スクリプトドクターの脚本教室・中級篇

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著者 : 三宅隆太
  • 新書館 (2016年6月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403120268

スクリプトドクターの脚本教室・中級篇の感想・レビュー・書評

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  • 背中に茶色シールを貼った図書のコーナーに並んでいます。

  • スクリプトドクターとはドラマや映画の脚本や台本を
    より面白くするために手直ししたり、アドバイスを行ったりする
    コンサルタントみたいな職業ですね。
    ハリウッドなどではそういった肩書きをもつ方は多数いるようですが
    日本では著者の三宅さんただ一人だそうです。

    この本は台本の書き方の本になりますが、
    鑑賞する側としても面白い読み物ですね。
    ドラマが組み立てられる行程みたいなものが
    わかってなるほどーと思います。

    以下にピーーンときたところをメモメモ&考察

    □人間は自意識が立ち上がると思考の流れが近視眼的になり
    視野が狭くなる。意外性のアイデアが思いつかなくなる。

    つまり面白いアイデアが欲しかったら、
    いったん自分の損得とか感情とかから切り離して
    考えるみたいな感じでしょうか?
    これは脚本に関するアイデアとは限らないでしょうね。

    □ストーリーというのは、明確な機能を持った人物を立ち上げ
    彼らの間にきちんと葛藤が生じるように、ぶつあいさえすれば、
    おのずと生まれてくる。

    なるほど、なるほど。
    明確なキャラクター同士をぶつければいいわけだ。
    確かにアメリカ大統領選挙を思い起こすと
    あのヒラリーとトランプという強烈すぎる
    キャラのぶつかりあいがあると、
    脳内に勝手にさまざまなバックストーリーが生まれてきたりする。

    □書こうとしているのが「ハイコンセプト」なのか「ソフトストーリー」なのか?

    ハイコンセプトとはいわゆるハリウッド系のヒーローズジャーニーですね。
    対してソフトストーリーとはいわゆる日常系。
    どちらを書こうとするのか?
    まずは明確にしたほうが良いということですね。
    ただそれをミックスしたのが日本でいうセカイ系といわれるストーリーだったりもしそう。
    そして村上春樹も実はミックスだなあとも感じる。

    □依頼される仕事というのは「自分の内側」とは何の関係もないところからスタートする。

    プロというのは自分とは関係ないテーマなのに、
    その中から書きたいものも見つけるわけですね。
    これは仕事一般に云える事ですね。
    自分がやりたいという仕事だけでなくて、
    人から頼まれた仕事の中から自分なりの面白みを見つけ
    いかに自分の仕事としていくか。
    結果自分の世界(内側)がどんどん広がっていく。

    □主人公を追い込む。楽な選択をさせない。

    主人公がある行動を起こすと決めたら、
    その結果状況が悪化するようにしむける。
    つまり作者は意地悪になれ!ということ。
    そのためには主人公に弱点を最初から持たせておく。
    例えばウルトラマンにカラータイマーが無くて
    3分間という時間的制限が無かったら全く面白みはなくなる。

    □サブプロットの重要性

    ジョーズのメインプロットは「人食いザメを倒す」事だったが
    サブプロットは「海への恐怖心をなくすこと」だった。
    もしもメインプロットだけだったら
    おそらく無味乾燥なつまらないアクション映画にしかならなかっただろう。
    そういう映画や小説もたくさんあるが(笑)
    いわゆる深みのない表面的なドラマという奴。

    □脇役のサブプロットも考える

    運命の恋を信じる少女の元に、ある日不思議な魅力を持つ少年が現れる。
    少女は少年を追い求めるが、恋は実らず、少年は姿を消してしまう。
    これなんのストーリーかわかりますか?

    実はこれ、バックトゥザフューチャーのお母さんから見たストーリーなんですね。
    面白くないですか?
    このあたりの裏の設定もしっかり出来ているからこそ
    超一級にエンタメ作品になってるのですね。
    蛇足ですがあの映画チャックベリーのミニストーリーもありましたね、
    大変、芸が細かい(笑)
    2016/11/21 08:57

  • 前作の「初級編」では、「窓辺系」のシナリオライター、今回は、「ソフトストーリー派」のライターを主対象にして書かれていて、どちらも私個人の映画の好みとは全く違うので最初の方で読む気が萎えました。
    日本映画にその手の話を書くライターは十分間に合ってると思うのに、なぜこのタイプの人たちばかりを対象にするのかしら。あまりに目につく問題だからなんでしょうか。
    もっと層の薄いところを育ててほしいな。

    彼らの問題の根源は、キャラクターの内面に対する興味だけで書き進めるから起こる、それだけでは長編はとても持たない、と著者は指摘しており、なるほど、鋭いなぁ、と思いました。
    しかしながら、そういう人たちを主対象として心理学的にアプローチしていくやり方は、前作は好ましく感じましたが、今回は、えー2冊目も同じタイプが対象なの?と腹立たしくすら感じました。
    著者の言う「心理学」ってそういう内弁慶系列の人しか扱いたくないのかしら?

    なお、映画「ラスト・サマー」の破綻に関する見解とスクリプト・ドクターという目線での「診断」はさすがでした。
    この項目は非常に興味深かったです。
    確かに、著者の示唆するリライトがなされれば破綻が消えそうです。
    ドクターという名称は伊達じゃないんだなぁ、と感動しました。
    ソフトストーリー派の半径5mの世界がどうのこうのより、こっちの実際的な議論(外部の要求にどう答えるか、など)の方にもっとフォーカスしてほしかったです。それは次回の上級編なのかな?

  • アイデアが閃くのは、「偶然」と「外部からの刺激」

    サイコロを振ることにより「偶然」をドリルを使うことにより「外側からの刺激」を得る

    「選択した変化」にたいして、あなた自身が「集中」し、「楽しむ」こと。「ワクワクする」

    大切なのは「××すべきだ」「××しなければならない」ではなく「××したい!」「××できるようになりたい!」と心の底から望み、集中すること


    ハイ・コンセプト vsソフトストーリー

    ストーリーラインを組み立てるコツは、常に「あるアイデア」に対して「反対のもの」をぶつけていくこと

    カタリスト
    きっかけとなる出来事に相当する第1TPを呼び込むための、さらなる「きっかけとなる出来事」

    AをBに変えたいけれど「そう簡単には変えられそうにない」という試練が複数発生する
    展開意欲を持つ主人公の行動に影響を受けた他者が行動を始め、その行動が主人公に新たな影響を与える

    「する」ではなく「しようとする」が大切

    主人公は心の底からXを実現したいと願っているにも関わらず、そう簡単にはうまくいかない、という状況をまず作る。あるいは何らかの拍子にXではなく、Yという行動を主人公は取らざるを得なくなる。その結果、Yという行動がきっかけとなってZという展開が発生してしまう。

    主人公と敵対者の物の見方
    何を大切と考え、何を大切でないと捉えているのか、また、何を原因と捉え、何を結果と捉えているのか、に着目する

    機能的役割が切り替わっていく
    主人公、敵対者、協力者の三者関係
    だけでプロット構造を作れる

    プロット構造を剥ぎ取り、抽象化して応用
    スターウォーズ、ターミネーター、羊たちの沈黙
    殺人と逃亡→恋愛とすれ違い
    逃亡者をラブコメにできる

    主人公のサブプロット
    新たに達成すべき内的ゴール

  • 新書館から出ている三宅隆太さんの「スクリプトドクターの脚本教室・中級編」をようやくの事で読了。初級編から面白かったけど、中級編もまた最高に面白い。何かを理解していくという過程は喜びに満ちている!
    僕自身は、脚本を書く訳ではないけども、小説や映画を見る楽しみが一層深まった。初級からノートを取りながら再読したい、そうしてから映画を沢山観たいなぁ。更には、心理カウンセラーの肩書も持つ三宅さんだけにどこかカウンセラーを受けている様な気分になる1冊。「物語」を生成するという事は、やっぱり人生を構築していく事と同義なのかもしれぬ。自分史においても結構大切な1冊になりそうかなと思っている。

  • 脚本書きになりたい、映画やドラマ好き、とかいうわけではない自分でも興味深く読めました。
    初級篇も読み直そうかな。

  • 脚本なり小説なり漫画なりやる人ならばまず読んで損はないと思う。素晴らしい。特に、初級編で概念的だった部分が中級でテクニックとして意味を持って立ち上がってくるので、アマチュアなりプロなりある程度本数や現場をこなした人はまず中級を読んでから初級を読むほうが体に入りやすいかもしれない。初級を読んでないとわからないような部分はほとんどないので、実践派の人はとりあえずこちら向き。そこから発生する心理学など興味がある人は初級もおすすめという感じ。

  • 「あなたがあなた自身の世界観で、驚き、笑い、恐怖し、涙し、考えさせられた映画たちこそが、真の意味で教科書です」

    三宅隆太氏は前作の初級篇のおわりをそう結んでいたが、今作の中級篇もぼくには真の意味で教科書になりそうだ

    成人後に何度も見返したくなる教科書に出逢えるのは、幸せだと思うな

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