ハートの問題 (ディアプラス文庫)

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  • 新書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403522710

感想・レビュー・書評

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  • 2021/06/14-06/17

  • 騒音トラブルに巻き込まれたことをきっかけに始まるご近所ロマンス。
    一穂作品は女性が魅力的でかつ、元彼女を決して悪く言わないところが心地よいですね。本当の優しさをちゃんと持っている健やかな男の子が人を好きになって相手に向き合っていく過程を見られるというか。
    コンプレックスを抱える要にグイグイ迫っていくキラッキラのサンの底抜けの明るさはまさしく太陽のごとく。悩みのない子を書こうとしたらアホの子になった、というのもまぁなんとも微笑ましくて良きかな。「楽しいBL」としてするするグングン読めるこの安心感は変えがたい。
    底抜けに明るく、出会いや経験を経て前向きに生きていこうとするところが見れるのはなんというか微笑ましくてうれしい。

    口絵に女性がいるぞー? と思ったところ、後半パートは姉のつぐちゃん、社長のしょう子さんにスポットが。
    いろんな優しいラブが詰まっていて楽しくて優しくて穏やかでキュンとしました。ほっとするよいお話、を読めるのも一穂さんならでは。「家族」のドラマありきの良いお話が多いなと感じるのはルチルレーベルのカラーなんですかね。

  • 一穂さんの小説の、女性キャラをメインカップルの片方にきゃーきゃー騒ぐモブもしくは嫌な感じの当て馬としてだけで描かないところ、
    そして恋愛するとちゃんとその恋愛が仕事なり人格なり、主人公にプラスに働くところが好きです。
    ヨウが見た目が派手な元カノのことを「でも俺は好きだった」と振り返るし、恋愛感情はなくなっても嫌いになってないところが良いなあ、と。
    しょう子さんにしろ、つぐみにしろ、主人公カップルの恋愛以外にも色んな物語を書くことによって、お話全体が広がる気がします。口絵が主人公カップルとしょう子さんとつぐみの四人なのも良いですね。
    みんな幸せに生きているところがいいです。
    主人公カップルに焦点を当てているのが前半だけでBLとしてはちょっと物足りないけど、でも物語としては楽しめました。

  • 残念なイケメンモデル×過去ありネガティブ高校生のカプ。ヨウの過去がわりと重い物にも関わらず、サンのそこぬけな明るさで調和されるのかアッサリしたテイストです。可愛らしい話しでした。後半、ヨウの過去の決着のつけ方はとても良かったと思う。許すだけじゃないよなぁと思いました…。脇の女性陣がみんな魅力的ですね、特にしょうこさんかっこいい!!

  • 可愛い攻と可愛い受でエピソードは重めなのにほんわかした印象。エロ度が高かった気がする。

  • いままでの作品に比べるとライトな感じ。
    底抜けに明るくて良い意味で軽いサンが素敵でした。
    一穂作品に出てくる女性陣はみんな魅力的^^

  • 設定にやや硬めのところがあるけど、全体的にポップテイスト。
    こういう一穂さんも面白い。漫才みたいな掛け合いにニヤニヤ。

  • ここにきていきなり『こなれた』感じを受けたのはなぜだろう。。。かなりライトテイストだけど軽くはない。

  • 読み物としては面白かったです。
    非常にキャラが立っていて、BLにしては珍しい『女性が活躍』
    していて、尚且つ当て馬ではない。
    これと言った山場もないのですが、ありがちなトラウマをそれなりに
    上手に利用してます。

    ただやっぱりBLかと言われると、微妙……。
    これって多分、もう一穂さんの持ち味なんだろうなぁ、と思うように
    なってきました。唐突にくっつくことはなかったけども、くっつくのが
    あっさりすぎて拍子抜けします。
    しかも受のトラウマが結構ハードなネタなのに、え??
    そんなに簡単に男好きになっちゃいますかっっ?????
    という、何とも言えないモヤモヤ感……。

    それでも内容自体はそこそこ楽しめたので、★3つ。
    とってつけたような桃色や、毎度おなじみの攻からの強引桃色
    持込みは、話の腰を折ってしまうので、一穂さんの場合はもう
    桃色シーンは全部カットでも売れるんじゃない?
    と思ってしまいます。むしろない方が想像力駆使して萌えられそう。

  • ★2.5。一穂さん初読。なんだろう、萌えたけど何かしっくり来ず…。終始ラブラブなのに全体的に淡々として甘さ控え目に感じたのは、独特なテンポが合わないからか、それとも受の温度が低いからか。台詞がどちらの発言かわかり難い所も。ラブコメ的な攻のポップさとシリアスな受の事情がまるで別作品を読んでるように感じ、うーん。また、あまりに攻が天真爛漫過ぎるのも個人的に物足りず、もう少し人間味ある方が良かったな。後半は、天然タラシな上に良くも悪くも頓着がない攻の性格は、恋人には残酷かもと思えた。

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著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

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