わるい男 (新書館ディアプラス文庫 230)

著者 :
  • 新書館
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403522291

感想・レビュー・書評

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  • オフィスラブ。好きな子ほどいじめたいというかんじですな。

  • 【※BL注意】

     最近は、読むBL読むBLが、かなり当たりが多くて幸せです。

     今回のお話は、一章目が荻野水紀視点。
     二章目が、その相手である冬堂視点でした。
     三章目は本当におまけのおまけの感じで、荻野視点でした。

     最初は、とあるお菓子メーカーの開発部に勤める荻野が、とあるお菓子の復刻版のおまけの製作をすることになり、そのプロジェクトのメンバーでもあった広報部の冬堂が、とことん荻野の出したアイディアを却下していったのが始まり。
     基本的に、綺麗な顔をしているのだが、平和主義者の荻野はどうしてそんなに難癖を付けられるのかわからないモノの、冬堂の発する危ない雰囲気には惹かれていく。
     普段は、そういう匂いを感じたらさりげなく避けるようにしていた荻野だが、何故だか冬堂相手にはそういう訳にも行かず、フラフラと近づいて行ってしまう。
     そしてついには、身体の関係まで持ってしまうのだが、そんなことをしてしまう自分の気持ちに荻野は気がつかないフリをしていた。
     けれど、わるい男の魅力は今まで優等生で生きていた荻野にとっては抗えないもので……という中途半端なところで終わってしまったのが、一章。

     これ、本当雑誌読んでてここで終わったら暴れる勢いですよね。そのくらい冬堂の本当の気持ちはわからないし、荻野がどうするのかも読めないまま終わってます。
     でもよく見たら、これ、初出雑誌なんですね。
     よく、読者の方々季刊だから、三ヶ月耐えましたね……尊敬します。
     でも、元々二話で一つの組み合わせのつもりだったのなら、ありなのかもしれませんね。

     話がそれました。
     そして、二章目が冬堂視点。
     ここでようやく、読者の視点で冬堂の考えていることがわかる……という仕組みですね。
     冬堂は相当に酷いことをして、怒らない荻野を怒らせるんですが、そっからの落ち込みようから、ハッピーエンドまでが短い! テンポが早い! というべきなのかもしれませんが……。
     あそこまでやったんだから、もう少しモンモンとしてもいいんじゃないかと性格の悪い私なんかは思ってしまいますが、荻野はそうじゃなかったわけで、あっさりと冬堂を許し、挙句の果てに自分から告白しに来てくれる……という親切っぷり。
     でも、結局は荻野のことが大事だと自覚した冬堂が先に涙をこぼしながら告白してしまうんですが……。

     さあ、これでハッピーエンドだめでたし、めでたし……。

     と思っていたら、書き下ろしの三章目で再びぽかーんとさせられましたよ私は!
     あれだけ、泣きながら冬堂が告白したのに! 荻野はまだ冬堂の気持ちを信じてないんですよ!! あの感動的だった告白シーンはいずこに……。
     一瞬、冬堂がむちゃくちゃやった後に荻野がどうしていたかに時間軸が戻ったのかと思いましたよ。
     ああびっくり……。
     あなたのその目の前にいる人、あなたを思って泣いたんだからね! 「好きだ」って言ったんだからね!! もうちょっと彼の気持ちを信じてあげなよ!! と個人的に胸の中でツッコミが大合唱しておりました。
     もう、なんだか荻野って、優柔不断・事なかれ主義通り越して、天然な気がしてきた……。

     まあ、そんな感じで最後はぽかーんともさせられましたが、大人な感じのすれ違いビターラブを読みたい人にはオススメしておきます。

  • 「わるい男」はどこにいた(笑)? 攻め視点もあって楽しく読みましたが、荻野の恋人の反応が(ボーイズ好きには)わかんない・・・です(汗);

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著者プロフィール

3月17日生まれ。千葉県在住。
1995年白泉社より『抱きしめたい』で単行本デビュー。
近著に『気に食わない友人』(徳間書店)『片思いドロップワート』(幻冬舎コミックス)などがある。

「2013年 『有閑御曹司と恋の事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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