年々彩々 (FCオンブルーコミックス) (Feelコミックス オンブルー)

著者 :
  • 祥伝社
3.99
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本棚登録 : 943
感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784396783389

感想・レビュー・書評

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  • じわじわときて、ほろっとした。

  • 落語シリーズ2作品+短編1作品。私は落語はさっぱり分かりませんが、とても楽しく読みました。貧乏神のびんちゃんが試験を受けて死神になったり、後書きのだめんずうぉーかーとか笑いました。淡々とした展開の中に、愛なのか情なのかそれとも両方なのか… 独特な雰囲気で面白かった。短編の「小向家の事情」は親が実はゲイカップルだったと分かる瞬間の子供のどうしようもない葛藤や想いがリアルでよかった。最後のオチも楽しかった。

  • 短編集…?と思いきや、死神さんが繋がってる連続ストーリー。最初はこんなダメ男にひっかかってーーー!とヤキモキするけれど、貧乏神であり後の死神が見せる妙な人間臭さに、なんとなく共感してしまったり。死神も、寿限無さんもどっちも死ねない体でありながら、ひどく「人間」を感じさせるそのバランス感が良い。面白かった。

  • 死神が美人でいい味出してました…!
    彼は、さみしい人の心の拠り所になってしまうキャラなのだけど、相手がどんなでも受け入れる、まさに母みたいな性格づけの神様でした。
    しかし、その日暮らしのダメ男については、若い時はいいけど、歳とったり病気したりしたらのたれ死ぬしかないわけで、怖いと思った。そのへんの危険や寂しさを受け入れるのと引き換えに、遊んで暮らしているわけで、悟ったように泣いたり騒いだりしないのが面白いキャラです。
    寿限無くんについても、とにかく寂しさが表されたキャラでした。彼の気持ちが純粋に恋愛感情なのかといえば、違いそうでした。
    それよりこのお話の主人公がラストで死神になっているところがいいです。彼が母のような神様ではなく、明確な気持ちを持つというのは、いいですね。

    同時収録の短編:ゲイ家庭の子の話。小ネタエピソードで味付けされていて個性があってすごいです。
    主人公の気持ちは語られないのだけど、ねじくれたと見せかけて、実は親たちが好きだったのだなあと分かるラストでした。(単に親と似たとかの話ではないと思います。)

  • 秀先生の、ストーリーを生む才に鳥肌が立った
    古来より愛されている落語を、こうも儚くて淡い、温かみが滲むBLに作り直すか
    いや、文句はない。落語好きとして、むしろ、落語に疎い人に興味を持ってもらえるような作品は大歓迎である
    しかし、これまでBL漫画を読んできて、興奮や感動はした事は数回ばかり覚えがあるが、設定や世界観に驚愕したのは初かも
    やっぱ、『おしゃべりは朝ごはんの後で。』、この作品で秀先生に惚れて正解だったかな
    内容は先にも述べたように、落語を基礎にしているBL二本、あと、オリジナル
    肉体描写は割と淡白ではあるが、ストーリーがしっかりと作り込まれているので、物足りなさは少なくとも、私は感じなかった
    人間と人間じゃないモノの“交わり”ってのは、こう、ノマカプでも同性愛でも惹かれます。もっとも、人間×人間も、人外×人外も大好物なんですけどねぇ
    『金魚すくい』も『デラシネの花』も、我儘で自分勝手な気質の人間がふとした拍子に曝け出してしまう人間らしい弱さと、女々しく縋り付いてしまう様が、実にイイ。傲慢な男ほど、惚れ抜いてしまうと、脆くなるって事実を、秀先生の軟そうな線が克明に描いている
    オリジナルの短編、『小向家の事情』、こちらにはラストの落としドコに笑ってしまう反面、やっぱ、親子は親子だな、としみじみ感じ入った
    BLとか抜きにして、私、秀先生の練るストーリーが好きだな、と再実感

  • 落語モチーフとのことですが、もうこんなお話になっちゃうなんて…やっぱり大好きです、秀良子先生。

    ダメ男って可愛いですよね。。。

  • 時代物BLは大好き!秀先生だいすき!
    ぽーっとつったっているだけのような、感情を露に(あえて)していないのになぜこんなに哀愁漂うのか…
    先生の描く男の子たちってあんまり感情を露にしないですよね
    (いや、わからない。4.5作品しか読んでいないかも)
    目も破棄がない感じだし口もぽーっとおちょぼ口
    なのになんで伝わるんだろう?
    漫画家さんってすごいな

    落語ははじめてだったけれど楽しく読めた
    子供の影響でNHKのにほんごであそぼを見ていたから
    これからは寿限無を聞くたびに
    寿限無は不老不死で死神とヨロシクやってる事を思い出すのだろう…

  • 時は江戸、怠け者の与平と彼に取り憑く貧乏神。長屋で夫婦のような生活を始めた二人の行く末は、、切なくも優しい気持ちになれる表題作の他、舞台を現代に移し、貧乏神から転身を遂げたその後の「彼」のお話も見られます。現代舞台のお話は、死神が何故か死ねない身体をもったホストと関係を持つという不思議なテイスト。落語モチーフのBL 集。

  • 落語を元ネタにBLという新感覚。
    ダメ男具合が輝いてる人間。
    そして、貧乏神時代の登場シーンが頭から離れない死神(笑)とても気の長い恋?のお話でした。

  • 憑いた家の者を貧乏にするのではなく、貧乏から脱する様にする為の貧乏神と言う解釈が面白い。貧乏神と言う忌み嫌われる筈の日陰の存在を物ともしないダメ男の、弱さ故の優しさの為に死神になった下りは…ほろっと来た。落語がベースなのか…興味深い。人気作だが『宇田川町~』で色々考えたのだが、人気作であるんだろうけど自分には合ってないなぁ、この作家さんとは相性悪いんかも、と思ったんだが、同じようなモチーフを用いながらも自分の世界観をしっかり描いてしまうのは実力あってこそだ、と思ったし、似た作品にならないってのが凄い。同じ様な素材(落語)をどう膨らませるか、って想像力なんだろうなぁ。作家の個性とも呼べるものかもしれん。

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