土方歳三・沖田総司全書簡集

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制作 : 菊地 明 
  • 新人物往来社 (1995年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784404023063

土方歳三・沖田総司全書簡集の感想・レビュー・書評

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  • 現存する書簡で土方や沖田を読み解く本

  • 伊達政宗の手紙に関する本を読んで以来、有名な故人の手紙に興味を持ち、手に取りました。

    現物の写真、そのままの書き起こし(いわば白文)、レ点を打った後の読み下し文と掲載してくれているので、故人の筆跡をたどりながら、書の鑑賞としても楽しめます。(相当、しんどいですが。。。)

    伊達政宗公と違い、土方の推測される書の流派については記載あるものの、沖田についてはなく、二人の筆が素晴らしいものなのかは、字が下手な私には分からずです。

    また、政宗公と違い、土方が若干、芸子にもててもててみたいな内容を一度送ってて、それに関する歌を読んでいる以外は、いたって真面目な内容で、ここからも土方が冷徹だと言われてしまうのもあるのかもと感じた。

    沖田については、山南が亡くなった(介添えが沖田自身)ことを述べる手紙を書くために、前置きが長かったり、師匠が病気であるらしいが、自分も病気で見舞いに行けない、でも私の病気の方は快方に向かい心配ない(当時の不治の病の結核だったので、そんなはずない)と書き送ったり、優しさが垣間見える。

    著者後書きにもあるが、意外だったのは、その筆跡。
    土方の筆跡の方が、字の大きさ、行間、改行しかり大らかに見える。沖田の方が小さい字で、行間狭く書き連ね、神経質に見える。

    沖田が土方の代わりに代筆したと思われる賀状などもあり面白い。

    また、剣一本を武器に生き抜いた二人なのに、まめに賀状を出したり、前置きを丁寧に書いてある手紙が多く、どんなに大胆に思える歴史上の人物でも細かい気配りを忘れないのだから、私も忘れてはいけないとも感じた。

    歴史的に貴重な書籍だと思いますが、伊達政宗公の内容には及ばず(残っている手紙が限られているし、故人のキャラに負うものが大きいですが)ということで、★3つにしました。でも良書です。

  • ページの上半分に資料を見ながら下半分に解読文・書き下し文・解説が並ぶ構成。未熟な私としては訳もあると有り難かったです(ノ∀`*)本人が書いた物をそのまま読むことで、当時確かに生きてそこにいた彼らの息吹きをリアルに感じることができました。土方さんの恋文自慢は意外とお調子ものな一面を持っていたのだと感じるし、病の沖田さんが病床の師匠を心配する手紙は天真爛漫にみえて実は細やかな気遣いができる本当に優しい若者だったのだと感じて涙が滲みます。両名の筆跡や文章の癖もまた面白い。著者もあとがきに記されていたように、手紙が一番「本人が遺した物」と呼ぶに相応しい遺品かもしれません。

  • 現存、または現在確認できる土方歳三、沖田総司の書簡を現物の写真とともに収録。

  • 中には土方歳三の手紙29通と沖田総司の手紙6通が、写真入で紹介されている。それぞれの写真の下には、解読文、書き下し文と解説があり、手紙がかかれた背景を知ることができて、とても興味深い1冊になっている。

    最初のページの書簡は、万延元年25歳の歳三が、小島鹿之助の母親あてに、病気のお見舞いと薬の飲み方を伝えた手紙で、目上に人にあてたかしこまった文章がなんとなくかわいい。
    文字のうまいへたは、それぞれの見方で違うだろうが、歳三は、幕末三筆の一人市河米庵のお弟子さん・本田覚庵や、そのお弟子さんの佐藤彦五郎から習っているので、その流派のポイントくらいは押さえているだろう。本田覚庵の日記によると、覚庵のところに一番通いつめていたのは歳三だったらしい。本田覚庵はお医者さん。歳三が大病にかかったという記録が残っているのも彼の「本田覚庵日記」。当時の豪農の文化度の高さは、地方の下級武士より勝っていたのではないかな。

    土方は、じつに筆まめ。29通の書簡の中に数通、他人にかかせたものもあるが、あの忙しさのなかで、故郷にたくさんの手紙を送っている。

    中でも一番おもしろいのは、あの京の女性たちからのラブレターをお土産にと書いたモテモテ自慢の手紙。
    この筆跡は絶対に本人のものだろうから、新しく日記や書簡が発見されたら対照する元字になるのでは。この手紙、文字も心なしかウキウキしている。すごくおおらかだ。その末尾に書かれている句は、
    <b><i>報国の心を忘るる婦人かな 歳三いかがの読みちがい</i></b>

    おいおい!と言いたくなる浮かれ方だが、これを受け取って笑って受け流してくれる小島鹿之助との関係がわかってうれしい。歳三にとって幸運だったのは、故郷に彼をまるごと受け入れてくれる兄のような小島鹿之助や佐藤彦五郎がいてくれたことだろう。

    実は、これまで本を読んだり、映画や栗塚土方を見ていても、この手紙の行為だけは、違和感があってイメージできなかった。
    しかし、昨年の大河「新選組!」の山本耕史の土方をみて、スコーンとこの手紙を書いた土方がイメージできるようになったのだ。これだけでも、山本耕史の土方はもっとも土方らしい土方と断言できると思っている。
    ヒロイックな土方はだれにでも表現でき、イメージできるが、人間臭い青臭い土方というのが初めて具現されたのが山本土方だったのだろう。洋装して、ズボンの前のあけかたの説明をするあの土方の自慢げな顔。あの顔なら、モテモテ文を書く姿をイメージするのはたやすい。
    山本土方は、やはりすごくポイントの高い土方だったと改めて感心させられる。

    沖田の書簡6通のなかで、最後の書簡は涙をそそる。

    慶応3年の11月ころ、宮川音五郎(近藤の実兄)宛ての手紙で、
    <i>「老先生病気につき、ぜひとも東下いたす心組みに御座候えども、病気ゆえなにぶん心底にあいかなわず候…」</i>という文章がかかれている。
    老先生というのは、周斎先生。このころすでに病床にふせっていた。
    大先生の病気が一番気になっているのは総司だろう。自分も病気で会いにいけないもどかしさが溢れた手紙だ。それでも、最近はずいぶん病状も快報に向っているから安心してくださいね。それより、大先生のことをよろしくお願いしますね。と書いている。
    沖田らしい心遣いが表れていて、心が痛む。
    天真爛漫のようでありながら、いつも誰もが心穏やかでいられるようにとの心遣いばかりをしてきた若者だったのだろう。彼が土方を慕っていたのは、本当の天真爛漫を土方に見ていたのかもしれない。

    手紙の端々から見える二人の様子が手に取るように想像できる的確な解説もいい。
    新選組関連本のなかで、かなりおもしろい本だと思っている。

  • 解説と読み合わせていくと面白いですよ。
    新撰組が好きな人は、是非。

  • 出版当時までに判明している土方歳三と沖田総司それぞれの書簡一覧。ほぼ年代順に並べられ、読み下し文と解説付き。現物が残っている場合は写真も掲載されています。

  • 史料本なので軽い本ではないです。

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