定だけど、割とコメディタッチで描かれる題材が多かったと思う。
あり得ないけど、実際そうなったらもう順応して生きてくしかないと思うので、それがリアルでした。
ハナになった木根。木根になったハナ。
だんだん混ざり合って前の自分とは違う自分になっていく。
でも、何処か前の自分もいて、それが不思議と二人を友達でもない恋人でもない近くにいる分身みたいに感じる。
そんな、これからを感じるエンドでした。
とても、面白かったです。 -
「いま」、足元なんかぐらぐらでどこにも行けなくてもがいてる、というところを描いた漫画だと思っているので、まぁ正直消化不良の部分もありますが着地はしてんだろうな2人にとってって感じました。
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「あんたのなりたかった/あんたになってやりたい」「むりだよ//じゃあね」pp48-50
のあたりが好きです。木根の「じゃあね」の軽さと、その軽さでもって放り出された葉菜の、底なしの不安が愛おしい。
外的要因によって形づくられる内面、不定形で曖昧な「わたし」を受け入れて、自分を生きること
そういう話を描き切って、素晴らしい作品だとおもいます。「わたし」が不定形で不安定なモヤモヤしたものである、ということはとてつもなく恐ろしくて、同時にそれは、あらゆる変化への希望を内包するということ。
あらすじ的なことを書いておくと、1巻では地味な女子高生の葉菜と、捻くれた中年男性の木根の中身が入れ替わって、葉菜(元中年男性)は若い女子の体を活用して読者モデルになり、木根(元女子高生)はまっさらな人生をどう生きていいか分からず途方に暮れてた。
2巻では、それまで入れ替わった体を楽しんでいた葉菜(元中年男性)が、自分がきえてしまう/自分が誰になるかわからなくなる不安に怯え、一方で、元女子高生で中年男性になった木根が、変化してゆく自分を受け入れ馴染んでいく描写がされる。この対比はすごく意地悪だなあと思って読んでたんだけど、この「意地悪だなあ」を上手く説明できない。
もうちょっと咀嚼する必要はあるかな。
最終話の"わたしたちは毎日/会い すれ違い/見聞きし 触り/そのたび 心も体も/誰かに入り込まれて/心よかったり/痛かったり/きもちよかったり/わるかったり/それでどうして/わたしが独りだと/いえるだろう"のとこも好きです。 -
「灯台へ」じゃん。それにしても「君の名は」と同じ事をやっているとは思えない解像度の違いに目眩がする。大傑作。
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38歳機械工の男性と17歳女子高生の意識がある日突然入れ替わり、その1年後から始まる話第2巻にして完結編。花井沢町〜みたいに、そのまま人生は続く、という結末。でも、結局人は身体の生理に支配されている、という前提の展開だったかも。
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読了。面白い。良いエンディングで、あった。