紫電改よ、永遠なれ (新人物往来社文庫)

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  • 新人物往来社
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784404039170

感想・レビュー・書評

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  • 史実を基に著者の想像も加えた戦記小説。菅野直を中心とした343空のエースたちの本土防空の戦いを描く。
    誤字脱字、似た表現とか同じ内容の繰り返しとかがちらほら。堅苦しくなく読みやすいけど、上手な小説かといわれるとそれほどでもない印象。
    空戦機動を文章のみで表現して、それを読んで理解するっていうのはなかなか難しいな。いまいちそこの迫力が伝わらないところがあった。
    大戦終盤でも、質量ともに勝る米軍に対してこれだけの戦いができていた部隊があったことは素直に驚いた。時代劇の剣豪のように寡兵で大軍に切り込みよく立ち回るも、刀折れ矢尽き、一人、また一人と斃れていくのが悲しい。
    あと、単純に紫電改というネーミングが美しくてカッコいいと思った。
    紫電ってたしか紫色の稲妻という意味の他に、紫電一閃っていわれるように研がれた刀の刃に閃く光みたいな意味があったと思うけど、大戦後期に、追い詰められた帝国海軍が放った最後の一瞬の稲光という意味でも、研がれた刀のような名機という点でも、ピッタリの名前だな。このネーミングとこの機体の運命との不思議な一致が、さらに紫電改の物語のドラマチック性をかきたてている。

  • 菅野直に焦点を当てた本。主に343空所属時の話が多い。数ある紫電改の書籍でも、さらっと読みやすい。ただ、菅野の死ぬ瞬間の描写など、作者の想像もままある。

  • 本書は実在の人物「菅野直大尉」を元に筆者のイマジネーションなどを織り込んだ小説である。
    「最後の撃墜王」を参考にしているとのこと。
    初っ端から気になったのが
    「多くの書物を読み漁る中、幕末の志士や西郷隆盛、ナポレオンの生き方に感銘を受けた」とあるが私の記憶ではナポレオンに対してはそうでなかったと記憶していたので、
    「最後の撃墜王」を確認する。
    明治維新の志士を想うという部分は三頁に渡り述べており、
    吉田松陰、頼三樹三郎、梅田雲濱の名をあげ
    「死を野辺にいたし、屍を馬革を以てつつまんとし、鋒鎬の間を往来して毫も怯なる所なかった彼らこそ、自分の最も信尊する所である」
    とある
    ナポレオンに関しては「ナポレオンが自分の興味を湧き立たせない理由は、彼は物のあわれを知らない唯物論者であるからだ」
    このように日記に書いている大尉がナポレオンから感銘をうけるとは思えない。
    史実風味の小説として読んだ方がよさそうである。

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