マリリン・モンローという生き方 (新人物往来社文庫)

著者 :
  • 新人物往来社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784404041487

作品紹介・あらすじ

女優、マリリン・モンロー。痛いほど真摯に自分を見つめ、努力を重ね、決して諦めず、劣等感を魅力に変容させた。ウィットに富んだマリリン語録とともに真に美しい人生とは何かを問う、甘やかな涙を誘う一冊。

感想・レビュー・書評

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  • ブクログのおかげで手に取った一冊。
    外見だけと思っていたが実は努力家だという意外な一面を知り、出演作に興味を抱いています。
    総じて、幸せな時があったのかなあと思ってしまいます。

  • 素晴らしい美貌を持って生まれたが、小さい頃に愛されることが無かったことがトラウマとなり、愛に対して貪欲かつ枯渇している状態がずっと続いている状態は辛かったであろうと思う。幾人もの男性を虜にしたにも関わらず、長い間結婚生活を続けられず、さらに熱望していた子供までも授かることができなかった苦しみや悲しみから精神をどんどん病んでしまう過程は読んでいてとても辛かった。マリリンの人を愛する気持ちは深く、特に弱い立場にいる人や動物への行動には心を打たれた。よく絵画などで描かれる綺麗な人だとしか知らなかった彼女の生い立ちを知ることが出来て嬉しかったし、所々にある写真も綺麗で読んで良かった!

  • マリリンを愛のローレライとして書いてくれて、感謝の気持ちでいっぱいです。

    マリリンについて語るとき、どうしても酒・薬・男にだらしないという批判になりがちな人が多い中、「それは事実としてあったけれど、こういう背景があった」「本来の彼女はこういう人物だ」と提示してくれる。

    使われている写真も、いわゆるモンロー・スマイルではなくくしゃっと笑った笑顔や、本人が気に入っていた真正面からの顔などを扱ってくれている。

  • なじみがあるようで実は何も知らないモンローについて知ることができて良かった。突然の死のサスペンス性がはやされがちだけど、その事自体よりも生い立ちや生前をよく知る事が大事だな、と。
    そういえばじっくりと出演作を見たことが無いと今更気づき、読後に配信で何本か観て、その規格外の魅力に度肝を抜かれました。
    そもそもこの本を読もうと思ったのは、ファンであるアナ・デ・アルマスの「ブロンド」の鑑賞中に全く理解がついていけず、勉強して出直そうと思った故。その後改めて観なおして、こちらも納得。酷評されている映画だけど、ちゃんと予習してから観たので、決してそんな事は無い、むしろとてもいい映画だと思う事もできた。
    教科書として選んで正解の1冊でした。

  • 愛し愛され、認め合い、分かち合うことを望んだだけなのにね。

  • 請求記号 778.253/Y 24

  • 感受性が強い人の話

  • 劣等感を持つ女は美しい---

    --彼女はピュアだ

     真実だろうか?読了したあと、彼女を美しいともピュアだとも感じなかった。

     彼女は人を愛していたのだろうか。愛していたというのなら、ケネディ大統領(妻子持ち)と不倫をしない。相手のことを大事に考えるのなら、子どもや妻がいる男性と不倫関係にならない。また、自分を大事に考える男性は妻子があり既婚の身でありながら女性に近づくこともない。

     彼女は人を愛していたのだろうか。
    少なくとも、自分自身を愛して慈しんできたわけではない。セックスシンボル、最高にセクシーな女だと言われたマリリンモンローは、今の私からすると相手を育て、自分を育てる行為をまったく放棄したからこそ、相手にねだるばかりあるいは与えるばかりのただだのお子様にしか見えなかった。絡み合う共依存関係しかつくりだせなかったのではないか。

     幼いころ性を含む虐待を受けた子どもが成人すると、性的な仕事をした時に初めて自分に価値を見出す(性虐待をうけた女児が成人するころ、性的な魅力を男性たちに評価されはじめて認められるなど)はなしはきいていたが、マリリンモンローはこのケースに該当するだろう。

     マリリンは数回結婚を繰り返しては離婚をしている。最初の夫からも男性たちの気をひくマリリンの服装を注意されるなどDVのようなものを受けていた描写もある。

     数十回にわたる中絶で妊娠がなかなか三十代にできない。三十代になっても男性たちからいかに性的・身体的な魅力を評価するかがマリリンモンロー、三十六歳。死ぬ前までの自らに下す価値観だった。あくまでも男性目線中心の価値観である。

    彼女には素晴らしい点がいくつかある。
    わたしが彼女を良点をあげるのなら男性中心の価値観ではなく以下の三点。

     身寄りがない施設育ちであり高校を中退、選択不能の環境によって剥奪された教養、知性に憧れ一層の努力し、誰もを惹きつける教養をにつけた努力。

     身寄りのない子どもたちや貧困の人々に施しを与え、いたわり性的マイノリティに対しても理解を示す高い共感力。

    引用します。

    “マリリンは社会的良心というものを強くもっていた。それを支えていたのは知識や教養よりも、彼女が生まれながらにして持っていたナイーヴな感情だった。”

     マリリンは男性中心のセクシャリティ、セックスシンボルというより相当な知性を磨く努力家だったのだ。また、自分がうまれもって不遇と言える環境にいたからこそ弱者に対していたわりある心こそマリリンの素晴らしさだった。

     願わくば、あれだけの努力家だ。彼女の知性や努力は自分で自分を育てるほうこうにいってもらいたかった。彼女はもともと知的で努力家で、弱者に共感できる心をもっている。

     ふと、本を読み終わった時に都会で生まれ育ち中流の裕福な二親揃った家庭出身、海外一流大学卒業後、好き勝手した後に大学助教授をしている女性を思い出した。
    貧困とは無縁の既婚三十歳前後の女性である。あまりにも恵まれすぎているために階級の低い、弱者に対しての想像力が薄くわがまま放題であるために顰蹙を大いに買っていた。

     中流階級出身であるため、下流階級の生活様式がまったく理解できていないから養護施設においでと何度も言ったのだが無視され理解する姿勢すら見せない。貧困層を理解しようともせずに彼女は妄想で語る姿勢に私達は激怒した。

     彼女は昔、ブスであるのを理由にいじめられたと言っていた。最初はひどいことをするものだと考えていたのだ。だが私大に彼女の階級の低い人々に対する想像力欠如、気遣いやいたわりのなさが目立ってくる。不幸自慢も多い彼女は自分が可愛くてただ仕方ないナルシストだった。
     ある程度の地位、両親の階級、学歴、そして20歳以上年の離れた夫の財力などがついているのでやりたい放題のモンスター化している状態。私生活まで割り込んでくる図太さ、図々しさ、相手の迷惑を考えない手前勝手さ。

     彼女のまわりに指摘してくれる人はいない。私も何度もいっているのに彼女は無視しつづけたから離れたいのに、利用したい時だけやってくる。断っても自分の要求を通すことだけしか頭にない。やりたい放題だ。
     だから彼女は友達がいなくなるだけなのに「友達は選ぶ」といった胸を自伝にかき立てていた。まるで身勝手だ。ブスでいじめられたとも述べていたが、今となっては彼女の都合のいい脳内変換であった可能性が高い。わたしは彼女を美しいとも知的だとも感じなくなっていた。

     彼女のまわりもまた中流階級以上で固まっているから階級が低い者たちへのいたわりや貧困に対する想像力がなくまた理解しようと努力する姿勢もなければ知性もない。私は彼らがいかに学歴があろうと地位が高かろうと醜く、また知性も感じなくなっていた。人間的な魅力がないのである。

     もってうまれた権力の上に想像力がない一流大学卒業の女性よりも、施設育ち・高校中退から自助努力によって教養を身につけたマリリン・モンローのほうがずっと尊敬できる。また階級が低い人々に対する共感力や労りは得難い宝であったのではないかと本書を読み終わった後に感じたのである。

  •  マリリンと名の付くものにはすべからく手を出す。
     永遠のモンローの生き方とあっては手を出さないはずがない!
     若干のポートレートと、モンローの生き様について淡々と語られる。

  • 誰しもが人間であるっ。どんな大スターだって、人間。

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著者プロフィール

山口路子(やまぐちみちこ)
1966年5月2日生まれ。作家。美術エッセイ、小説など著書多数。近年では、ひとり出版社ブルーモーメントから「生き方シリーズ」の刊行が始まる。また、大和書房より刊行の言葉シリーズ(『オードリー・ヘップバーンの言葉』『マリリン・モンローの言葉』『ココ・シャネルの言葉』『ジェーン・バーキンの言葉』『マドンナの言葉』『カトリーヌ・ドヌーヴの言葉』『サガンの言葉』など)が好評、『逃避の名言集』も話題となり版を重ねている。近著は『大人の美学 245の視点』『ピカソの言葉』『彼女たちの20代』。著者累計60万部を超える。

「2024年 『私を救った言葉たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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