恋してる、生きていく (ディアプラス文庫)

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  • 新書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403523847

作品紹介・あらすじ

生まれつき心臓が悪い梓は、登山を愛する穂高に惹かれつつ、寄せられた想いを受け入れられずにいた。日常生活にこそ不自由しないが、梓の体は恋人と触れ合うのに制限があり、命の期限は恐らく人より短い。だからいつか訪れる別離を恐れながら恋人になるより、友人として穂高のそばにいたかったのだ。けれど穂高から諦めませんと告げられた少し後、穂高が登った山で滑落事故があり…?胸を打つ純愛スロウ・ラブ。

感想・レビュー・書評

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  • 山岳物大好きです。ヤクザ、学園等というジャンルのように山岳ジャンルができて欲しい。
    作者の「天国に手が届く」大好きです。時として死が側にある厳しい自然を背景に、男と男、二人の絆、信頼、愛を書くBLにぴったりジャンルだと思うのです。私だけ?
    今回は山岳と言っても梓は家族経営ホテルのオーナー。登山家ではありません。病のために諦めていた「生きる」ことを穂高に惹かれ考えていく。四季折々の山を背景に二人の相手を思う気持ちが静かに描かれて読後感のいい話です。

  • 自然の中が舞台だからか、とてもゆったりした雰囲気の話。梓のことが好きな穂高と、自分が長く生きられないと思っているから穂高の想いに答えようとしない梓。全く違うように見えるけど、お互いのことが大切なのはきっと同じなのだろう。きっとこれからも、お互いのことを第一に考えながら「2人で生きていく」のだろうな。と思った。

  • 【天国に手が届く】がもの凄く良かったので期待していたのですが、ちょっと期待はずれだったというか、悪くはないけど特に印象に残らない話という感じでした。

    攻は年下ワンコ攻。
    受は生気に欠ける病弱受。
    題材は【天国に手が届く】と同じ山です。
    ちょろっと小田切と佐和も出てきていたので、そこは非常に嬉しかった。寧ろそこだけ空気に色が付いたみたいで、他のほとんどのシーンは色のない世界というか、グレーっぽい印象でした。
    何だか読んでいて、受の病気に対する気持ちとか、そういった「病気」を中心に全ての話が進んでいって、読んでいてあまり気持ちの良いものではありませんでした。

    もちろん、山や自然の描写は相変わらず素晴らしく、瑞々しい空気まで伝わってきそうな感じなんですが、受視点のためか折角の美しさまで沈んでいるような……。
    静かで美しいというか、静かすぎて本当に受がどんな風に世界を見つめているのかが伝わってくると言うか。
    そういう点では非常に文章力に優れている作家さんなのではないかと思いますが、今回のお話はそれゆえに起伏もなくいまいちでした。
    正直、物足りないの一言に尽きます。

    攻もワンコなんですが、強引さといったものとは程遠く、ここまで消極的で後ろ向きな受の相手としては、はっきり物足りない。物足りなさすぎて、つまらない。
    何でもかんでも受を気遣い、まるでペンより重いもの持ったことないお姫様扱いに、んん?っと疑問を感じる。
    気遣いも大切だけど、そうじゃないよね……というか、好みの攻ではなかった。

    終盤は手術をきっかけに受がまるで人格まで変わったかのような変化を見せましたが、それも何とも言えない置いてきぼり感で、結局最後までさらっと読んで終わってしまいました。

    読みやすいので普通に読めますが、印象に残らなかったので読み返すことはないと思います。

  • 「美しい」と漢字表記せず「うつくしい」と表現するところからも伝わってくる、デリケートで優しさにあふれたラブストーリーでした。

    山を愛する年下大型わんこ×線の細い年上美人。
    高原ホテルを母と一緒に経営している梓は、山に対する複雑な思いを抱いていた自分へ「山が好き」という明快な答えを与えてくれた穂高に想いを寄せるようになります。穂高もまた梓への想いを告げてくるのだけど、身体の不安から二人の関係を進める勇気がないまま遠慮しながらのお付き合いに。

    梓の複雑な胸中が丁寧に描かれていて、穂高への一途な恋心ゆえの臆病な気持ちがすごく伝わってきました。
    最初は自分の持病のことばかりにとらわれていて後ろ向きだったけど、健康で頑丈な穂高にだっていつ何が起きるかわからないと気づいた瞬間から、梓はとても前向きになっていきます。
    その心の変化、成長が心にじーんと響きました。

    山は梓の生きようという気持ちや、穂高への恋心の象徴のように感じました。
    毎日遠目に山を見上げるだけで諦めていた梓の手をとって、寄り添ってくれた穂高。穂高の愛に応えようという気持ちが、登山したいという意欲につながっていきます。
    穂高を好きになって、初めて生きることへの執着が芽生えた梓です。愛のパワーですね!

    プラトニックで終わっちゃうんじゃないかと危惧するほどの、清らかラブでしたね。エロティックな雰囲気とは無縁そうな二人なので、ちょっとした身体接触wにもドキドキさせられました。
    なので初めて結ばれたシーンは、よかった~!と安堵してしまって、萌えより喜びの方が大きかったです。
    Hはラブラブ、あまあまでした!
    みずかねセンセのイラストがぴったりで、脳内でイメージが広がりました。ボルゾイのシルフがめちゃくちゃいいw

    山ものは好きなので、「天国に手が届く」も読んでみたいと思います。

  • 初読み作家さま。
    山岳写真家・穂高×高原のホテルオーナー・梓。
    山岳純愛スロウ・ラブ物語。
    二部構成。

    生まれつき心臓の悪い梓。「生きる」事にも消極的で穂高の気持ちも受け入れることが出来なかったが穂高と一緒にいることで恋をして「生きる」事について考えて実感していく過程がゆっくりと丁寧に描かれていて読んでいて気持ちが良かった。

    穂高は年下わんこ攻かな〜と笑
    梓が大事で大事で大好きで。梓が嫌がることは一切しない。そんな穂高が可愛くて大好きな梓。
    前半と後半で梓のキャラが違って見えたのはわたしだけでしょうか笑

    ストーリー全体にこれと言った大きな変化もなく
    舞台となってる山々の自然、四季折々を背景に二人のお互いを想う気持ち、二人で「生きていく」気持ちが終始穏やかに描かれていて読後感が良いお話でした。

  • 山岳写真家の穂高×高原のホテルオーナー・梓。
    生まれつき心臓に持病を抱える梓が恋をして生きるということを考え実感していく過程が、ゆっくり丁寧に優しく描かれていてとてもよかったです。舞台となる山の自然の美しさとあいまってとてもじんわりと心に沁み込むお話でした。

  • ★3.5
    夕映さんは山が好きなんだなとしみじみ実感。山を通じて2人の絆がより深まる感じ。終始穏やかですごく綺麗なお話でした。でも綺麗すぎて物足りなかったかな;シルフがとっても可愛かった!みずかねさんのイラスト素敵でした。

  • この作者さんの山岳ものは、間違いない!

  • 梓の疾病に対する心理のあり方が、健康な自分から見て、不自然でなく描写されていたように思う。

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