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この作品からのみんなの引用
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「しかし宇佐、それでも御仏はわしらのここにござる。どこへも立ち退かれず、どこへもお隠れにはならん。わしらがそのお姿を探そうとするならば、必ず見ることができる。だが、わしらが御仏を忘れれば、御仏のお姿は見えなくなってしまう。」
― 104ページ -
これまで互いに見せたことのない顔を、みんなが取り出して見せ合っている。その顔は、あるときは歯を剥き出して相手を罵り、あるときは絶望に泣いている。悪いのは誰で、悪くないのは誰か。誰にも見分けがつかないのに、無理に見分けて仇を探そうとしている。
― 349ページ -
人の目に映る鬼は、その物の眼の中に棲んでおるからだだから追い出すのが難しい。追い出してしむことを良しとばかりも言えぬ。わしら坊主は苦労する
― 133ページ
みんなの感想・レビュー・書評
下巻はさらにページをめくる手が止まりませんでした。とても切なかったけど加賀様とほうとのやりとりの場面には救われました。宇佐と和尚との会話にもじーんときたり最後はやっぱり涙がでました。阿呆の「ほう」から最後はすごく素敵な名前を考えてくれた加賀様にも涙しました。
いつの時代も一番恐ろしいのは悪霊などでなく、人の心というものだろうか。居なくなってしまった登場人物が多いが、最後にほうが新たな名前を得る場面には涙が…。
悪霊と恐れられた男と、下女として住み込むこととなった少女ほうの触れ合い。
哀しい哀しい結末だが、読後感は爽やかでもある。
不安に耐え忍んだ町民達がふとしたキッカケで爆発し、狂乱の連鎖となる様は、震災・原発事故を経験した今はよりリアル。
何かのキッカケがあればいつ暴発してもおかしくないのかも。
そうならないことを強く祈る。
【図書館・再読・1/3読了】
現代にも通じる人間の欲望が巻き起こす事件や集団心理による行動がよく描かれていて、結果はわかっていても最後は涙。珍しく三か月ロングランによる読了!
久しぶりに本を読んで泣けました。 読んだ後、周到に「泣き」に導かれたことに気付いたけれど、その時は自然に涙、涙。参ったなあ、という感じ。 江戸から四国の丸海藩にやって来た、身寄りのない少女、ほう。 医者である井上家の下女としてようやく落ち着いた暮らしを始めたところだったが、その暮らしを揺るがす殺人事件が起こる。 幕府の元勘定奉行にして大罪を犯した「加賀殿」の身柄を預かることになった丸海... 続きを読む »
「鬼」とも恐れられる加賀様を迎えた丸海藩。十五年前の浅木家の病。
幼い少女ほう、引手の宇佐、役人の渡部、医者の啓一郎。
思惑は絡み合い、やがて夏の終わりの雷がくる。
再読。最終章で泣けてなけて…。
下巻になってストーリーが一気に加速。
上巻では噂や伝聞でしか現れなかった”悪霊”加賀殿も姿を現し、徐々に状況が明らかになっていく。下女として奉公にあがった少女ほうは、ひょんなことから加賀殿にご機嫌うかがいを命じられ…
幕府の罪人を迎え入れることで様々な思惑が交錯し、今まで押し込められてきた藩内の事情や個人的な想いも溢れだしてカタストロフになだれ込む、哀しい物語である。
事件の決着のつけ方がちょっと京極夏彦を思わせるが、視点が主に翻弄される少女達の側なので印象がずいぶん違う。ラストはただただ泣けた。
加賀殿との別れのシーン、物語の締め方はさすが宮部だ。ほうの率直さ、一途さに感じ入る。11.7.31
上巻は説明を頭に入れるのにちと手間取ったけど、後半一気に読めた。ほうの健気さには宇佐でなくてもぐっときてしまう。加賀さまとほうの手習いの場面は心洗われるようだし、住職の言葉「山川草木悉有仏性(さんせんそうもくしつうぶっしょう)」「弱く儚く卑しい人」「身内にある御仏」には、特に信仰のない私の心も揺さぶり涙した。
久しぶりに長編読んだ~!!
なんかめちゃくちゃ達成感が(笑)
内容はちょっと微妙かなぁ?
宮部さんらしい話しだったけど、死人が多くてちょっと嫌だな。
怨霊や祟りを作るのは人間で、幽霊や神様より余程怖い。
神様や幽霊はただそこにいるだけなのにね。
宮部さんの書く幽霊は優しくってやっぱり人間が怖いって話しが多い。
うん。いまいちでした。
久々にページをめくる手が止まらなくなった上下巻。
読み終えるのがもったいなかった。
加賀様がどのようなお方なのか。
「ほう」の持った運の強さ、「ほう」に当てられる漢字の意味。
もう色々なところで唸らされて・・・
全てが幸福に丸く収まるわけには行かない、というのはわかっていても、やはり死に直面するのは辛いですね。
読後の余韻にゆっくりと浸れる1冊。
お薦めです!
讃岐国、丸海藩――。この地に幕府の罪人・加賀殿が流されてきた。 以来、加賀殿の所業をなぞるかのように毒死や怪異が頻発。 そして、加賀殿幽閉屋敷に下女として住み込むことになった少女ほう。 無垢な少女と、悪霊と恐れられた男の魂の触れ合いを描く渾身の長編大作。 加賀殿の呪いとか単なる噂とかを真に受けて 大の大人が翻弄され様々な事件が起こる。 多くの人たちにはもはや脅威の存在になった加賀... 続きを読む »
上巻ではなかなか面白いと思えなかったのに、下巻を読むと一気に評価が覆りました。 不思議な妖の話なのか、人情話なのか?と勝手にカテゴリ分けして期待していたのですが、そのそもそものスタンスが間違っていた。今まであまり時代小説を読んだことがないので、勝手な言い分なのですが、私にとっては時代小説って枠ではなくて、政治小説であり、人の誠意やけじめの物語でした。 上巻で主だった視点を持っていたほう・宇... 続きを読む »
ラストは涙が止まらなかった。いろいろと考えさせられる。重くて苦しくてやりきれない、けど救いもある。
無理だ、無駄だとわかっていても、そばにいれば想いを抑えきれぬ。それは仕方のないこと
火元は己れだ。闇は外にはありません。
内容(「MARC」データベースより)
罪人・加賀殿の幽閉屋敷に下女として住み込むことになった少女ほう。丸海藩の内紛が起こるなか、悪霊と恐れられた男と無垢な少女の魂の触れ合いを描く時代ミステリー巨篇。『歴史読本』掲載に加筆。
鬼、悪霊と呼ばれる加賀様のところに下女としてつかわされるほう
しかし殺されかけたほうを助けてくれたのは加賀様だった
それからほうは加賀様に字や算盤を習うことになる
本当に恐れるべきなのは鬼、悪霊ではなくて人間なんだと思う話でした
最後に涙です
私の好きな人はみんな死んだような…

風光明媚な四国のさる藩に、勘定奉行の幕臣が罪を受けて永預かりとなる。罪人であってもお偉い方なので粗末にはできず、降って湧いたような大椿事に、振り回される人々。
どこからそんな話を思いつくのかと思った...





