- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784400640011
作品紹介・あらすじ
2005年ピューリツァー賞・全米批評家賞受賞小説
アイオワ州のギレアドという片田舎の町。
カルヴァンとバルトを愛読する老牧師が自らの死期を意識し、若い妻との間にもうけた幼い息子に手紙を綴る。南北戦争から冷戦期にいたる三代にわたる牧師一家の信仰の継承と屈折。帰郷した知己の青年と妻との関係。自らの揺れる心。隣人たちの人生――。
「私はこの本の虜になった」バラク・オバマ
感想・レビュー・書評
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2017.12.14 図書館
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内容(「BOOK」データベースより)
『カルヴァンとバルトを愛読する老牧師が自らの死期を意識し、幼い息子に手紙を綴る。南北戦争以来三代にわたる牧師一族の信仰の継承と屈折。帰郷した知己の青年と妻との間で揺れる心。隣人たちの人生―。2005年ピューリツァー賞・全米批評家賞受賞。』
原書名:『Gilead』
著者:マリリン・ロビンソン (Marilynne Robinson)
訳者:宇野元
出版社 : 新教出版社
単行本 : 350ページ
受賞:ピュリツァー賞・全米批評家賞
メモ:
・死ぬまでに読むべき小説1000冊(The Guardian)「Guardian's 1000 novels everyone must read」
・オプラ ブッククラブ『Oprah's Book Club』 -
「ハウスキーピング」の筆者の手際に感銘を受け、これを読んだものの、からっきし歯が立たない。訳者が牧師というのも珍しい。南北戦争以来3代に渡る牧師一家。カルバンとバルトを愛読する・・と言っても日本人、しかもキリスト教へ帰依していないとあって、無理な読書だったようだ。
バラク・オバマが感銘したからと言って、同じ人間の立場にあると言うのは虚妄。息子に伝えたい切々たる想い・・と言えども心に響かなかった・・というか私が無知すぎるのだろう。
ジャックのことに捉われるづける理由も最後まで不明。
「絶対者は現実に存在している」という文があったがこれには肯ぜないのは確かに私の想い。 -
私はカルヴァンもバルトも何ひとつ知らない。牧師になじみもなければ聖書についても同様で、もちろんキリスト教信者でもない。
以前読んだ、ミシェル・クオの「パトリックと本を読む」に出てきたこの本が気になっていたので読んでみることにした。
自分の全く知らない世界の話なので内容が面白いのかどうかは判断できなかったが、初めから最後まで何かに惹かれ続けてページをめくり続けていたように思う。
この本は、自分の死を悟った老牧師が、まだ幼い自分の息子に書き綴った手紙になっており、自分の過去、現在の出来事(時には想像もあるが)に対する思いや考えが綴られている。
もしある程度大人になった自分が、小さい頃に亡くなってしまった父が残してくれた手紙を読んでみたとしたら、目の前にはいない父の考えや思いに触れることでより深い理解や愛情を得られると思う。
それがたとえ何年も前のことだったとしても、その内容が色あせることはないだろう。
この本の内容の全てを理解はできていない。でも、その必要もないのかもしれない。
ただ読むことで大きな愛に触れられる…それだけで良いのだろう。
素晴らしい本だったと率直に思った。 -
年老いた牧師。幼い息子が成人する頃に伝えたいと思っている事柄をしたためる。
教義、教会のこと、聖書、家族の歴史、世界で起こっていること、日常のこと。ゆったりとりとめなく、根雪が少しずつ積み重なるようでいて、まあ退屈である。
読み進めているうちに、眼球が熱い汁によってじんわり湿り気を帯びる時もある。
何かに共感することがあったからだ。
誰しもが元来持っているが、なくても生きてはいける、そして気をつけていないと、段々と薄れ遥か遠くに行ってしまうもの。
それは優しさだと思う。人の心をうち、温かくする。 -
死期の近い牧師が、息子へとりとめもなく語る。