沖田総司 (新人物文庫 お 2-1)

著者 :
  • 新人物往来社
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本棚登録 : 415
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784404037374

感想・レビュー・書評

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  • 清潔で明るい、王道の“白”沖田さんでした。
    沖田に関して、曲者だったり不思議ちゃんだったりという解釈の多い昨今の本を読みつけていると、誰からも好かれていい子すぎるのが物足りなくもあるけど、悩める人間的な総司が逆に新鮮。

    歴史的な筋は深追いすることもなく、さくさく軽く読める感じ。少し前まで読んでいた緻密な木内作品と比べると、ほんとにあっさりに感じてしまったけど、その分、総司や周囲の人間たちのたわいもない生活ややりとりが描かれているかな。

    新選組の歴史の後半って面白い部分なのに、沖田は病が重くなることもあって、あまり事件の中心に関われなくなっちゃうんだよね。
    でも、この話は沖田の物語なので、後半になっても史実を曲げない程度に随所に顔を出していて、それがいいような悪いような。

    とりあえず、土方さんの思考が、総司中心に回っているのがスゴい(笑)。別れのシーンも熱かったけど、よもや風邪&看病なんて王道ネタがくるとは^^^^

    とはいえ、沖田の人の良さも、土方との絆も、鼻につくほどではないのがいいと思う。
    他の女性作者の新選組もので、全然ダメだったものはダメだったので。

  • 新撰組一番隊組長・沖田総司の一生を、史実を軸に書かれた物語。彼の性格や人格は作者の大内さんが文献などを基に作り上げたフィクションだが、そのキャラクターは今でも多くの読者に愛されていると思うし、私も気に入っている。

  • 9年ほど前単行本で一度読んだけれど、文庫になったということでまた手に取ってい読み返した。
    新選組小説の中で一番好きだ。
    そして、大内さんの沖田が私の理想の沖田でもある。

    大内さんは本当に沖田を丁寧に暖かく見守るように描かれていて、
    優しい文章だ。そのぶん歴史事項などは軽く流されているが沖田自身も時勢には疎かったようであるし、沖田目線が最後まで貫き通されているように思う。

    新選組のおすすめしたい一冊。

  • 新選組の沖田総司を描いた小説です。
    高校の図書室で初めて読んだのですが、これは総司の小説ナンバーワンではないでしょうか。
    彼を描いた作品には、汚れなき純粋さを強調した温かいものと、刺客としての苦悩を強調した冷たいものとがあると言えますが、これはそのどちらでもありません。
    粛正に加わる総司にも目を背けず、彼の内面的優しさと、刺客としてのダークな部分を、両方の面から丁寧に描いています。
    この小説に勝る美しい沖田総司はいないと思うのですが(笑)、実は彼の外見に言及する記述がほとんどないのも特徴です。
    どこにも美貌とは書いていないのに、読み進めていくうちにピュアな青年が自然と思い浮かんでくる、そんな作品です。
    これを読むと、あっという間に総司と土方のファンになってしまいますのでご注意下さい(笑)。
    史実を適度に扱いつつドラマを描いている感じですが、新選組の物語を楽しむという意味において、この小説は本当に素晴らしいです。

  • 感想書いてなかったから、こっちにも再読の感想載せておく(2021.08.03)

    芹沢が総司と呼ぶのが癇に障るとか、土方さん笑
    自分は小さい頃から知ってるからこその愛称で総司って呼んでるんだもんね、イラッとするよね!とニマニマしてしまう。

    寝込み襲撃時、芹沢が「総司です」に頷いたのって、いつかそうなると思ってたと納得してなのか、君が斬るんだな分かったという承認なのか、どちらなんだろう。

    古高拷問後に、土方さんに総司がお茶を持ってくところ、本当に思いやりに溢れてて好きすぎる。
    みんな土方さんに寄り付かないだろうというのが分かってるから、総司は持っていったんだよね。
    それも、冷たいお茶という気配り…!

    労咳になった総司について、山南さんと土方さんのやり取りしんどすぎか…!
    そりゃ、山南さんには総司は言わんよな。
    だって、土方さんと既に話してるんだもん。
    土方さんも、そのこと突かれたらそりゃしんどいわ。
    だからといって、あの返しは山南さんの反感買っちゃう……すれ違いがしんどい……。

    環と総司、結ばれないとはわかっていても、両思いなだけに切ない…!

    土方さんも谷のこと気にしてたんだな。
    総司のために、試衛館の居心地を良くさせようと画策するとこしんどい〜!
    からの道場での打ち合いは泣いちゃう。
    「このままの元気でいてくれ!」って、土方さんんん!
    総司には、元気でいてほしいよねわかるよ。

    周斎先生、呆けてしまっても総司のことはしっかり覚えてたのしんどい。
    それも、子供の頃の木登りのうまい総司のことを。
    涙腺崩壊してしまう〜。

    土方さん、看病は総司以外受け付けないの笑った。
    ほんとそういうとこ〜!!
    総司以外がするのが気に食わないって、相当だよ(笑)

    総司の切腹を土方さんが止めるとこしんどすぎんか???
    涙ながら立派に介錯はするから、て。
    そこで折れちゃう総司がまた、ね。
    土方さんのために、死も諦めないといけないものの一つって、もうパワーワードすぎる。エモい。
    クソデカ感情爆発しちゃう。
    ブロマンスに溢れすぎているこの二人〜!ほんと尊い。

    土方さんとの別れのとこ、ブロマンス詰め込みすぎ!
    エモエモのエモ!(語彙力)
    土方さんが総司をそばから離したくなかったのなんて、知ってた!知りすぎてたよ!
    総司、最後まで武士って感じで泣いちゃったよ。
    ネコちゃん斬ろうとするのはだめだけど、あの瞬間は新選組の沖田総司に戻ってた気がしたよ。

  • 友達に貸してもらい読みました。
    あまり幕末期の歴史に詳しくはないのですが、なるほど新撰組は浪漫なのだなと思いました。 

    沖田総司はやはり美男に描かれるのだなぁ。
    ちょくちょく出てくる山崎さんがとても良い人で
    私は泣きそうです。

  • この小説の沖田さんは、綺麗すぎず、格好良すぎず、心の弱い部分も垣間見れて若者らしい私の思う『沖田総司像』に近かったです。
    そのおかげでとても入り込みやすく、親近感も湧いてどんどん読み進められました。

    さりげなく書かれた沖田さんの行動一つ一つに彼の性格が出ていて、でもどこか影があって。分かり易そうで分かりにくい。
    兎に角沖田さんの魅力に引き込まれた作品でした。

  • 沖田総司が好きだったため、今までの印象が崩れたら…と思って手付かずになっていた本。

    でも、そのまんまの沖田総司でした。

    今の作家さんたちは、この本を参考に沖田総司を描いてるのでしょうかね?

    知らないことも新たに知ることができ、楽しい1冊でした。

    でも、心の何処かで、沖田が労咳で死なずに隠れて生き延びていて欲しいと、どの本を読んでも思ってしまうのです。

  • 初めて、新撰組に関する本を読みました。沖田総司の一生が描かれていますが、そこに関わる人達のこともかかれていました。切ない内容になっていますが、沖田総司の純粋で淡々としている部分を感じました。山南さんのところは本当に切なかったです。本当に素敵な本に出会えました。

  • この本の沖田が一番好きです。

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