- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784403522390
感想・レビュー・書評
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特殊清掃人(死体のあった部屋やら腐敗物のある部屋やらそういう
特殊なところのお掃除屋さん)の攻めと、超潔癖症の受けのお話。
潔癖症で、歴代の彼女には結局引かれ、傷ついて生きてきたせいか
開き直ってズケズケモノも言う受け。
攻めの職業を聞いた瞬間こそ、酷いことを言って攻めを傷つけたりも
したけれど、側に居て何故か心地良く、おおらかで、受けのトゲトゲも
受け止めてくれる攻め。最初は友人として急接近する。
『雪よ林檎の香のごとく』が好きな人なら、気に入るんじゃないかと思う
ポイントは、2人の会話。『雪よ~』のように、ぽんぽんと心地良い会話で
2人の気持ちが近づいていく様子に萌えるあのパターンなのだ。
願わくば、同人で番外書いてくれないかなあ・・・。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
特殊清掃員と潔癖症のオゾン層研究職。
仕事とアイデンティティがうまく絡み合った絶妙な人物造形と会話のテンポの良さ、情景と心理を絡ませながらするする進んでいくドラマ仕立てが心地よい。
恋に溺れる二人だけにフォーカスが絞られず、同僚の妙子の存在がよいアクセントになっていていいですね。
いけすかない男、と呼ばれる連は確かにその通りですが、徹底したマイルールで他者を招き入れず生きてきたあたりは計にどことなくキャラクター造形が似ているなと再読していて気づいたり。
ほんとうの意味で心の奥に触れて欲しくない深い傷を抱えていたのは長谷川の方だったのかな。
ごくごく自然にするりと惹かれあっていく様にはBLの楽しさが詰まっています。
そう! これ! 一穂節!!! と、これがまさしく読みたい、の絶妙な言い回しとテンポと流れるような文章がひたすら心地よかったです。とにかく文章のトーンが好きでその勢いに夢中なまま読み通した感がありありと。
それぞれの空白やいびつさがすっぽり収まりあうようにするりと心を惹かれあっていく様と、飾り気のないテンポの良い会話が心地よいです。
この男同士ならではのざっくばらんなノリがとても楽しい。
BLでしか書けない最高に面白い話(でもちゃんとBL)のさじ加減のバランスがとても好きです。
後半パートで明かされる長谷川の胸の内と二人のざっくりした愛の告白が最高にキュートで好きです。 -
すべての要素が物語に深く関わり合っていて、
?とならないのに理論的じゃない。
どんどん吸い込まれて行く感じがすごくよかった。
一穂ミチさんは本当に・・文章と言葉で感情を率直に感じさせてきます。
心で好きになる気持ち。
なんか好きになるって気持ちを大切に想うキャラたちの感情に感動させられた。
一穂ミチさんが更にどんどん進化してる・・
だいすきだわ・・ -
書き下ろしの、二人が海沿いで再会するシーンがなんとも言えません。
二人の、緊張感のない会話がほほえましいのがまた切なかったりしました。
一穂さんの、ぽんぽんとやりとりされる会話って好きです。 -
一穂さんの本久しぶりに読んだ気がします。やっぱり素敵だなあ。恋愛の切なさとか小物の使い方とか女子キャラの絡めかたとかすごいといつも思います。あと大体一回はじんわりしてしまう。地元で再会してからの流れに引き込まれました。