不思議の国のアリス (挿絵=ラッカム)

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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403030345

感想・レビュー・書評

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  • アリス翻訳読み比べその3。翻訳はベケットの著作を手掛けたナンセンスの大家・高橋康成、イラストは数々の幻想作品を手掛けてきたアーサー・ラッカム。大型サイズ、挿絵の一部はカラーで製販というのもあり愛蔵版という言葉がしっくりくる内容。翻訳は読み易さと言葉遊び、最低限の脚注と親切な作りになっているが、今となっては弟子、河合祥一郎の仕事がそれを発展させたと言えるかもしれない。とはいえ本作の魅力はやはり挿絵にあるのだろう。しかしどの訳文も英文と照らし合わせる度に新しい発見とおかしみのある、本当に魅力の尽きない作品だ。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000060882

  • アサーラッカムの挿し絵の、ふしぎの国のアリス。
    王道はジョン・テニエルかも知れませんが、こっちのはより繊細かつ幻想的です。
    ルイス・キャロルが描く、ふしぎの国のアリスの世界観をより楽しめる一冊となっています。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/721525

  • 挿絵に惹かれて購入を決意。色々な版があるお話なだけに、何かしら特別な1冊として欲しかった。他のお話と抱き合わせでない独立した1冊で、大事に愛でたくなるような1冊。書籍情報社のオリジナル版もちょっと気になる。

    挿絵は期待通りの素晴らしさ。繊細で、大真面目に剽軽な愛嬌を備えて、写実と想像力に支えられた幻想性があってとても素敵。ヘンテコなお話に似合いの突拍子のなさや怪奇性がまたいい。そしてすごいなと思うのは、アリスも、アリスと一緒に泳いだ動物たちも、キノコの上の青虫も、チェシャ猫も、トランプの面々もグリフォンもウミガメモドキも、別々の絵でもちゃんと同じ物語世界のキャラクターに見えること。今まであまり気にしたことがなかったけど、きっと完成までに色んなイメージが作られているんだろうな。
    訳も滑らかでわかりやすく、註が後ろにまとめられているのも好印象。このお話は本編と同じ頁で註を見たい気はしない。

    今になって読むと、アリスから冒険譚を聞いたお姉さんの感慨がとても沁みる。ちなみにこれ、ルイス・キャロル本人の感慨が少女に委託されている形だと思うのだけど(おかげでお姉さんがものすごく大人びて見える)、あくまで本人とわかる形で描かないのは、その場面がすでに不思議の国を離れているからだろうか。

  • メディアブック添付の不思議の国のアリス (押絵ラッカム) 作品のルイス・キャロルの作品です。

  • 幼い頃に絵本で読んだ方も多いのではないでしょうか。
    私もその一人なのですが、成人してからしっかりと読み返した事が無く、読もう読もうと思っていたところ、やっと読む事が出来ました。

    不思議の国で、へんてこな登場人物たちと繰り広げる、アリスの奇々怪々な物語。

    言葉遊びがあったり、ユーモアが効いていたり、面白可笑しく読めるのですが、ところどころ不気味に感じる場面もありました。だからこそより一層心の奥を掴まれる感覚があり。

    体が大きくなったり、小さくなったり、ちんぷんかんぷんな住人たちと接するうちに、「おまえは誰だい?」と聞かれたアリスは自分が何者なのか答えられなくなります。

    読み手である私も、まるで夢の中に沈み込んでいくように、この虚構の世界に取り込まれてしまいました。

    しかし最後にアリスが現実世界へときっぱりと戻っていく様子は、読んでいてスッキリ。
    それでもアリスは不思議の国の話を忘れず覚えていて、喜々として姉に語るんですね。そこに眩しいものも感じます。

    私が一番心惹かれたエピソードは、帽子屋の「時間」のおはなし。
    帽子屋が言うには、時間は生きものであり、時間と仲良くなったり喧嘩をしたりできる、と。時間との付き合い方によって、時間が、時を早めてくれることも、永遠に止められてしまうことも、あるのだと。
    すごく童話的なおはなしなのに、なんだか自分の生活と照らし合わせて読んでしまいました。私は果たして時間と仲良くしているのかな。

    作者のルイス・キャロルにも興味が湧きました。この物語は(多くの物語がそうであるように)ルイスの深層心理が表現されたものでは。あとがきにあるのは、ルイスは人付き合いが嫌いで特に成人女性が苦手だった、と。
    ハートの女王を筆頭に、この不思議の国に登場するのは、強硬な女性ばかり。ルイスの目に大人の女性はこんな風に厳しくも怖ろしい存在に映っていたのでは。

    アーサー・ラッカムの挿絵も落ち着いた雰囲気があり、美しい。

    滑稽でへんてこな世界に、もうすこし浸っていたいです。

  •  アニメにもなって、よく知られた有名なお話です。作者のルイス・キャロルは本名チャールズ・ラトヴィッジ・ドジソンというイギリスの数学者です。
    (一般担当/匿名希望)平成30年3月の特集「数学っておもしろい!」

  • 幼い頃にアニメで観たというおぼろ気な記憶があります。
    こういう訳わからなさが童話らしいというか、子どもの空想のようだと感じました。

  • 人生初のアリス。キラキラ輝く日差しとそれを受ける草や水面、紡がれるお話に耳を傾ける少女の表情がまざまざと浮かぶお話でした。子供向けの冒険譚は胸が踊り、要所要所にある昔話のアンチテーゼみたいな要素、大人の視点によるニヒルな記述がまた楽しいのなんの。挿絵も美しい。

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著者プロフィール

ルイス・キャロル (Lewis Carroll, 1832-98)
イギリスの作家。本名Charles Lutwidge Dodgson(チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン)。チェシャー州の牧師の家に生まれ、オックスフォード大学クライスト チャーチ学寮に学び、卒業後、同大学の数学講師となる。『不思議の国のアリス』(1865)、『鏡の国のアリス』(1872)の作者として最もよく知られているが、本来の数学者・論理学者としての、また最初期のアマチュア写真家としての功績も高く評価されている。

「2021年 『鏡の国のアリス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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