- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784403220227
感想・レビュー・書評
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中島梓(栗本薫)お得意の少年愛の話です。しかし、この手の話はそういう趣味のない人間には結構キツいですね。(^_^;)
とはいえ、そんなに深刻な話でもなく、楽しく読めます。何たって、出だしは「美少年学入門」ですが、そのうち「花の中年学入門」になっちゃうし。その他、座談会もあり、また、最後は小説までオマケで付いてきます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
確認先:府中市立中央図書館
中島梓がタッチしていた『JUNE』・『Comic Jun』での連載をまとめた本。1980年代のJUNEの現場で「美少年」がどのように扱われていたのかを知る上では基礎的な文献と言っても差し支えないであろう。
本書は大きく分けて3つのセクションから成り立っている。
1つ目は美少年の系譜とその輪郭、2つ目には美中年(いい中年男)に対しての幻想とそれを通過した後の女性・そして赤子へといたる系譜、そして3つ目には少年愛の幻想についてのコメンティングへと流れていく。
本書が四半世紀を越えてもなお、読者に提供するものは多い。今もなお繰り返して生産される「美少年」の物語にオーディエンスがどのような幻想を抱いているのか、繰り返し消費される少年愛は何を紡いでいるのか、といった具合に。
多くのBL研究では古典として紹介される傾向が強いが、確かにそうなのである。まるで、ベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』を読むかのような新鮮さを感じてしまうのは事実だ。しかしその感想だけが一人歩きをしているなとも今回読み直して気がつかされた。