第一部は4つの短編と5つの詞、第二部はヨーロッパの少年愛(男性同性愛)について文学周辺を解説する作り。
ことさら少年愛についてどぎつい作品は無いし面白い。
学生時代に読んだ時も、ロレンス「プロシア士官」は胸糞が悪いと思った作品だけれど、今再読しても腹の立つ作品。
同性愛的性愛の裏返しの凶暴さという視点で解説したとしてもとても読めず、自分で解決すべき不可解さを他人に(立場を利用して)ぶつける下種な人間が破滅する(そして罪のない他人が巻き込まれる)腹立たしい話でしかない。
巧いんだけど。
巻末に同性愛を扱った作品の一覧があるので、知らない作品に触れられる良い手引き。