きみは天使ではなく。 (ディアプラス文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403520846

作品紹介・あらすじ

貧乏な青年貴族トマスのもとに、猫とともに不意に押し掛けてきたアーヴィン。すぐによく働く万能従僕となったその男から恋を告白されて、トマスは当惑する。一方で、ホテル王の娘と婚約した元恋人ギルフォードの策略により、トマスは代々受け継いできた屋敷を手放さなければならなくなる。その時アーヴィンが講じた一計とは…?繰り広げられるのは華麗なるコン・ゲーム、そして優しく甘く不器用な恋の物語。

感想・レビュー・書評

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  •  アーヴィンは、貧乏な青年貴族・トマスの下へ、従僕として押しかけていった。
     実は、アーヴィンは過去にトマスにあったことがあり、トマスに恋心を抱き続けていたのだった。
     そんなトマスがピンチに陥っていると知って、無理やり押しかけるようにして、トマスのところにやってきたのだった。

     アーヴィンはついついトマスに告白してしまうものの、トマスは当惑するばかり。

     そんなトマスが陥った危機とは、ホテル王の娘と結婚した元恋人ギルフォードの策略により、代々受け継いできた屋敷を手放さなければならなくなったことだった。
     アーヴィンはそのギルフォードに対抗すべく、ある一計を案じるのだが――

     実はアーヴィンは、トマスの家に来る前に、詐欺師をしていて、トマスのピンチを救うべくその手腕を発揮しようと考えたのだった。
     トマスはアーヴィンの正体を知って、戸惑うけれど――

     という話でした。

     アーヴィンは明るくて、ちょっとおちゃらけたと表現するのがぴったりくるような性格をしていて。
     一方のトマスは、真面目で純朴な青年。

     だからこそ、アーヴィンの計画を知って、罪悪感を抱いたりもするのだけれど、結局はその素直さでアーヴィンのことも受け入れてハッピーエンド。

     アーヴィンの普段の何にも考えてなさそうな言動と、詐欺を仕掛けるときに人を食ったような台詞とは裏腹にトマスに対してはこれでもか! これでもか! と丁寧に対応しているし、恋を大切にしているのがわかる描写がとてもいいです。
     こういうメリハリって実は相当難しいですよね。

     そこそこに頭を使うだましだまされのコン・ゲームと、ピュアな恋愛の話のギャップが大きいのがとても面白かったです。

     メリハリのついた物語を読みたい方にはオススメします。

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著者プロフィール

1999年、本来敵役のモリアーティ教授を主役に据えたホームズ物のパスティーシュ『シャーロキアン・クロニクル エキセントリック・ゲーム』で、新書館「小説ウイングス大賞」を受賞してデビュー。ホームズ譚の翻案ものをはじめ、歴史ミステリーを得意とし、当時の風俗を織りこ

「2013年 『ベイカー街少年探偵団ジャーナルIII 死を招く薔薇の怪事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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