- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784404032997
作品紹介・あらすじ
『信長公記』は、太田牛一が慶長の頃に著した織田信長の伝記である。原文を単純に、あるいは正確に現代語に置き換えただけでは、文意が通じないことが多いので、本新訂版では、必要な語句を補い、主語を明確にし、人名については通称を実名に替え、敬語表現を廃し、文の区切り等を変えている。また、文段の配列順を変更して年月日の順に改めた。
感想・レビュー・書評
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春期の古文書講座が終わってから届いた・・。でも気を取り直して読むことに。
天正三年の三月十六日に、京都入りした信長のところへ今川氏真が挨拶にきて、茶器を献上した様子や、三月二十日の相国寺で蹴鞠を行うように依頼する様子などがある。
何となく見ている大河ドラマでもちょうど名前だけ氏真があがっていてあっさりと「過去の人」みたいに流されていたが、信長公記を読むと意外と交流があるのがわかって面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
信長の棺に出て来た太田牛一の作品とあって読んでみたいよ思った。坦々と出来事を記述しているため、引き込まれて読むほどではないが、安土城の描写や信長が竹生島に行った話などはゾクゾクした。
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信長と同時代に生きた、太田牛一の残した作品。
現代訳なので、分かりやすい。
巷説による信長像とは、細かな点が違うのが面白かった。
例えば、長篠の戦いの表記。
大量の鉄砲隊が、向かってくる武田騎馬軍団を殺戮したというのが、一般的なイメージだと思うが、実は長篠の合戦の戦死者は、追い討ちによる戦死者がほとんどということ。
映画やテレビなどでは、武田方の名のある武将達が、突撃を繰り返したという、有名なシーンだ。
ところが、退却時に打たれたというのではこれまでの映画やテレビの演出は違うということになる。
一度合戦の行われた設楽ヶ原に行ったことがある。地元の郷土史家の方が、「こんな小さな窪地に、何万人もの人間達がここで合戦をやっていたとは思えない」と言ってたことを思い出した。
信長公記のイメージと総合して考えてみると、大会戦的なものではなかったのかもしれない。
小競り合い程度の戦だったのかも?
また、興味深いエピソードとしては、信長のワンマン経営者っぷり。
目の前の川が氾濫してようが、敵が大群で味方が少数であっても、進めと命令したら絶対に従わせる。
面白いエピソードとしては以下。
信長は細かい性格らしく、敵の本陣を攻める際、「敵の大将を絶対逃がさぬように充分注意せよ」と厳命した。
ところが、信長は気があせるのか自身で馬に乗り部下に先駆けて突撃した。
あせったのは部下達。先駆けした信長を追いかける。
部下達がおいついたところで信長は、一言。
「何度もいいつけておいたにも関わらず、お前達は逡巡して好機を逸した。お前達は卑怯千万」
先を越された負い目もあってか、部下達もぐうの音も出ない。
信長の説教が長く、プライドが傷ついたのか、、一人の武将が涙を流しながら「そうはおっしゃいましても、我々ほどの家臣は、なかなかお持ちになれますまい」と言った。
信長はこれにも大いに腹を立てて、「お前は自分の能力を自慢しているのか。何を根拠にそう言うのか片腹いたい」とばっさり。
このエピソード、現代でも社長と重役の間でそのまま交わされている会話だな〜と、感慨深く味わいました。
他にも、若い信長という人の心の細やかさを伝えるエピソードなんかもあって、読み応えはあった。 -
一級史料の現代語訳版。
年号により一部史料の並び替えもしてくれているので解り易い。注釈付。 -
ノブナガスキーには外せません。
これも上下巻 -
織田信長と同時代を生き、信長の身近に仕えた太田牛一の著「信長公記」の現代語訳。