キス (ディアプラス文庫)

著者 :
  • 新書館
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403524424

感想・レビュー・書評

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  • ネグレクトの家庭、田舎の閉塞感、何に期待もせずに感情を失くす事で自分を守る苑。
    ⁇と思うくらい苑に執着し続ける同級生の明渡。

    一穂ミチのこういう息苦しい系のストーリーは
    文章の上手さもあって、どんどん引き込まれていく。

    俺様スパダリとジミぼっちが成長しながらラブラブハッピーエンド! 
    なんてならないのが一穂作品。
    わかっているけど…この展開切なすぎるわ…
    ツラいから続きラブに即突入しないと(ノ_<)

    yoco先生のイラストがたまらない!素敵!
    作者買いだけど表紙買いでもあります!

  • 手放しで好きかと言われたらそうとは言えない。読んでいる間終始感じるのはえっまじか……辛いな……。
    田舎の閉塞感溢れる人間関係、民話モチーフ、家業を継ぐこと、明るく強気な幼なじみの女の子、家族の死と葬い……一穂作品でおなじみとも言えるモチーフがところどころにちりばめられつつ、今回の家族は見てて辛かった。さみしさのレシピの智明の家庭をもっと容赦なく酷くした感じかな。
    静かに閉ざされた関係性はどしゃぶりの幼なじみふたりを思い出しました。
    明渡の無邪気さも主体性を奪われてる? というくらいに終始明渡に引っ掻き回されているとしか思えない苑も見ていて辛い。
    ディアプラでこれなんだ、ルチルじゃなくて? イエスノーで知った人は手に取ったら度肝抜かれるだろうという感じ。


    苑のお父さんがふらりと消えた苑をそれでもちゃんと待っていたんだな、というところに救いが感じられました。
    時間と共に取り戻せないものがあっても修復して再構築してまた新たに生み出せばいい、と二人の関係性に希望がある終わり方をちゃんと用意してくれたのは安心感がありますが、BLとしては相当冒険が強くてなんか呆然とするしかないな。
    ちょっと消化に時間がかかりそう。

  • ん〜〜〜そういうトリッキーなやつか〜〜〜がっかり〜〜〜という感じだった…好き好きだけどね…私はリアリティが好きなので、特にBLは…脳が云々とか理屈持ってこられても、記憶喪失ではないにしろこういう持っていき方はなぁ興醒めしやすい、私はね。苑の家庭環境の描写とか胸に迫るものがあってよかったから、同情と恋愛感情の履き違えみたいな方向で持ってってくれたらもっと好きな話だったと思う。あとはね…なんと明渡のキャラが好きじゃなかったーははーこういう人間苦手なんだよーってこれも好みの話です。
    とはいえランタンの場面はぐっときました。あとは苑の両親の終わってる感じとか、セックス見ちゃうところとか、最後お父さんがお金取ってあったとか自転車磨いてたとかいうのは良かったです。一穂先生の作品はメインカプ以外の描写が好きかもしれない、そう思うことが多い。最後果菜子ちゃんが苑にちゅーするところもよかった!

  • 光と影のような幼なじみのお話。
    読んでる最中も読み終わってからもいろいろな思いに捕らわれて、しばらく離れそうにないです。苑がやっと想いを受け入れた途端の展開は、予想だにしていなくて呆然としてしまいました。なんてタイミング。何より雄弁な明渡の瞳。苑がやっぱり離れようとするのが辛くて哀しくて。でもふたりのこれからを感じさせる終わりかたにちょっと安心しました。

  • あらすじ
    クラスの人気者の明渡と、持て余し者の苑。
    明渡が自分に構うのが不思議でならない苑だったが……? 
    光と影のような幼馴染み同士の恋物語。



    手術後の心変わり?とか、よくわからなくて、私的に消化できなかったりするのです。

    あとがきとかにも解説めいたものがないので、分からない処は分からないまま。それはそれで良いのかもしれないけど、スッキリしない感じ。
    察して・感じて系は苦手なんです。読解力ないんで。

    明渡の勝手さと苑の卑屈さで、二人の恋心にも共感しづらくて読み進めにくかったのに、読後感が悪くなかったのは、作家さんの腕によるのでしょうか?

  • 2024/01/17-01/22

  • なんとなくで読み始めたものの、後半の大どんでん返しに頭を殴られたような衝撃を受けました。
    終わりもなんだかハッピーエンド…?って感じで、読み終わったあと暫し放心。
    続きが出ているのを知ってすぐに購入しました。
    後半は読んでいてとても苦しく涙しながら読みましたが、私の中ではとても記憶に残っている大好きな作品です。

  • 最高だった……
    一穂ミチさんをわたしはこれから追いかける…。ツボ連打されて最高に苦しかった……。好きだよーもう。みんな愛しいよー。思い出すだけでにやけてしまうくらいこの関係が好きだ…

    もちろん続きも即行買った。すぐ読む。

  • 途中までは、そんな面白いかな…と思ったけど、後半持っていかれました。面白かった。
    主人公の幼少期から人格が形成されていく過程を辿っていくので、感情移入して読めました。言葉の表現が繊細で、描写が美しくて映画を見てるみたいにイメージが広がります。
    そして表紙も挿絵も世界観があって素敵。

  • 明渡と苑。
    対照的な2人の小学生から始まり、
    高校生、社会人までの2人の歩みって言えば歩みなんだけど…
    正直、前半は受動的な苑の煮え切らない考えって言うか
    半分流された関係がグダグダしててウーンって感じだったけど
    後半、明渡が脳出血で手術を…
    明渡に万が一の事があったら!!と、なってからの展開は面白かった。
    苑が人として色づき始めた感じで
    やはり人間、大事なモノを失ってしまうかもってなれば本音が出てくるさ。
    でもねその後が……!!
    確かに苑に対しての執着に違和感がとあったけど、
    その理由に納得。

    続編楽しみ。

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著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

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