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- Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
- / ISBN・EAN: 9784406054850
作品紹介・あらすじ
思想弾圧と抵抗。敗戦前後期の特別高等警察を記す。
感想・レビュー・書評
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著者は1921年、大阪生まれ。実業学校卒業後、一度は日本通運に就職するが、1943年に応募して警察官に。1945年4月末から福島署の特高係に移り、大阪府警察局警務課勤務を経て、7月に八尾署の特高係となった。本署は10月4日の特高解体による罷免まで、約三ヶ月間の特高課員としての体験を中心に、戦時下の世相と特高の「監視」について述べたもの。大阪大空襲に関する体験と記憶も語られている。
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第二次大戦が終わるまで、日本の思想弾圧の中心部隊であった、「特高」=特別高等警察に在籍した、井形正寿さんの証言や資料を紹介する本です。
井形さんが在籍していたのは、終戦前後の三ヶ月あまりのみで、思想的に「染まること」なくすごしたそうです。
そして戦後はその弾圧のあり方を批判的にとらえ、後世に伝えようとこの本を書いたとのこと。
私の先輩でもある、小林多喜二への残虐な弾圧のような、壮絶な体験はされていらっしゃいませんが、一巡査であった井形さんが、特高になって触れてきた、当時の世情や特高の内部の様子が丁寧に紹介されていて、戦前の日本の非民主的なありようが見えてくるいい本でした。
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